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ロシア売りを放置するとどうなるのか?
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ogasawaraseiji/20140728-00037756/
2014年7月28日 11時40分 小笠原 誠治 | 経済コラムニスト
ロシア売りが止まらないと言います。つまり、内外の投資家がルーブルを手放し外貨と交換している、と。やっぱり欧米のロシア制裁強化が利いているのでしょう。
いずれにしても、ロシア売りなどという言葉がこれだけ飛び交っている訳ですから、このような場合には市場の流れに逆らわない方が無難だということで、売りが売りを呼ぶという事態は容易に想像されることなのです。
では、中長期的に見たらどうなのか?
ルーブル建て資産を保有していると、損失を蒙る危険性が高いのか?
まあ、今のような険悪なムードが長く続くと予想すれば、そのような事態になる可能性も大きいかもしれませんが、その反対に再び事態は沈静化すると考えれば、むしろルーブル建て資産を手放してしまって損をしたという可能性も大きいのです。
いずれにしても、今、ロシア売りが起きています。
では、仮にこのロシア売りを放置しておいたとして、世界経済に大きな影響を与える恐れはないのでしょうか?
例えば、ロシアからの資本の逃避がこの先も続き、最後にロシアの外貨準備が底をついて、ロシアがデフォルトを起こす恐れはないのでしょうか?
貴方はどのようにお考えになるでしょうか? また、欧米諸国はどのように考えているのでしょうか?
クリミアの併合どころかマレーシア航空機を撃墜するようなことをしたから、それなりの制裁を課すのは当然であって、そのために仮にロシアがデフォルトを起こそうと、それは自業自得だと欧米社会は考えるのでしょうか?
実は、幾らロシアに対する制裁を米国が強硬に主張しようとも、そこまでのことを考えているとは思えないのです。言葉を換えれば、少々ロシアに対し厳しく当たろうとも、ロシアがデフォルトを起こすことなど考えられないから、だからこそもっと制裁しろと米国は主張しているのです。
では、何故ロシア売りが今後も続いたとしても、ロシアがデフォルトを起こすようなことは考えられないのか?
答えは、ロシアが構造的な経常収支黒字国だからです。ロシアは天然ガスや石油の輸出によって、概ねこの20年間ほど毎年多額の貿易黒字と経常黒字を計上しているのです。要するに、少々資本の海外流出が起きたところで、その黒字体質に変更がない以上、外貨不足に至ることなどとても考えられないのです。
では、ロシアは、ロシア売りによって引き起こされるルーブルの価値の低下に、それほど神経質になる必要はないのか?
問題はそこなのですが...これが日本などの発想からすれば、自国通貨の価値が低下するということは輸出の拡大につながるからむしろ歓迎すべきだという考えもあり得るのでしょうが、ロシアはそのような考えはしないのです。むしろ、ルーブルの価値の低下は好ましくない、と。
では、何故ロシアはルーブルの価値の低下を歓迎しないのか?
それは、一つには、ルーブルの価値が低下するということは、仮にルーブル建てで輸出契約を結んでいる場合には外貨建てベースの輸出代金が減少するからであり、今一つには、ルーブルの価値が低下することによって輸入インフレが引き起こされる恐れがあるからです。インフレが酷くなれば、当然のことながら金融を引き締めることが必要となり、そうなると経済活動にブレーキをかけることになるのです。
ということで、恐らくロシアは、今起きているロシア売りに対しそれほど神経質になっているとは思われませんが、しかし、ルーブルの価値低下がインフレを起こす懸念があることから、過度なルーブルの価値低下は回避ししたいと思っているに違いありません。
また、そのように考えるからこそ先日、政策金利を8%に引き上げたのでしょう。
以上
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