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本社の周りはライバル会社のビールだらけ キリンVS.アサヒ・サッポロ 仁義なき「縄張り争い」(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/14/hasan89/msg/441.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 7 月 28 日 11:55:05: igsppGRN/E9PQ
 

本社の周りはライバル会社のビールだらけ キリンVS.アサヒ・サッポロ 仁義なき「縄張り争い」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39892
2014年07月28日(月) 週刊現代 :現代ビジネス


 土下座に接待旅行、ついには社長自ら居酒屋まわり

この街だけは譲れない―。企業にとって、本社を構えるお膝元の「城下町」はプライドに懸けても死守するべき場所。東京・中野で勃発した大手ビールメーカー夏の陣、その全容がいま明らかに。

■え、本当に社長なの?

東京・中野。新宿の西隣に位置するこの街を舞台に、ビール業界の将来を左右する決戦の幕が切って落とされた。

「あれには腰を抜かしそうになりました。キリンの社長がいきなり店に来たんですから。それも、キリンホールディングス社長の三宅占二さんとキリンビール社長の磯崎功典さんがほとんど日を空けずに、ですよ。

三宅さんははじめ名を明かさず、一般のお客さんとして宴会をしていたんです。なので接客中は特段気にとめたりはしませんでした。それが、店を出るタイミングで『キリンの三宅です』と名刺を差し出してくるんだから、たまげました。逆に磯崎さんは、ふらっと来られましたね。店に入ってすぐに『本社が近くに来たので、よろしくお願いします』と挨拶をしてくれました。キリンのトップ2が顔を見せるなんて、これまでだったらあり得ないことです」(中野で創業50年を超す老舗居酒屋を営む坂井浩人氏・仮名)

この「ビール戦争」の引き金となったのは、昨年5月に、キリンが本社を中野に移転したことだった。それ以降、アニメグッズやコミック専門店が立ち並ぶショッピングモール「中野ブロードウェイ」を中心にサブカルチャー文化を発信してきたこの街は、様相が一変。いまや中野はキリン、アサヒ、サッポロが地域シェア1位の座を巡って熾烈な「縄張り争い」を繰り広げる抗争地帯と化している。

「もともと、中野はアサヒとサッポロの2社が強く、キリンは両社に後れをとっているという構図が長く続いていました。特に居酒屋が密集している中野駅北口周辺の繁華街では、それが顕著だった。どこの店に行ってもアサヒとサッポロばかりで、キリンは苦戦を強いられてきた。とくにスーパードライが大ヒットしてアサヒが国内シェアでもトップに躍り出てからというもの、中野でのキリンの存在感は薄れていく一方でした。キリンにとっては、本社移転が決まったものの、自分たちの『城下町』は他社のビールに取り囲まれている、という屈辱的な状況だったでしょう」(全国紙経済部デスク)

そのなかで、キリンは中野への本社移転を決定した。本誌がキリンビール社長の磯崎氏に直撃取材したところ、「中野のお店に伺ったのは事実です」と認めた上、こう語った。

「私はもともと中野の住民で、長くここに住んでいる。だから、この街のことは熟知しているんです。いまでは、毎朝自宅の書斎から本社ビルを眺めています。個人的には、本社を移転したというよりも、キリンが自分の地元にやって来た、という不思議な感覚です。引っ越してきたからには、できるだけ中野の人と協力した形で仕事をやっていければ、と思っています」

そもそも、キリンが中野に本社を移したのは、グループ各社が都内に点在していたことが理由だった。キリン広報はこう語る。

「弊社はホールディングス、キリンビール、ビバレッジ、メルシャンなどが離れ離れになっていたので、以前から各社のコミュニケーションがとりづらいことが問題視されてきました。それを改善するため、グループ15社、社員約2800人を警察大学校の跡地にできた『中野セントラルパーク』のビルに集めたんです」

現在、国内のビールシェアは、アサヒが約38%で首位を走り、キリンが次いで約35%(2013年時点)。キリンは4年連続でアサヒの後塵を拝し、歯がゆい状況が続いている。しかし、キリンは本社移転前後から、「お膝元」の中野で、これまでの鬱憤を晴らすかのような一大攻勢を開始していたのだ。

■100人超の大旅行に

なりふり構わないキリンの営業戦略の一例が、商店会に対する「接待旅行」だ。

「本社移転直後、キリンの営業の方から、山梨の甲府にある関連会社メルシャンのワイン工場に招待されたんです。参加者は商店会の会員やそのお客さん。総勢100人は超える大所帯でしたね。

当日は、朝から1車両を貸し切った『お座敷列車』で現地に向かいました。道中は飲めや歌えやのバカ騒ぎ。飲み物は当然、キリンのものが用意されていました。商店会幹部の席には、キリン本社やメルシャン営業部の方々が相席していましたよ。甲府のワイナリーでは、参加者の各々がワインの試飲をしたりお土産を買ったり、思い思いの時間を過ごしました」(中野の居酒屋街に店を構える白井誠氏・仮名)

キリンによる接待攻勢は、店主たちに対して抜群の効果を発揮した。事実、商店会は中野駅から中野ブロードウェイに続くアーケード「サンモール」に「一番搾り」の垂れ幕を設置し、150台に及ぶ自動販売機を地区内に新設するなど、キリンに対して惜しみない協力体制を築いた。そんな商店会の積極的な支援のおかげで、中野の街では徐々にキリンの影響力が強まっていったのだ。

みずほ証券チーフ不動産アナリストの石澤卓志氏はこう語る。

「中野駅周辺は、サンプラザや区役所を中心に、再開発の計画が予定されています。東京の街では、絶えず不動産都市開発の競争が起きている。中野の街としても、キリン本社がくることで『新たなビジネス街の姿』をアピールできる。キリンの狙いと中野商店街の希望が、うまく一致したのでしょう」

こうした営業の結果、本社移転の前後で「多くの居酒屋が、オセロの石の色が変わるようにキリンのビールを仕入れるようになった」(中野を中心に事業を展開する卸業者)という。

■お返しのトップセールス

1車両を貸し切るほどの大々的な見学旅行などのパフォーマンスが功を奏したキリンだが、その勢いはとどまらなかった。さらに綿密な戦略で、勢力を拡大していく。

「本社移転の前年、キリンは営業部隊であるキリンビール酒類営業本部のマーケティング部門を、キリンビールマーケティング株式会社として独立させました。彼らは、店ごとに客が押し寄せる時間帯や座りやすい位置を詳細に調べあげ、この時間、この席に来る客には、ウチのビールを出して欲しい、といった具体的なところまで要望してセールスをかけているんです。

キリン上層部がたまたま立ち寄った店にキリンの商品が置いてなかったとなると、『担当者は一体何をやっているんだ』と厳しく叱責される。そのプレッシャーは相当なものでしょう。マーケティング担当の社員は、『営業力で、中野を完全にオレたちの城下町にしてやる』と熱っぽく語っていましたよ」(前出・経済部デスク)

なぜキリンは、これほどまでに中野に注力するのか。経営コンサルタントの小宮一慶氏は、その裏に「城下町」を持つ企業の心理が見え隠れすると分析する。

「確かに会社全体の規模から見ると、中野周辺での売り上げなどは、微々たるものです。しかし、企業にとって本社がある場所はまさに本丸。そこだけは是が非でもシェアトップを確保したいもの。それは理屈ではなく、企業のプライドそのものです。

逆に言えば、アサヒは元々大阪の会社なので、そこでのシェアを落とすことは許されません。同様にサッポロも、北海道のシェアには他の地域以上にこだわる。キリンも本社を中野に移したからには、そこで1位を取るのが至上命令なのでしょう」

キリンの攻勢がますます激しくなる一方、アサヒやサッポロも、その状況を黙ってみているはずがない。彼らもまた、「自陣」を守り、領土を拡大するために必死に戦っている。冒頭に登場した坂井氏がこう打ち明ける。

「実は、キリンの社長が店を訪れた後、アサヒの営業の方にポロッとその話をしたんです。すると、数日もしないうちに、アサヒビール社長の小路明善さんがウチの店にやって来ました。そのときは挨拶だけで具体的な営業の話は一切しませんでしたが、小路さんは明らかに三宅さん、磯崎さんの訪問を意識している様子でしたね。

ウチは創業以来、アサヒと取引をしてきました。小路社長まで店に来てもらって、無下にするわけにはいかない。最終的には、両社の顔を立ててキリンの『一番搾り』とアサヒの『スーパードライ』を併売することにしました」

自社のシェアが奪われそうだとみるや、すぐさまトップセールスをやり返して反撃する。「一店舗たりともキリンに取られてはいけない」、そんなアサヒの執念を感じる。それは、もう一方のライバルであるサッポロも同様だ。

「キリンが中野に来る直前、サッポロの営業マンが大挙してやってきたことがありました。彼らは店に入るなり、『ひいきにして下さって、本当にありがとうございます。どうか、これからも変わらずよろしくお願いいたします』と、いきなり土下座をしたんです。あれには息を呑みました。その一件以降、サッポロは今まで以上に熱心に営業にきてくれるようになった。

いまでも、プロ野球の招待チケットやビールケースをまめにプレゼントしてくれます。ひとつひとつは小さいことですが、経営者の立場からすれば、そんな姿勢に心を打たれる。ウチはこれからもサッポロを取り続けよう、と決めています」(居酒屋経営者の間宮良平氏・仮名)

キリンが勢力を伸ばし、一気に勝負を決めるかのように見えたビール戦争だが、土壇場でライバル2社が再び勢力を回復させてきた。キリンにしてみれば、形勢逆転を成し遂げ、油断した隙をつかれるようなケースもでてきている。

■「泥臭さ」が勝負を決める

別の居酒屋店主はこう語る。

「ウチの店は、創業から20年間、サッポロを取り続けてきた。本社が移転してきてから、キリンも置くようにはなりましたが、心情としてはいまでもサッポロに思い入れがあります。

実際、なにか問題が起きたときに頼りになるのはサッポロ。ビールサーバーの調子が悪いときも『すぐ直しに行きます』と飛んで来てくれますから。ビールグラスの提供も、キリンは他の会社と比べて、腰が重いという印象があります。よそでも、開店以来ビンのサッポロラガーしか取り寄せていないという店なんかは、『ウチは周りが全部キリンになっても、サッポロはやめない』と言っていますよ」

また、一度はキリンに鞍替えしたものの、再び馴染みのビールメーカーに戻した、というケースもある。

「ウチはアサヒを取っていたんですが、本社が来てから、一度全部キリンに切り替えたんです。でも、キリンは新規の得意先を探し出すのに忙しいのか、契約してから、ぱたりと営業に来なくなった。熱心に出向いてくれたのは数字が欲しかっただけなのか、とガッカリしてアサヒに戻したんです」(居酒屋店店長の福田清氏・仮名)

ビールメーカーと居酒屋は古くから深く繋がっているだけに、人間関係がビジネスの決め手になることが多々ある。その泥臭さがビール業界の持ち味であり、流儀でもある。だからこそ、この争いは熱い。前出の小宮氏は指摘する。

「ビール業界は、CMで商品を宣伝して、一気に消費者を取り込む方法で営業していると捉えられがちです。しかし、実際は『どぶ板営業』の世界。営業マンは担当エリアの飲食店に足しげく通い、経営者と少しでも親しくなろうと努力をする。一度関係が出来上がれば、顧客も心情的にメーカーを切れなくなりますから。どんな大手であっても、義理人情に訴えかける営業をかけるものなんです」

一進一退の攻防を続ける中野ビール戦争。このバトルを制するのは、一体どこの会社なのか。

「週刊現代」2014年7月19日号より


 

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コメント
 
01. 死ぬまで生きる 2014年7月29日 10:05:09 : utLJNUmqLELy. : y3ZtIVkvQw
ビールは値段が高い割に別段美味いともおもわん 実際のところ…
40年ほど前まで東京の下町で暮らしていたが、周りは皆ビールより“ボール”(焼酎ハイボールの略)を愛飲しとる

天羽の下町焼酎ハイボール↓
http://www5a.biglobe.ne.jp/~nene/tansan.htm
強炭酸割りで、ビールなんざより 美味いし、安いし、最強だわさ


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