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アメリカの弱腰外交が浮き彫りに
中国関連の貿易取引で、人民元による決済が増えている背景
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39954
2014年07月27日(日) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」
7月中旬、北京で米中戦略・経済対話が実施された。その席で中国は相変わらず強気の姿勢を続ける一方、米国の発言力の低下が明確になったように思う。かねてからオバマ政権の外交政策は“弱腰”とかなりの批判があった。
米国在住の市場関係者は、「オバマ大統領の弱腰外交は、中国やロシアなどを強気にさせるだけで、世界の秩序を乱すことになる」と厳しく批判していた。そうした米国のスタンスに対して、アジアの同盟国からも懸念の声が上がっている。
アジア諸国の中には、「米国はあまり頼りにならないかもしれない」と真面目な表情で心配する政府高官もいる。そうした米国の存在感の低下について、ある政治専門家は「現在の世界情勢は“Gゼロ”」と表現する。
■超大国米国の後退=“Gゼロ”の構図
1990年代の冷戦終焉後、米国は覇権国としての地位を確立する一方、“世界の警察”としての役割を担ってきた。それが抑止力となり、世界情勢を安定させる重要なファクターの一つであったことは言を俟たない。
ところが、その米国に陰りが見え始めた。特に、オバマ大統領の外交政策は国内外で“弱腰”と評されるほど、様々なことに対して消極的なスタンスを取っている。具体的な事例を見ても、シリアの内戦状況に関与できず、ウクライナ問題ではプーチン大統領の行動を止めることができなかった。
また、中国は東シナ海や南シナ海で積極的な領土拡大の姿勢を示している。わが国を始めベトナムやフィリピンなど近隣諸国は、中国の拡張主義の脅威を感じざるを得ない状況になっている。それも“Gゼロ”構造の産物と言えるだろう。
■為替市場に変化の兆候
そうした国際情勢の変化に伴って、金融市場、特に為替市場にわずかだが変化が見られる。具体的には、基軸通貨であるドルへの一極集中を嫌う動きが見え始めていることだ。一つは、為替市場での人民元の存在感が上昇し始めている。
中国関連の貿易取引で人民元による決済が、少しずつだが増え始めている。それに伴い、英国などは人民元の決済のインフラ投資を積極化する姿勢を示している。またフランスは、自国金融機関への罰則金への反発もありドル一極集中を嫌う姿勢を示している。
そうした動きはまだ端緒に付いたばかりで、いまのところ為替市場の構図を大きくまでには至っていない。しかし今後、“Gゼロ”の構図が一段と鮮明化すると、いずれ為替市場の取引量にも変化が出るだろう。その時期は意外に早いかもしれない。
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