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経営再建中のユニチカ、取引銀行が破綻シナリオ検討か ファンドへ買収打診との観測も
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140727-00010000-bjournal-bus_all#!bngNFG
Business Journal 7月27日(日)3時0分配信
経営再建中の繊維大手、ユニチカが苦境に立たされている。
ユニチカは7月17日、三菱東京UFJ銀行など主力3行を除く43の取引金融機関との間で、債務約1612億円の返済期限を2017年9月末日まで延期することで合意したと発表した。これで15年3月期に見込まれていた約160億円の債務超過を、とりあえず回避できることになった。
ユニチカは15年3月期、不採算事業撤退などのリストラ費用として440億円の特別損失を計上しなければならず、これに伴い約160億円の債務超過が確実となったため、主力3行と投資ファンド、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズに総額375億円の第三者割当増資を要請。その条件が43取引金融機関の返済期限延期になっていたのだ。割当増資で調達した375億円のうち、275億円を借入金の返済に充て、残り100億円を成長に向けた設備投資などに振り向ける。
今回の返済延期合意で債務超過回避と、7月中の第三者割当増資実施により、ユニチカは当面の経営危機から脱したと一般には見られている。だが業界内では「これでついにユニチカは崖っぷちに立たされた。同社の終着駅は第二のカネボウ。それも時間の問題。金融機関の支援を受けても、自力で経営再建できる可能性が極めて低い」(業界関係者)との見方が支配的だ。
●同工異曲の中期経営計画
そうした見方を裏付けるかのように、ユニチカが6月13日に発表した「新中期経営計画」(14―17年度)の中身に、早くも疑問が寄せられている。新中計では成長戦略として「フィルム、不織布事業におけるアジア地域での能力増強と差別化品の拡販」「樹脂事業における新素材・新用途向け拡販と、中央研究所開発素材の積極的な製品化」を挙げ、事業ポートフォリオ改革として「産業繊維事業の構造改革」と「低採算・ノンコア事業の縮小・撤退」を挙げている。
これらを骨子に17年度に売上高1460億円(13年度比10.3%減)、営業利益140億円(同1.06倍増)、最終利益104億円(17.3倍増)と、財務改善を意識したのか減収増益目標を掲げ、有利子負債を13年度の1646億円から17年度に1150億円へと約500億円圧縮するとしている。また、繊維事業の売上高比率を42%(13年度)から35%(17年度)へ縮小する目標も掲げている。
この新中計を見た証券アナリストは「表現こそ違え、中身は前々回の中計とほぼ瓜二つ。計画のずさんさに唖然とした」と厳しい。前々回の中計とは、同社が09年3月に発表した「改革11」(09―11年度)。売上高を2120億円から2090億円へ、営業利益を70億円から155億円へとする減収増益目標が同じなら、掲げた成長戦略も今回と基本的に違わない。しかも、改革11の計画は大幅未達に終わっている。
実はユニチカの「飛躍05」(03―05年度)から前回「Change & Challenge14」までの過去4回の中計は、いずれも大幅な計画未達に終わっている。同社が挙げる未達理由も「円高、原材料価格高騰、世界経済の減速、タイ洪水の影響」などの外部要因ばかりであり、需要分析の誤りなど内部要因に対する振り返りは見られない。
同アナリストは「中計の中身は、要するに『フィルム、不織布などの高分子事業に経営資源を集中させ、これを中国や東南アジアで拡販する』の一点張り。だから同社の中計は毎回表現や目標数値を変えただけの同工異曲」と批判する。
●取引銀行間の暗黙の了解
では、ユニチカはなぜ市場からの不信を招く中計策定を繰り返しているのか。
業界関係者は「借金の重さが原因だ。一定の利益を確保してもすべて利払いに消える。新規事業に大胆な投資ができないから現状維持になり、ジリ貧を続けてきた。結果、選択肢がなくなり、同じような中計しか策定できなくなった」と指摘する。
ユニチカの14年3月期(13年度)の有利子負債は1646億円。対して売上高が1627億円、営業利益が68億円、経常利益が47億円。負債の利払いをした後の最終利益はわずか6億円。こうした業績環境下で有効な成長戦略を打つのは難しい。
一方、今回の一連の金融支援に関し、ユニチカ主力行関係者は次のように銀行側の苦渋をほのめかす。
「間断なきリストラでなんとか経営を維持してきたが、今度はそのリストラ費用さえ債務超過要因になってきた。結局、にっちもさっちもゆかなくなり、銀行に助けを求めてきた。こんな新中計で経営改善が図れるとは、どの金融機関も思っていない。だが、ユニチカはかりそめにも東証一部上場で、しかも125年の歴史を持つ老舗企業。経営破綻時の社会的ショックの大きさを考えると、セーフティネットなしで潰すわけにはいかない。これ以上我々の傷口が広がらないよう、ある善後策で各行が暗黙の了解をしている」
ある善後策とは、「ユニチカ経営破綻のソフトランディング」(金融業界関係者)だというが、一部では「某行が投資ファンドへユニチカ買収の打診をした」との観測も流れている。ユニチカ再建への道は険しい。
田沢良彦/経済ジャーナリスト
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