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サントリー初の女性営業職 サブウェイ出向後の野心とは〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140726-00000000-sasahi-ind#!bmtcNO
週刊朝日 2014年8月1日号より抜粋
『週刊朝日』の長友佐波子編集長が企業で輝く女性にインタビューする「フロントランナー女子会」。今回は、日本サブウェイの庵原(いはら)リサ取締役営業統括本部長です。
* * *
長友:庵原さんはずっと営業畑だったんですか?
庵原:入社2年目で営業支店に配属になったんですけど、当時はまだ女性の営業職はいなくて、アシスタントをしていました。でも、そろそろ女性の営業職を作ろうという機運になって、1号目になる予定の先輩も決まっていたんですけど、赤ちゃんができて席が空いたんです。そこで「やりたいです」と手を挙げたら「どうぞ」となって。それでサントリー初の女性営業職になったんですよ。
長友:へえ〜。そもそも営業がやりたかったんですか。
庵原:目の前に新しいチャンスがあったのと、入社したときからぼんやりと外食産業に興味があったので。当時は「置き回り」という言葉があって、渋谷の飲み屋街をモルツのビンを持って「取り扱ってください」と回ったり、酒屋さんの倉庫を掃除して「大将、これだけ空いたから何ケース買って!」なんて、笑顔と体力で乗り切るようなベタな営業をしていました(笑)。
長友:それが法人営業だと勝手が違った?
庵原:全然です。外食産業に特化した法人営業部隊ができるというので喜んで行かせてもらったんですが、今度は先方の経営課題を捉えて、それをサントリーグループのリソースを使ってどう解決していくのか、みたいなことが問われる。相手の経営課題もさまざまですし、特に課題が財務戦略で、MBAホルダーの経営者だったりすると、日本語なのに何を話しているか意味がわからない(笑)。それでうまく取引できなかったり。ビジネスパーソンとしての知識のなさや、直感に頼りすぎた思考癖などを見直そうと思って、40歳のときに大学院に入ったんです。
長友:外食をやりたかったということは、サブウェイ出向も自分で手を挙げた?
庵原:そうです。ずっとラブコールを送っていました。
長友:やっぱり自分がやりたいことがあれば口に出さなきゃダメですね。
庵原:絶対そうだと思います。女性ってどこかで「私なんて症候群」があると思うんですよ。「私なんて」と言いつつ「庵原さんすごいじゃないですか」って言われたい。私もそういうところがあったけど、それはズルいし、いざ目の前にチャンスボールが来たときにビビって取り損ねたりするので、やめようと思って。
長友:実際、言い続けて結果を出してきたわけですね。
庵原:今はまだ結果を出す途中なんですけどね。
長友:まだまだですか?
庵原:サントリーの法人営業のときは、この先、誰もひっくり返せないと自負している、すごく大きな取引をまとめたんです。でもサブウェイではまだ満足のいく爪痕を残せてない。私の座右の銘は「歴史に名を残す仕事をしたい」なので。
長友:かっこいい! 爪痕の構想としては、もっと店舗数を伸ばしていくとか?
庵原:ここ数年で急速に伸ばしてきたので、まずは一店舗一店舗の力を上げつつ、出店にドライブをかけていこうと。でも、平社員のときは何かを成し遂げようとするとき、ある意味で自分中心に考えればよかったけど、この立場になると、自分が動くだけじゃダメなんですよね。みんなに納得してもらって同じ方向を向いてもらえるようにしなければいけない。それもFCのオーナーさんや店舗のスタッフさんもいるので、プロセスがすごく長くて。もちろん、多数決を取っていたら経営なんてできませんから、決める力、動かす力はスピーディーにいかないといけませんが、どういうリーダーシップをとるかは私の課題ですね。
長友:それって性別に関係なく、ある程度の管理職ならわかる話でしょうね。その上で、女性だからこその難しさってないですか?
庵原:あるかもしれないですね。なぜなら、私が男性だったら、もっとトップダウンでゴンゴン行ったかもしれないから。
長友:キャラとして?
庵原:はい。赴任したときはすごく悩んだんです。でも『ビジョナリーカンパニー』という有名なビジネス書を読んだら「企業を継続させていくには必ずしもカリスマじゃなくていい」という言葉があって。
長友:合意形成型もいいと。
庵原:ええ。女性であり、役員としてはまだ若い自分のスタイルとして、今は合意形成していくほうが皆の理解を得られて、巻き込んでいけると思っています。もっともっと経験を積んで、合意形成もきちんとしつつ、ビジョンメークしてリーダーシップを張れる人間になりたいと思っていますが。
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