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ベネッセ流出事件 1人1万円補償なら6年分の利益消える計算
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140725-00000017-pseven-bus_all#!blGWlM
週刊ポスト 2014年8月8日号
当初、最大約2070万件とされていた教育ビジネス大手・ベネッセの顧客情報流出件数は、7月22日時点で約2300万件に上ることが判明した。「進研ゼミ」の小中学校各講座など26のサービスの顧客情報の流出に加え、育児用品販売サイト「ベネッセ・ライフスマイルショップ」と「ベネッセ・ウィメンズパーク」の登録者情報も対象となっていた。
さらに、各地で開催されたスタンプラリーや雑誌のアンケートで集めた個人情報も流出した。クレジットカード番号や出産予定日などの重要情報が含まれていることもわかった。
すでに外部業者のシステムエンジニアである松崎正臣容疑者(39)が、不正競争防止法違反の「営業秘密の複製」の疑いで警視庁に逮捕されている。名簿業者を介して情報を転売し、顧客情報は広く拡散した。
今後、ベネッセを襲うのは補償の問題である。同社の原田泳幸・会長兼社長は「200億円の原資を用意している」とした上で、補償額について「過去の事例では、1人あたり500円の金券」と答えた。
しかしこれは、あくまでも企業が自主的に決めた補償額に過ぎず、判例と照らせば十分とはいえない。京都府宇治市の住民情報流出で、2002年に最高裁が下した慰謝料額は1件1万円だった。2004年のソフトバンクBBの情報流出事件では同じく最高裁で慰謝料額として1件5000円が確定している。2007年にはエステサロン大手TBCの運営会社に、東京高裁で3万円の損害賠償が言い渡された。
仮に約2300万件の個人情報流出に対し1万円の補償をしなければならないとすれば、2300億円が必要となる。ベネッセホールディングスの2014年3月期の経常利益は約350億円だから、利益の6年分以上が消えてしまう計算だ。
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