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上半期の貿易統計
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52624388.html
2014年07月24日 在野のアナリスト
中国の鶏肉問題、今さらかの国の食品管理について言葉を足しませんが、気になるのがファミリーマートの対応です。社長が「中国だから輸入しないということはない。信頼できる相手をみつける努力…」と述べていますが、これでは危機管理がなっていません。正直な人なのでしょうが、中国製食品に急速に不安が広がる中では「中国との取引は白紙」ぐらいに言っておくのがよく、これからも中国製品を扱う、との印象を抱かれたため、不買の動きが広がりかねません。
以前から、ナゲットはクズ肉でもできる、と評判でした。期限切れどころか、死肉が混ぜられていても、別の動物の肉でも、味が調整され、着色されているので気づかない、とも言われます。そういうもの、として食べるしかないのでしょうが、そういう事情をきちんと消費者に伝えているかどうか、が問題です。中国製品かどうか、それは企業判断でしょうが、マクドナルドのように調達先を複数もつ場合、自分が食べるものがどの国でつくられたか、も判然としません。逆に言えば、マクドナルドは危機管理として、調達先を複数もつことは有効でしょうが、消費者が危機管理の意識をもてば、正直さに欠けるとして不買運動にもつながりかねない、とも言えるのです。
財務省がH26年度上半期の貿易統計を発表し、約7.6兆円の赤字となり、過去最大となりました。輸出は3.2%増の35兆円、輸出は3.6%増の42.6兆円、と報じられますが、事情はもう少し複雑です。輸出は数量ベースで0.2%減、つまり伸びたように見えても実体は減少しており、金額で伸びたのは円安による押し上げ効果です。輸入は、相変わらず原発再稼動推進メディアからは『天然ガスの輸入増』などと、ステレオタイプに語られますが、日経ではわざわざ『輸入額』と表記されているように、金額ベースでは11%増、これは為替の影響を除くと数量ではマイナスを示唆しています。
つまり、貿易統計で過去最大の赤字となったのは、すべて円安のせい、ということになります。輸出が伸びないのは、例えば自動車など、米国向けではメキシコ生産比率を上げており、構造的要因が大きいとされますが、そればかりではありません。バルチック海運指数が最低ラインにあるように、世界全体の荷動きが悪い。欧州ではディスインフレから、デフレ懸念まで台頭してきたように、世界経済が年後半、不安定さを増してきていることが最大の要因になりつつあります。
そんな中、安倍氏は経団連のフォーラムで「増税の影響は一時的、我々は経済の好循環を…」と述べています。これは誰も正しいことを伝えていないか、安倍氏の理解力が足りないか、どちらかでしょう。菅官房長官も「輸出は徐々に持ち直し」などと語っていますが、こちらは確信犯で、兆しすらないものを、希望的観測を述べたに過ぎません。年後半の景気の加速、はこれまでの世界経済のメインシナリオでしたが、今はその修正を迫られており、多くの国、機関で今年の成長率見通しの引き上げ合戦が始まっています。輸出が増えるような情報は、皆無なのです。
中国の6月HSBCPMIは、速報値で52と節目を上回っていますが、無理やり貸し出しに回しているため、多少資金繰りが改善した影響もあって、実体経済が本当に好調にもどったか、は不明です。今、世界はどんな毒饅頭を食べさせられているか、分からないまま、とりあえず死にはしない、健康被害はない、として過ごしているような状況です。その毒が全身に回って、突然死してしまうのか、それとも毒に耐性ができて、何も感じなくなってしまうのか? しかし少なくとも、本来は危機管理を高めなければいけない、各国政府が先に毒で痺れているような状況では、国民が知る頃には前者のような症状になってしまう、そんな恐れを強めてしまうのでしょうね。
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