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経済評論家・上念司が"韓国経済の今"を分かりやすく解説
http://blogos.com/article/89749/
2014年07月21日 08:40 JAPANISM
■経済民主化は夢のまた夢!? 韓国崩壊の危機!?韓国経済を巡る情報は嘘か真か!
韓国経済の崩壊が叫ばれているが、実際にどのような危機に直面しているのか。そしてもし韓国経済が崩壊したら日本はどのよ うな影響を受けるのか。"韓国経済の今"を解き明かす!
経済評論家 上念司
■崩壊寸前と言われ続ける韓国経済はデフレの危機に直面!
韓国政府が採っている経済政策の是非を判断する際には、政府が目標として設定しているインフレターゲットをクリアしているかどうかを見れば分かります。韓国の場合は「3パーセント」を中央値としていて、「±1パーセント」を可としています。つまり「2パーセントから4パーセントまで」を目標に設定しているのです。ところが2013年2月からの韓国の消費者物価上昇率の推移グラフを見ると、一度も2パーセントを超えていない。今年2月はたったの1パーセントでした。つまり韓国は"デフレになりつつある"というわけです。政府が決めたインフレターゲットを守れていない、そしてその状態が2年近く続いている、これが最大の問題点というわけです。
このような状況下において、韓国政府は直ちに量的金融緩和政策に踏み切り、ウォンを大量に刷って、物価上昇率を2パーセントに上げなければなりませんが、それをしないのは、ウォン安に歯止めが利かなくなることを恐れているからです。なぜなら韓国経済は"外資からの資金に依存している"ため、ウォンが暴落すると、一時的にキャピタルフライト状態※1になります。だから政府は 思い切った金融政策が出来ないのです。これが中長期的な韓国経済の低迷の原因です。
現在韓国の実質成長率は年率2パーセント程度を計上しています。しかし韓国のような新興国は2パーセントでは不十分。同じ新興国のインドの場合、年率6パーセントから7パーセントを計上しています。決して成熟しているとは言えない韓国の消費社会において、成長率が2パーセント程度という状況が続くと、デフレに陥る可能性が極めて高いのです。
■財閥優遇の"韓国型新自由主義"こそ韓国経済最大のガン!
韓国はインドネシアやチャイナと通貨スワップ協定を結んでいます。もしこのスワップ協定によって「韓国経済は大丈夫」だと中央銀行が判断したなら、今すぐ日本と同じように金融緩和をしてもらいたい。以前、経済学者の浜田宏一先生が論文で書いていたのですが、『通貨安競争』は両国にとってメリットがあるのです。通貨安競争を進めると、国内のインフレ率がある一定のところまで達した時点で、必ず止めなくてはいけない。そして先に通貨安競争を止めた国は、通貨の上昇が表れて、国民の購買力が上がり、好景気が続くのです。そして止めるのが後手になった国も、上限まで通貨を上昇させれば、両国にとって最適な均衡が取れるのです。だから韓国も、日本と通貨安競争をするべきなのです。しかしそれをせずに、韓国政府は財閥企業に有利な政策ばかりを採るのです。これが韓国経済の元凶です。"韓国型新自由主義"と呼んでもいいかもしれません。とにかく四大財閥を優遇して、中小企業を圧迫する。しかし財閥企業の実態は、外資からお金を借り、投資してもらっているわけだから、もし外資が引き揚げてしまったら、途端に韓国経済は低迷します。だから政府はそれを阻止するために、財閥と外資の優遇を続け、為替レートに配慮した訳の分からない金融政策を採っているのです。このような状況を打破するためには、所謂『構造改革』が必要でしょう。竹中平蔵さんを招聘したらどうでしょうか(笑)。
■好調だった韓国製品の化けの皮が剥がれてきた!?
2012年末の大統領選挙の争点は「経済民主化」でした。しかし韓国政府はしっかりと取り組んでいるとは言えません。前述の通り、財閥優遇の制度がたくさんあり、最近はIT企業『LINE』の台頭がありましたけれども、これはごく稀なケースであり、中小企業が目覚ましい業績を上げられるような環境ではないのです。
そもそも商売というのは、多くの人が様々なアイデアをぶつけ合って、勝ち残った人のアイデアが正解という世界です。しかし韓国では、エリート大学を卒業して、財閥企業に就職した社員だけがアイデアを考れば、それで必ず成功するという幻想に囚われている節があるのです。
また、肝心の韓国製品は粗悪で、サムスンはスマホのデータ通信技術を巡って訴訟を抱えているし、ヒュンダイはアメリカで車の性能を偽装していたことが明らかになりました。そもそも陳腐な製品を為替レートで安く売っていただけなので、化けの皮が剥がれてきたのです。『ブルームバーグ』の2月日の報道によれば、サムスンを筆頭にパーセントの上場企業が昨年の第4四半期(月から月)に予想利益を下回ったそうです。つまり好調だった韓国企業の凋落が始まったということでしょう。
■韓国経済が好調だった理由は"反日活動家"の謀略にアリ!
問題だらけの韓国経済ですが、なぜ今までは大丈夫だったのか。理由は日本にあります。昨年まで日本銀行には白川方明という"反日活動家"がいて、彼のデフレ政策によって韓国は助けられていたのです。
韓国はGDPの半分を輸出に頼っていて、さらに輸出製品の大半を日本と競合しています。しかし日本は白川前総裁の政策によって、異常な円高状態が続き、輸出企業の売上が伸び悩んでいたわけですから、韓国としてはありがたい展開だったのです。この間も、韓国政府の経済政策は今と変わりはなかった。日本が勝手にコケていただけなのです。しかし2012年末に安倍政権が発足して、日銀総裁は黒田東彦氏に代わり、金融政策に劇的な転換が行われた結果、「1ドル=円」というめちゃくちゃな円高を脱することが出来ました。現在は「1ドル=100円」程度ですから、以前のような"総体的なウォン安"状態ではなくなり、韓国政府もいよいよ何かしらの対策を取らなければならなくなったのです。
■韓国経済を復活させるためには日本に土下座するしか術はない!
金融緩和政策に踏み切っても通貨暴落を起こさないために、韓国にはしっかりとした"ケツ持ち"が必要です。今までその役割を務めてきたのは日本であり、日韓通貨スワップ協定でした。日本は最大700億ドルものケツ持ちをしていたのです。だから朴槿恵大統領......いや高木大統領は、今すぐ安倍首相と会って「反日活動を止めますから通貨スワップを再開して下さい」と土下座するべきでしょう。反日思想が蔓延する韓国なので、国内では相当なバッシングを受けることになるかもしれませんが、通貨スワップ再開と金融緩和で韓国経済は復活する可能性があります。しかし日本には頼らず今のように反日を続けて、チャイナ様に頼っているようでは、そのうち必ず崩壊します。最近チャイナ経済は下降気味だから、韓国経済も足を引っ張られるということに早く気が付かないと手遅れになります。
またアメリカは現在、テーパリング※2を実施しています。最終的にアメリカが金融引き締めに転じた場合、韓国から資金を引き揚げる可能性もあるでしょう。すると外資に頼り切りの韓国の財閥企業は忽ち危機に陥ります。
つまり韓国経済は、このままでは"4つパターンのいずれかで崩壊"することになるのです。まずは今の状況を放置してデフレで自滅するパターン。次に金融緩和をやったことによってウォン暴落が起こって自滅するパターン。そしてチャイナ様が倒れて巻き添えを喰らうパターン。最後に外資の引き揚げで財閥が倒れるパターンです。はっきり言って、韓国経済は"お先真っ暗"状態です。
だからこそ、今すぐ韓国は日本に頭を下げなくてはならないのです。もし韓国が頭を下げてきたら、日本は助けてあげたらいいでしょう。当然、その際には竹島を返してもらいますし、韓国・アメリカに建てられた慰安婦像も撤去してもらいます。ついでに捏造だらけの韓国の歴史教科書も修正してもらったほうがいい。これで日本と韓国の間にある問題は、完全かつ最終的に解決するでしょう。
■日本経済も韓国化が進む"日本型新自由主義"に御用心!
問題を抱えているのは韓国経済だけでなく、日本もまた同様です。最近は『国土強靭化』という美名の下で、政府は大手ゼネコンばかりに国家予算の発注を続けています。本来、財政政策は公共事業以外にもたくさんあるはずなのに、"特定の政治家のお膝元"ばかりで不要不急の工事を続けて、民間企業が活力を持って取り組みたい事業のリソースを奪っているのです。また、地元企業は景気対策という名目で一時的に公共事業が増えたところで、先行きの不安は解消していません。そのため従業員を増やすことにも慎重にならざるを得ません。地元の下請け企業の都合を考えず、大手ゼネコンばかりに公共事業を発注している状態、これこそ大企業優先の"日本型新自由主義"と呼べるでしょう。
日本で新自由主義批判をする人には、「マルクス主義者系の人」と「保守を自称する一部の人」の2種類がいます。しかし、保守を名乗って新自由主義を批判する人は肝心の"古い自民党的"な日本型新自由主義を一切批判しないばかりか、"公共事業万能論"を説いているのが不思議です。言葉の定義が分かってないのかもしれません。
もし保守の立場から新自由主義を批判するのであれば、マルクス主義地理学者のデヴィッド・ハーヴェイの著書をしっかり読んで、新自由主義の定義を明らかにしておく必要があります。「自由競争をするのが新自由主義」だと勘違いしている人が保守派の中にも多いのです。なんでも競争するのは駄目だ、だから新自由主義は駄目だと言うのです。これは完全に間違った主張です。
ハーヴェイの言う新自由主義は"自由競争"の大義名分を掲げつつ、実際には"不公平な競争"を助長するものであり大企業優先の国家介入を指します。それはつまり政府が大企業に仕事を発注したり補助金を与えたりすることは、まさにこれに当たります。仮にそういうことを批判するのであれば、真っ先に批判されるべきは「土建屋政治」的なものだと思います。その辺がずれているのがとても不思議です。わざとやっているのかもしれませんね。
日銀総裁だった速水優、福井俊彦、白川方明の"反日3兄弟"のせいで、日本の製造業はズタズタになりました。多くの企業が海外に出ていってしまったのです。従業員を捨てて海外に移転するというのは、企業にとっては苦渋の決断です。長引くデフレ状態において会社を存続させるために、多くの企業がその決断をしたのです。しかしこのような企業を、アベノミクス効果ですぐに国内に呼び戻すのは困難でしょう。だから政府は「日銀のデフレ政策は未来永劫認めない」と宣言するくらいのことをしなければなりません。日銀法も改正しないといけないと思います。
今後もし中小企業まで海外に出ていってしまったら、日本経済は終わりを迎えてしまいます。だから大企業を優遇する制度ではなく、あらゆる企業が公正に競争できるマーケットをデザインする必要があります。例えば、租税特別措置法※3を廃止すれば、今まで非課税だった大企業が納税するようになり税収が増えます。その代わりに中小企業も含めた法人税は減税する。すると大企業は増税、中小企業は減税になるのです。こういった対策を取らないと、ゼネコン優遇、大企業優遇で、日本経済も"韓国化"することになってしまいます。保守を自称しつつ、一番「新自由主義」的なこの部分にメスを入れないのはいかにも片手落ちです。日本経済の活力は中小企業にありますから、我々日本人はそれを盛んにするために、もっと日本経済のあり方を見つめ直す必要があるのです。
※1 キャピタルフライト国内から海外へ資本が一気に流出すること。
※2 テーパリング金融政策において量的金融緩和を縮小すること
※3 租税特別措置法企業の投資促進などの政策目的を達成するため、増減税、或いは免税する規定。科学工業の原料・ナフサは非課税の対象で、石油工業界の大企業は恩恵を被っている。
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