02. 2014年7月20日 23:40:57
: AQLSPLIkCw
これが悪名高きアメリカ陪審制の恐ろしさである。かつて、この陪審制にやられたのがミノルタのオートフォーカスカメラ。もう27年昔のことになるが、これについて解説しているサイトを見つけたので、紹介します。ハネウェルと日本メーカーのオートフォーカス訴訟 http://canon-a.fantastic-camera.com/american/patent.htm ●ミノルタは巨額の賠償金を支払わされたが、その後もこの影響は残った。同社はコニカと合併し、主力のカメラ事業から撤退してしまった。よほど懲りたのだろう。このように、アメリカの陪審制は企業に取って存続を左右しかねない大問題になっている。 当方の趣味の話題になるが、フランスの自動車メーカー、シトロエンの話。かつてフランスで作られたDS21やSMを対米輸出していたのだが、1973年限りで撤退してしまったのである。これについて、メーカー側は連邦安全基準MVSSに適合する5マイル・バンパーを装備しなくてはならないため、製品価格の上昇で競争力を失うためと説明していた。だが、真実は違っていた。 こちらオーストラリアのクラブで聞いた話では、複雑な構造で定期的なメンテナンスを必要とするハイドロニューマチックシステムを、乗りっぱなしのアメリカ人は何もメンテナンスしないから、これが原因で故障した場合、メーカーが裁判で訴えられる危険があり、その場合陪審制で天文学的賠償金を支払えとの表決が下ることは間違いなく、このリスクを考慮した場合、これ以上アメリカでの販売を続けるわけにはいかないとの経営陣の判断であったと言うのである。これを聞いて、なるほどなと納得してしまった。 シトロエンは1985年、アメリカでのアフターサービスも打ち切ってしまい、それからは個人経営の整備工場に頼るしかないのである。 しかし熱心なマニアが、何としても欲しいと言うので、アメリカの並行輸入業者が立ち上がることになった。ところがメーカー側から、並行輸入であっても許さないとの通告があった。並行輸入業者とメーカー側との交渉になり、メーカー側は「シトロエン」のブランドを絶対に使わない条件でね平行輸入を渋々認めたと言うのである。この顛末について、英語圏のシトロエン愛好家サイト、Citroenetに書かれているので、紹介する。 1987 CxAutomotive Brochure http://www.citroenet.org.uk/foreign/usa/87-01.html 1988 CxAuto Brochure http://www.citroenet.org.uk/foreign/usa/88-01.html 1989 CxAuto Brochure http://www.citroenet.org.uk/foreign/usa/89-01.html 1990 CxAuto XM Vitesse advertisement and review http://www.citroenet.org.uk/foreign/usa/90-01.html ●CXの後継車XMの販売は1997年で打ち切られた。 さて現在、進行中の事象について。 訴訟社会アメリカは、弁護士や法律専門家に取って、常にターゲットになる企業を狙い、被害を受けた相談者を焚きつけて訴訟を起こさせる。賠償額が高いほど、巨額の利益が転がり込む仕掛けだ。それで狙われているのが、どうやらトヨタらしい。トヨタはハイブリッド車の急加速問題で社長が連邦議会の公聴会に召喚され、そこで涙を流すと言う前代未聞の事件が起きたのである。 トヨタは1,000億円の和解金を支払うことで合意したと伝えられたが、これで押さえ込めると判断したのであろう。だが、世界自動車戦争を勝ち抜くシナリオは1000億円の支払いに伴う開発費への影響が大きく、これが年々深刻化するだろう。それだけではない。悪辣なアメリカの弁護士や法律専門家たちは、トヨタが我々に屈したと受け止めたのである。つまり、次の収奪がこれから起こりうるのだ。これについて、NEVADAはどうやら水面下の動きをつかんだようだ。 GMがあれだけ欠陥車を出しても、誰も訴えないのはなぜか。明らかに意図的に行なわれている。 |