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海外の不安な動き
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52612600.html
2014年07月18日 在野のアナリスト
マレーシア航空機の墜落事件、概形的には親露派勢力による攻撃、との見立てになりそうです。露製地対空ミサイルをウクライナ軍側から奪取した、との記事を削除したこと。親露派の将校がウクライナ軍機撃墜をネットで発信、すぐに削除したことなど、誤射による攻撃で、相当に焦って情報操作をしていることが読み解けるからです。一方でウクライナ政府が、通信傍受や通話を次々と発信していますが、なりすましも可能であるため、信憑性としては低い。ただし今回、米国の情報発信に関しては、露国よりも信頼性が高そうである点で、米側の情報が重視されます。
米国としては、クリミア併合における外交の失敗が相当の痛手で、国際的な信頼回復に必死です。ここで情報操作の疑いをもたれたら、米外交は10年以上の停滞を余儀なくされます。しかし信頼のある情報で、露国側を追い詰められたら、これほどの得点もありません。そもそも『親露派』などと呼ばれますが、ふつうに表現すれば『分離・独立をめざす武装組織』であり、言い方を変えると『テロリスト』です。親露派が迫害をうけていた、という事実もない中で、正当性を訴えるだけの材料も乏しい。そこに、民間人を攻撃対象にした、たとえ誤射でも…となれば、行動全体への疑義が国際社会にも広がることになります。今後、『親露派』から『武装組織』へと、メディアの呼称が変わるようなら、情勢の変化、露国への配慮が働きだした、とみて間違いないのでしょう。
イスラエル軍がガザへと侵攻しました。この動きを支持する国は米国だけ、という状況ですが、強行した背景にはネタニヤフ政権の支持率低下と、軍需産業への思惑がある、とされます。エジプトの調停案をハマス側が拒否したのは、更なる好条件をひきだすため、ともされますが、結果的にイスラエルに恰好の口実を与えた。しかし更に言えば、中東で拡大する武装組織への攻撃を、イスラエルに招きかねないものであり、第5次中東戦争への引き金になりかねない事態です。
市場はこれら地政学リスクの高まりに大きく反応しましたが、今は高所恐怖症で、落ち易い状況であるという以上に、実は最近の欧州経済指標の悪化、が背景にあるとされます。欧州の主要国の製造業、消費などが軒並み弱い。中東情勢の悪化が影響との見方もありますが、景気循環でみると山を越えた、これから世界経済が停滞していくリスクを感じとっており、それが高値警戒の強い市場に現れた、との見立てです。国債に資金が集中したのも、地政学リスクよりも世界経済の動向を映した流れであって、今後の株式投資を減らす可能性がある、ということになります。
今は、欧州の経済指標が悪化していることと、さらに米国でも不動産市場に一服感があります。寒波をすぎ、春からもどるとみられた需要が増えていない。価格も頭打ちで、先高期待も煽りにくい状況です。その背景に、実は中国マネーという話がある。最近、中国でマネロン防止として、海外送金を停止する動きが増えており、それが欧米の投資活動を停滞させた。つまり中国富裕層の行動として、海外で投資し、さらに資金を増やすということが最近の経済の好調さを維持してきましたが、元を締められた途端、世界経済が変調を来たしてしまった、という展開なのです。
今後、本格的に警戒すべきは国家の弱体化、それに伴う武装勢力の跋扈になるのかもしれません。ブラジルでも、中国でも暴動や政府批判の動きが強まってきた。露国、中東のみならず、経済が崩れることで世界全体が不安定期に入りかねない、今はその入り口の動きであると見ておいた方が、間違いは少ないといえるのでしょうね。
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