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ポルトガル最大の銀行で信用不安説が・・・ photo Getty Images
ポルトガル有力銀行の信用不安は氷山の一角か
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39887
2014年07月17日(木) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
足許の金融市場で、ポルトガル最大の銀行であるバンコ・エスピリト・サントの信用不安の観測が流れている。それに伴い、ギリシャやスペインなど南欧諸国の国債が売りこまれるなど、欧州中心に金融市場が荒れた展開を示している。
バンコ・エスピリト・サントは、ポルトガル有数の財閥グループ(ESI)の中核銀行だ。ギリシャに端を発したお欧州危機の発生以降、南欧諸国の有力企業の中には資金繰りが厳しくなるところが出た。ESIグループも例外ではなかった。
資金繰りの窮したESIグループは、中核銀行であるバンコ・エスピリト・サントの子会社に手形を買い取らせる格好で支援を求めた。その結果、バンコ・エスピリト・サントの子会社のバランスシートが毀損し、それが今回の信用不安へとつながった。
■南欧諸国のバブル跡始末は終わっていない
元々、南欧諸国の財政悪化懸念は、2000年台中盤の世界的な不動産バブルの跡始末が原因だった。経営不安の陥った民間企業を救済するために、南欧諸国が多額の国債を発行したことが主な要因だ。
問題が顕在化したギリシャやキプロスなどには、欧州中央銀行(ECB)などが積極的に支援することによって事態は沈静化脱向かった。しかし、それで問題がすべて片付いたわけではない。今回のポルトガルのケースのように、未だ水面界に隠れている例がある。
バンコ・エスピリト・サントのケースは、昨年12月に米国のジャーナリストによって指摘され、今年5月になって漸くポルトガル中銀が調査に乗り出した。調査の結果、バンコ・エスピリト・サントの投信子会社のバランスシートが大きく毀損していることが判明した。
■当面の影響は限定的
今回のバンコ・エスピリト・サントの例は、バブルの跡始末の典型例の一つと言える。経営状況が悪化した有力企業が、親密な金融機関に資金繰りの支援を求めた結果、信用状況の悪化が当該金融機関自身に及んでしまうケースだ。
本来であれば、金融当局の検査などによってそうした事例は、早い段階で明るみに出たはずなのだが、検査自体が甘かったのだろう。そうした例は他の南欧諸国にも残っている可能性が高い。ただポルトガルの経済規模を考えると、その影響は限定的と見られる。
問題は、今後、そうしたケースが他の南欧諸国に波及することだ。スペインやイタリアにもそうした例が持ちあがると、その影響は拡大するはずだ。その場合には、多くの投資家が再びリスクオフへと走ることになる。株式や為替の市場は不安定な展開になるだろう。
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