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金投資と金相場ニュースBlog 〜黄金の日日〜
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アメリカは構造的に成長が止まっています。
その理由のひとつは人口動態からみた人口ボーナスの終了したことです。消費性向の強い若い世代が減ってきています。
もうひとつは、格差拡大によって消費性向の強い中間層が没落し、消費経済がピークアウトしたことです。経済格差拡大は世代間格差にもリンクしているので相乗効果で消費低迷につながっています。中低所得者から労せず収奪した富裕層の富は米国から流出しオフショアのタックスヘイブンで死蔵されています。民主主義による富の再配分は無力化されています。
個人消費が減ったことに都市化の終了も合わさって鉄消費や電力需要がピークアウトしています。
米国では恒常的に供給が需要を上回り、需給ギャップの解消が進んでいません。
この需給ギャップがある限り、金利は上昇せず、賃金も増えないのが過去の統計的な結論です。
それを金融政策による資産バブルによって補おうとしていますが、あくまでも副作用の強いドーピングでありその成長に持続性はありません。
バブルはかならずいつか弾けます。バブルがはじけると景気は大きく沈み、回復は鈍いです。そのバブルでかえって長期的には弱った経済を補うために、アメリカは更なるバブルで覆い隠してきました。
サブプライムローン・バブルはITバブルをカバーするものです。
そのサブプライムバブルがはじけたリーマンショックの後、QEによるMBAの買い取りで一時的に住宅市場は改善しましたが、結局、住宅ローンの与信は伸びずにデレバレッジが進んでデフレ圧力が強まっています。信用が収縮してデレバレッジがいたるところでおきているためアメリカでは、ジャブジャブドルを刷ってもインフレはおこっていません。
もっともこのデレバレッジが一巡したあと、利益率の低下した銀行はマネーサプライを増やすためにサブプライム層にまた貸出を増やしを始めました。
クレジットカード、自動車ローン、学生ローンの貸付条件を緩和してどんどん金を貸し出しています。これがまた次のバブルになっています。ローンが増えても、賃金がほとんど増加していないのでこの貸出しもいつか不良債権になることは確実です。学生ローンは自己破産による免責もありません。
信用リスクプレミアムがリーマン・ショック以前の水準に逆戻りしているという指摘もあります。FRBは市場の期待や予想を煽る経済政策をとっているので株がバブルとは口がさけてもいえません。
住宅市場が軟調なアメリカ経済を支えるのは株式市場だけです。株のバブルがはじければ潜在成長率の弱さが陽のもとにさらされることなりますし、年金基金などが破綻して地方自治体も破綻します。
イエレンは歴史的にみて株のバリエーションは決して高くないとしらをきっています。
しかし、シラーPEなどからみるといまの株価バリーエーションは過去の歴史の大暴落のときとほぼ同じ水準にあります。
国際決済銀行(BIS)の年報が強く警告したこともあり、イエレンもしぶしぶ一部の小型株やバイオ株などの仕手化したモメンタム株の割高感は認めました。
これは、いつはじけるかわからないバブルがいざはじけたときのために、グリーンスパンの二の舞いを踏みたくないイエレンらの自己保身のための言質かもしれません。
第一四半期の−2.9%のGDP成長率は天候による一時的なものとされていますが、在庫調整の循環的なもので、その整理にはまだ時間がかかると思います。
金融当局者、メディア、市場関係者らは、第二四半期は経済が加速するといっていましたが、4月、5月と個人消費は前月比実質マイナスでさえませんでした。6月は加速したとかいっていましたが、結局6月の小売売り上げも前月比で+0.2%とぱっとしないものでした。サブプライム層が自動車ローンで車を買うスピードが落ちてきたように思えます。富裕層もセカンドカー、サードカーを買ってガレージがいっぱいになったのでしょう。住宅市場もさらに弱くなってきたのか、建材の売り上げも低調なようです。
また、5月の米企業在庫も前月比0.5%増と市場予想の0.6%を下回りました。在庫変動による短期的な景気循環のサイクルでもまだ景気はさほど上向いていないようです。
雇用統計では形式的な数字は改善していますが、10万程度の数字は全労働者人口からすれば誤差の範囲にすぎません。入れ替わりの激しいアルバイトの数が多少増えたところで景気は改善したとはいえません。
数字だけみたとしても離職者の数も減ったためネットの雇用者が増加しただけで、実際新規の雇用者の増加数は減少トレンドにあるという見方もできます。
【米経済ウオッチ】雇用統計の「幻想断ち切る」労働移動データ
数字が改善しても単純労働、不正規、短期の仕事ばかりなので、賃金は増えていません。
そのためにGDP成長に必要な個人消費が伸びません。
入れ替わりの激しいアルバイトの人数がゼロコンマ数%程度数増えたけでアメリカは力強く景気回復したとメディアが大げさに印象付けようとするのと対照的に中国の場合、少し成長率が鈍化しただけで中国経済は終わりだと欧米のメディアは騒ぎます。
数年前に日本のGDPを抜いた中国は今では日本の2倍以上のGDPを誇っています。毎年先進国が新たに創設されている勢いです。伸び率だけ比較すれば下がっていますが、規模が大きくなっているので当然でしょう。伸び幅だけみれば以前より伸びています。
人口ボーナスがまだ残っていること、都市化が半分しか進んでいないこと、賃金所得が日本やアメリカと違って右肩上がりに上昇して個人消費が増えていることなどから、中国の不動産バブルや経済成長にたいするネットやメディアの中国崩壊論の言説は割り引いてみる必要があります。それはイデオロギー的なルサンチマンにすぎないと思います。
第2四半期の中国GDP伸び率は前年比+7.5%で予想上回りました。
ゴールドマンサックが2014年の金価格が下落すると予想する根拠はアメリカの経済成長の加速です。
しかし、2014年はじめから、結局、アメリカ経済は加速していませんし、金は債券や株を上回るパフォーマンスを見せています。
それでもなんかGSはユダヤの陰謀論的な力によって金価格をコントロールできそうな恐怖感を市場にもたらしています。もっともそれは杞憂だと思います。
GSの予想は外すことも多いです。
中東やBRICSといったプレーヤーが金を買う限り、アメリカやユダヤ資本にとって都合のいいように市場のコントロールはそう簡単にはできないはずです。
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