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会社が社員の“貯金”を踏み倒し&流用するカラクリ?取りこぼさないための方法とは?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140716-00010001-bjournal-bus_all#!bfCpBd
Business Journal 7月16日(水)3時0分配信
今回は、会社に預けた“貯金”について考えてみたいと思います。多くの会社員は会社に大金を預けているにもかかわらず、それに気付いておらず、しかも会社はその支払いを踏み倒す気マンマンなように見えます。
●20〜30代は、会社に“貯金”分を天引きされていると心得るべし
当たり前の話ですが、40年以上という超ロングな雇用契約を、それも原則途中解除&賃下げなしという条件で結ぶ場合、最初は極めて低賃金からスタートせねばなりません。一流大学卒でも無名大学卒でも、新入社員はみな同じ初任給で買いたたかれるのはこれが理由です。そこから、会社は売り上げ状況や景気を見ながら、支払い不能にならないよう、恐る恐る給料を上げていくわけです。
若い社員は、本来はもう少し受け取っていいくらいの働きはしているのだが、「将来的なリスク」分として、会社に給料の一部を預けているようなものです。これが“貯金”なるものの正体です。筆者の感覚では、だいたい40歳くらいまでは「“貯金”を積み立てる期間」であり、それ以降が「“貯金”を取り崩して、働きぶり以上に報われる期間」に当たります。
ついでに言うと、企業が35歳以上の求職者を敬遠するのも、年齢の高い博士課程修了者を門前払いするのも、そして女性を採用したがらないのも、この“積立期間”が少ないというのが理由です(女性は、その期間に休職する可能性が高いため)。
“貯金”である以上、本来なら本人の財産であるべきなのですが、この“貯金”なるものは会社の都合でバンバンほかに流用されます。今の60代以上のように、明らかに預けた金額以上の生涯賃金を受け取れた幸福な世代がいる一方、“貯金”を預けるだけ預けて、いざ受け取る時期を迎えたら、「これからは成果主義だ」の掛け声のもとで、大ナタを振るわれたバブル世代のような可哀想な人たちもいます。
また、国の政策で一方的に“貯金”が踏み倒されることもあります。今年から実質的な定年の65歳への引き上げがスタートしていますが、多くの企業が若手〜中堅社員の昇給抑制で、そのコストアップ分をまかなうことを決めています。要は、“貯金”の流用です。そんなこんなで、今の現役世代は多かれ少なかれ“貯金”を踏み倒されることになるだろうというのが筆者の見方です。
●“貯金”を踏み倒されないためには
とはいえ、自分の“貯金”を他人のために流用されることは誰しも納得できないでしょう。なんとしてでも働いた分はきっちり取り返したいところです。
そこで、具体的に取りこぼさないためのアプローチを検討してみましょう。
(1)がんばって出世する
同僚を圧倒し、上司にも文句を言わせないだけの成果を上げ続ければ、狭き門をくぐり抜けて団塊世代並みに出世も昇給も可能でしょう。ただ、組織のポストが慢性的に不足する中、出世競争は今以上に熾烈になり、社内政治も白熱化するはずです。風通しの悪いドロドロした世界を勝ち抜く覚悟が必要ですし、それでも結局は運次第でしょう。
(2)最初から“貯金”のない会社に就職する
また、最初から“貯金”のない会社を選ぶのも選択肢の一つです。65歳まで雇うことを想定していない外資系企業や、40代以上の少ない新興企業に就職すれば、踏み倒しの憂き目に遭うこともないでしょう。もし、筆者が学生時代に戻れるなら、恐らくこの選択肢を選ぶと思います。
(3)“貯金”を踏み倒されそうになったら、いつでも飛び出せる準備をしておく
しかし、すでにそれなりの額を“貯金”させられていて、出世競争で生き残る自信もない社会人はどうすべきでしょうか? 筆者一番のお勧めは「踏み倒されそうになったら、いつでも飛び出す準備をしておくこと」です。「それでも会社からもらうべきものをもらっていない以上は、踏み倒されていることになるのではないか?」と思った人は、発想を転換してください。
ここでいう“貯金”とは、会社のために滅私奉公した見返りに、将来払われるであろう報酬を意味していますが、「自分が成長するために日々働いている」と考えれば、会社からの見返りはあってもなくてもいいのではないでしょうか。会社から見れば“貯金”ですが、実は自分自身の修業のために投資していたと考えられるのです。
ちなみに、筆者自身、20代半ばにこの発想転換を行い、会社を辞める覚悟を決めたことで今があると考えています。65歳までゴールが延びたことを考えれば、30代からスタートしても全然遅くはないでしょう。
どうすれば“貯金”を踏み倒されずにきっちり払い戻してもらえるかは、自分の査定評価と会社の業績推移を注視しながら自分で判断するしかないですが、それでも最後はやっぱり運次第でしょう。あくまで気を緩めず、踏み倒されそうだと判断したら、いつでも飛び出せるよう準備をしておくのが個人でできる最善の対処法だというのが筆者の意見です。
城繁幸/人事コンサルタント
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