01. 2014年7月16日 08:04:07
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現状ではないな http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0FK1WF20140715 経済の底堅い道筋を確実にする必要、利上げ前に=米FRB議長 2014年 07月 16日 00:58 JST [15日 ロイター] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は15日、上院銀行委員会での証言後の質疑応答で、利上げ前に経済が底堅い道筋にあることを確実にする必要があるとの認識を示した。詳細は以下の通り。
━GDP縮小にかかわらず、多くの指標は明るさが一層増している ━センチメントは前向きの模様、GDP縮小は概ね一時的要因による ━GDP、経済の勢いを著しく過小評価 ━過去に誤った改善の兆し見られたため低金利環境踏まえ状況を注視 ━利上げ前に経済が底堅い道筋にあること確実にする必要 ━金融機関がバブル崩壊に耐え得るること確実にしたい ━FOMCは雇用・インフレ目標に関する進展見極める、利上げ開始の時期について ━リバースレポについて継続的に討議中、政策正常化への最善策めぐり最終決定していない ━翌日物ファシリティー、FF金利管理に向けたバックアップ手段 ━初期段階の試験、翌日物レポが良好な手段であること示す http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0FK1UG20140715イエレン議長が株価の割高感を警戒、小型・バイオテクなど 2014年 07月 16日 00:32 JST [15日 ロイター] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は15日、現在の株価のバリュエーションに関して、一部セクターはやや割高との認識を示した。上院銀行委員会での証言で述べた。
議長は、株式市場のバリュエーションは総じて長期平均に沿った水準にあるとしながらも、小型株やバイオテクノロジー、ソーシャルメディアセクターなどの株価収益率(PER)は「歴史的基準に比べ高いようだ」と述べた。 http://diamond.jp/articles/print/56138 【第142回】 2014年7月16日 森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト] 筆者が「追加緩和なし」と見る3つの背景〜年内の焦点は「フォワードガイダンス」へのシフト ――森田京平・バークレイズ証券チーフエコノミスト メインシナリオは「追加緩和なし」 その3つの背景とは? 筆者は日銀の金融政策について、「追加緩和なし」をメインシナリオと見ている。その背景として、@日銀が物価安定目標に対して強い確信を持っている、A潜在成長率の上昇がまだ視野に入らない中では、「CPI前年比2%」という物価目標に固執することに一定のリスクがある、B5月9日に日銀が発表した法定準備金積み増し方針のインプリケーション、などが挙げられる。 @は追加緩和の可能性ないし必要性を下げるという点から、「追加緩和なし」というシナリオにつながる。AとBは、金融政策の限界や追加緩和のコストという点から「追加緩和なし」というシナリオにつながる。 物価安定目標の実現に 対する日銀の強い確信 結局のところ、金融政策の予測は日銀がCPIをどのように見通すかにかかっている。この点で、「2年でCPI前年比+2%」という物価安定目標に対して日銀が今なお強い確信を持っている点は、考慮されなくてはならない。 むろん、現在の金融政策が経済主体の期待を変えることに重点を置いている以上、物価安定目標の実現に対する強い確信を示すこと自体が、そもそも「政策の一環」である点は忘れることはできない。その点を踏まえても、やはり日銀は非常に強い確信を持っているようだ。 確信の背景: フィリップス曲線の上方シフト その背景として、フィリップス曲線が上方シフトした始めた可能性を指摘できよう。縦軸にコアCPIの前年比変化率、横軸に需給ギャップ(ただし2四半期先行)をとると、右上がりの関係が描ける。これがフィリップス曲線だ(図表1参照)。 注:1. 需給ギャップ(%)=(実績GDP−潜在GDP)/潜在GDP×100 2.コアCPIは生鮮食費を除く総合CPI(消費税率引き上げの影響は除く) 出所:総務省『消費者物価指数』、内閣府資料よりバークレイズ証券作成 1996年から直近2013年のフィリップス曲線は、図表1では「B」で示されている。「B」の切片は+0.47となっている。つまり、需給ギャップがゼロのとき(=経済がインフレ的でもデフレ的でもないとき)のコアCPI前年比変化率は、+0.47%である。これでは、「安定的なCPI前年比+2%」という目標にほど遠い。 一方、バブル期を挟む1983〜95年のフィリップス曲線は「A」だが、その切片は+1.60と2に近い。しかも、2013年7〜9月期から直近2014年1〜3月期にかけてのデータポイントは、まさにこの曲線Aに沿っている。 もちろん、3四半期分のデータだけでは、本当にフィリップス曲線がシフトアップ(切片が上昇)したかについて、統計的に有意な判断は下せない。しかし、日銀、とりわけ黒田総裁の「2%物価目標の実現に向けた道筋を順調に進んでいる」という強い確信の背景には、こうしたフィリップス曲線の上方シフトがあると考えられる。そうであれば、「追加緩和なし」をメインシナリオとせざるを得ない。 「潜在成長率」への言及の増加 5月以降、日銀が潜在成長率の向上の必要性に言及する機会が増えている。たとえば、5月26日の講演で岩田副総裁は、「(一定水準以上に)潜在成長率を高めるのは、金融政策ではなく、規制改革などの政策手段を持っている政府の役割」「潜在成長力の強化が進まなければ、物価安定目標の達成は、『マイルドなインフレ下における低実質成長』をもたらす可能性がある」と注意を促した。 このタイミングで潜在成長率を高める政策、つまり「第三の矢」の重要性を日銀が強調したのは、安倍政権による新しい成長戦略の発表が6月に控えていた(6月24日閣議決定)からに他ならない。しかし同時に、金融政策の制約にも関わる議論であることに注意を要する。 金融政策の法的理念 (日銀法第2条)とのバランス 先のフィリップス曲線に基づいて言うのであれば、(1)潜在成長率が今後も長期にわたって低迷すると、早期に需給ギャップゼロという状態に達してしまい、しかもそこが成長の天井となる恐れがある、(2)そこからさらにCPI前年比+2%を目指そうとすると、低成長下でのインフレとなりかねない。仮にそうした状態が実現すると、日銀法第2条における「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」という金融政策の法的理念とのバランスが問われる。 そうであれば、「第三の矢」が目に見える成果を出さない場合には、「CPI前年比+2%」を何が何でも実現するために追加緩和に打って出るという姿勢は弱まると考えるのが自然であろう。つまり物価目標が事実上「ソフト化」されることになる。これも追加緩和の可能性が下がったと見る背景である。 「法的準備金」の積み増し: 財務の健全性確保に動いた日銀 5月には、日銀にもう1つ動きがあった。同月9日、日銀は2013年度の当期剰余金(7242億円)については、従来の5%ではなく20%相当額を法定準備金(日銀の自己資本の一部)として積み立てる方針を決定し、財務大臣に認可申請した。公表文書で、財務の健全性確保が目的であるとした。 実際、剰余金の5%を上回る法定準備金は、損失の補填ないし出資者に対する配当以外の目的で取り崩すことはできない(日銀法第53条3)。 会計規程第18条と 日銀の自己資本比率 日銀の財務の健全性を考える上で、「会計規程第18条」が指針となる。同条第1項は「債券取引損失引当金及び外国為替等取引損失引当金の積立て又は取崩し並びに法定準備金の積立ては、各上半期及び各事業年度の自己資本比率が、10%程度となることを目途として、概ね上下2%の範囲となるよう運営する」としている。 つまり日銀は、自己資本比率が8〜12%になるよう債券と外国為替の取引に関わる損失引当金と法定準備金を、積み立てなくてはならない。なお、ここで言う自己資本には資本金、法定準備金、特別準備金、貸倒引当金、債券取引損失引当金、外国為替取引損失引当金が含まれる。 前述の定義に基づく日銀の自己資本比率は、2002年9月末以降、レンジの下限である8%を下回っている(図表2参照)。しかも、2013年4月以降は「量的・質的金融緩和」の下、日銀が保有する長期国債の残高の急増と残存年限(あるいはデュレーション)の長期化が進んでおり、いずれ来るであろう「出口」において財務の健全性が傷つく事態は、絵空事とは言えないだろう。 注:自己資本比率(%)=(資本金+法定準備金等+貸倒引当金(特定を除く)+債券取引損失引当金+外国為替等取引損失引当金)÷銀行券期中平均発行残高×100 出所:日本銀行『業務概況書』よりバークレイズ証券作成 拡大画像表示 岩田副総裁の考えは変わったのか?: 学習院大学教授のときの見解 日銀の岩田副総裁は、学習院大学教授であった頃、「唯一のハイパワードマネー(=マネタリーベース)供給者である中央銀行は自己資本を持っていなくても営業可能」(カッコ内は筆者)(『論争 東洋経済』2000年1月)としていた。 しかし、同氏を副総裁に迎えた日銀が法定準備金、つまり自己資本の積み増しに動いたことは無視できない。これも、日銀が追加緩和に打って出てバランスシートをさらに加速的に膨らませる可能性を下げる。以上を踏まえて、筆者は「追加緩和なし」をメインシナリオとしている。 2014年内の金融政策の課題: 「オープンエンド」から 「フォワードガイダンス」への移行 では、2014年内の金融政策の焦点が消えたのかというと、そうではない。「オープンエンド」から「フォワードガイダンス」への移行という重要な課題が残されている。 現行の量的・質的金融緩和(QQE)では、金融市場調節の操作目標はマネタリーベースとされているが、日銀はマネタリーベースの目標残高を2014年末までしか示していない。つまり、2014年末以降が「オープンエンド」となっている。 しかし、2014年末まで6ヵ月を切る中、オープンエンドというフレームワークが、金融政策の先行きについての不透明要因となりつつある。こうした中、「オープンエンド」から「フォワードガイダンス」に切り替える必要性が、近い将来生じるであろう。 フォワードガイダンスに移行する時点で、現行の操作目標をマネタリーベースから変える(たとえば、無担保コールレート・ターゲットに戻る)とは想定しがたい。したがって、フォワードガイダンスの一環として、マネタリーベースの明示期間を延長する可能性がある。 それを経済・物価展望とセットで示すとすれば、フォワードガイダンスに移行する有力な機会として、次の展望レポートが発表される10月31日の金融政策決定会合(MPM)に注目したい。 年内の金融政策の焦点は、「追加緩和ありやなしや」よりも「いつ、どのような形でフォワードガイダンスを導入するか」にあると言える。 http://diamond.jp/articles/print/56166 【第65回】 2014年7月16日 田中泰輔(ドイツ証券グローバルマクロリサーチオフィサー) 世界経済はじわり成長加速へ ドル円は110円超へ反発 世界の経済成長は来年にかけて緩やかに加速するとみる。米国は、今年1〜3月にひどい寒波で落ち込んだ後、3%を上回る成長軌道に戻りつつある。ユーロ圏は、南欧債務危機後の処理による圧迫下でも、1%強の成長を確保する公算だ。 日本経済は消費税増税の悪影響は想定の範囲内にとどまり、今後は底堅く推移しよう。中国経済は最近までの減速は、構造的というより循環的背景が強く、今年第1四半期に底入れしたと判断している。新興国は一部の脆弱さが気になるが、米欧中の景況改善を受けて次第に底堅さを増すだろう。 世界経済がじわり持ち直す一方、主要国の中央銀行はハト派的な金融緩和による景気支援を継続している。FRB(米連邦準備制度理事会)は量的緩和の縮小から解除へと向かいつつあるが、超金融緩和の幕引きが市場に無用なショックを与えないよう、細心の注意を払っている。ECB(欧州中央銀行)はマイナス金利を含む金融緩和パッケージを導入し、日本銀行は異次元の金融緩和を推進中だ。 この結果、景気悪化もインフレもない妙な小康感「ゴルディロクス」が生まれ、債券・為替市場は膠着し、株式や新興国などリスク市場の堅調をもたらしている。 ドル円相場は102円前後にとどまり、ボラティリティ(変動幅)は歴史的な低さである。見方を変えるとドル円は底堅いともいえ、そこに米株高が重なって、日本株は次第に失地回復している。 拡大画像表示 グラフは、安倍相場始動の2012年11月半ばを基点にドル円と日米株価の推移を示している。日本株の主な買い手である外国人にとって、対日本株の指針は「米国株価×ドル円」である。 安倍相場初期は、外国人が過少保有の日本株を買い急ぎ、この指針を上回る値上がりとなった。今年初めからは米寒波の余波でリスクオフとなり、益出し余地の大きかった日本株は、この指針対比で割安水準まで売り込まれた。このため相場が落ち着けば、反発する余地も十分あると見込まれた。 ひところ懸念された欧州危機の再燃、中国のハードランディング、新興国売りの連鎖などが世界市況を深刻に下振れさせるリスクは減退してきた。逆に、ゴルディロクスが継続した先のリスクを注視すべきと考えている。 それは米国で良好な経済指標が続き、FRBのハト派姿勢が市場の想定より早く今秋にも変わり、米金利が上昇し、株価や新興国市場が動揺するケースだ。米債売りの度が過ぎれば、市場のショックが激化する恐れもある。 しかし、当局のこれまでの政策運営の慎重さを見る限り、そうした懸念を強調するより、小規模の動揺を伴いつつも、リスクオンにじわり傾く展開がメインシナリオとして妥当だろう。米株は上昇余地を探り、ドル円は105円、さらに110円超へと反発し、日本株は新値を更新するとみる。
http://lounge.monex.co.jp/pro/special2/2014/07/15.html 第118回 米金利が上がらない!イエレン・ダッシュボードって何? 【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】
自動車の運転席に様々なメーターが並ぶダッシュボード。その自動車の運転席になぞらえて、FRBのイエレン議長が注目する雇用関連指標のなかで最も重要とされる9つの指標がイエレン・ダッシュボードと呼ばれています。 これが政策金利引き上げ開始時期決定の判断材料となる重要な指標とされているのですが、昨今の雇用統計でNFP非農業部門雇用者数が回復してきても、失業率が改善しても他の指標をみると、まだまだ雇用情況が良いとは言えないのです。 1)非農業部門雇用者数増減数 リセッション前(リセッションとは、2四半期連続でGDPがマイナスとなること)の、リーマンショック前の世界好景気に沸いた2004-2007年の平均が+16.2万人でしたので、これだけを取ってみれば十分に雇用は回復したように見えます。6月は28.8万人増、3ヵ月平均は27.2万人増と2012年3月以来、12ヵ月平均は20.8万人増と2006年5月以来の高水準となりました。 2)失業率 バーナンキ氏前FRB議長時代に金利引き上げの目安とされていたフォワードガイダンスでは6.5%以下になることが目標とされていましたので、この数字と比べれば十分にクリアしているように見えますが、リセッション前平均が5%でしたので、6月最新の雇用統計の6.1%はまだまだいいとは言えません。 3)労働参加率 これが良くない。6月は62.8%、3ヵ月連続で1975年以来の低水準。リセッション前平均は66.1%でした。要するに、仕事を探すことを諦めた、労働市場から退出してしまった人が増えているということです。 4)長期失業者の割合 半年以上失業状態が継続している割合を指しますが、この数字もまだまだです。リセッション前の平均は19.1%でしたが、6月の雇用統計では32.8%と、まだまだ長期失業者が多いことがわかります。 5)広義の失業率(U-6) フルタイム労働を希望していても仕事がないためにパートタイム労働を余儀なくされているという人口を含んだ失業率のことです。リセッション前平均が8.8%なのに対して、12.1%もあります。現在雇用統計で注目される失業率は6.1%ですが、U−6と呼ばれる広義での失業率はその倍もあり、まだまだ雇用情勢がいいとはいえません。 ここまでの5つの項目は、毎月発表される「雇用統計」で確認することができます。そして以下の4つの項目は「雇用動態調査(JOLTS)」にて確認できる項目です。最新の5月分が先週8日火曜日に発表されました。 6)求人率 雇用人数と求人数の合計に占める求人数の割合を指します。最新の数字である5月は3.5%でした。件数ベースでは、求人数が前月比3.8%増となり、リセッション前の2007年6月以来の高水準となり、この点はほぼクリアと言ってもいいかもしれません。リセッション前の平均は3%、あと一息ですね。 7)退職率 リセッション前平均は2.1%。イエレン議長は自主退職率がいつ通常の水準に回復するかに注目していることを明らかにしていますが、労働市場の健全性を計る指標の一つですね。自発的に辞められる環境であることは、辞めても次があるという意味で健全性が高いということ。最新の5月の退職率は1.8%で、過去5年間で最高の水準に並んでいますが、01-07年の景気拡大期に記録した水準には及ばなかったようです。 8)解雇率 5月は1.1%、足元の1.2%から低下し2007年12月の1.3%以下に低下しました。リセッション前平均の1.4%よりもいい数字です。この点もクリアしたとみていいでしょう。 9)入職率(新規採用率) リセッション前平均の3.8%に対し5月は3.4%と、4月の3.5%からも低下してしまいました。2007年12月は500万人、5月が471.8万人です。 全部で9つの指標のうち、現時点でリセッション前の水準に回復しているのは、非農業部門雇用者数と求人率、解雇率の3点のみです。リセッション前の水準にはまだまだ及ばない指標も多く、全ての指標がリセッション前の水準に回復するまで利上げしないと仮定すると、その時期は相当先だと思われます。今後見直されることもあるとは思いますが、このイエレン・ダッシュボードの存在が現在の米国金利が上がらない理由のひとつであり、ドル円相場の膠着を演出してしまっているものと見られます。今後のこれらの指標の推移に注目していきましょう。 コラム執筆:大橋ひろこ フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。 TwitterAccount @hirokoFR 前の記事:第73回 経済発展で美術工芸品への需要が高まる【北京駐在員事務所から】 −2014年07月09日. http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0FK1TA20140715 イエレン米FRB議長の議会証言要旨 2014年 07月 16日 00:15 JST [ワシントン 15日 ロイター] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は15日、上院銀行委員会で半期に一度の証言を行った。内容は以下の通り。
<政策見通し> 2月の金融政策報告書以降、経済の健全性回復、および金融システム強化の面で一段の重要な進展が見られた。しかしながらがあまりに多くの米国民がなお失業から脱しておらず、インフレも依然長期目標を下回り、必要な金融改革の取り組みも途上にある。FRBはマクロ経済目標を達成し、一段と力強く耐性のある金融システムを実現するため、あらゆる資源と手段を活用することに引き続き注力している。 <労働市場の状況> 米連邦公開市場委員会(FOMC)は、議会から付与された二重の責務に基づき、最大雇用と物価安定を促進する政策にコミットしている。 経済状況を踏まえると、高水準の金融緩和政策は引き続き適切と判断している。 労働参加率は、高齢化や失業水準を踏まえ想定する水準よりもやや弱いようだ。労働市場に依然著しい緩みが残っていることが示唆されており、時給に関する大半の指標が引き続き弱い伸びにとどまっていることで裏付けられている。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0FK1OD20140715 米FRB議長が緩和策を擁護、景気回復なお不完全 2014年 07月 15日 23:57 JST [ワシントン 15日 ロイター] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は15日、上院銀行委員会での証言で、米景気回復は依然として不完全との認識を示し、雇用市場がなおぜい弱で所得の伸びも停滞していることから、FRBの緩和的な金融政策は当面正当化されるとの考えを示した。 イエレン議長は証言で、物価上昇の初期の兆候が出ているが、FRBが金融引き締めを前倒しするには十分でないと指摘。 FRBは来年半ばに引き締めに転じるとの見方が出ているが、同議長はこれについて、労働市場が予想より早く改善すれば、金利は予想より早く、より速いペースで上昇する可能性があるとしながらも、「景気の改善は続いているものの、まだ完全には回復していない」との見方を示し、「米国ではあまりにも多くの人々が失業状態にある」と述べた。 また、米経済は雇用を創出し続け、安定的に成長しているとの認識を示しながらも、2014年の望ましいインフレ率について、FRBの政策担当者は現在、FRBの目標の2%より低い1.5─1.75%と見ていることを明らかにした。 さらに、住宅市場はなおぜい弱、企業投資は望ましい水準に達していないとの認識を示した。 株価などの上昇を受けバブル発生が危惧されているが、これについては株式、債券などの資産価値は「おおむね歴史的な水準に沿っている」と述べた。 *内容を追加して再送します。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0FK13920140715 アングル:日銀は物価めぐる夏の陣に自信、再浮上かけ年内に天王山へ 2014年 07月 15日 20:02 JST [東京 15日 ロイター] - 日銀が夏場の物価1%割れ回避に自信を深めている。円安効果のはく落などで夏場にかけて伸び率を縮小する方向にある一方、需給などを通じた基調的な物価上昇圧力はしっかりしているとみているためだ。 物価をめぐる「夏の陣」を乗り切れば、物価再浮上をかけて年内にも金融政策運営は「天王山」を迎える可能性がある。 日銀では、先行きの物価について、昨年に進行した円安効果やエネルギー価格の上昇の影響が次第にはく落し、夏場にかけて伸び率を縮小させていくとみている。しかし、消費増税の影響を除いて一時1.5%まで上昇率を高めた消費者物価(生鮮食品除く、コアCPI)が大きく低下することはないとみており、黒田東彦総裁は15日の会見で「1%を割る可能性はない」と断言した。 黒田総裁が6月の講演で「夏場に向けて、いったん1%近傍まで縮小する」と言及したことで、市場の一部で物価見通しの下方修正との思惑も出たが、日銀ではその時も1%を割れはないとの見方を崩していなかった。 むしろ、物価は短期的にさまざまな要因で変動するものの、需給ギャップの改善など基調的な物価上昇圧力の重要性を説明することが狙いだったようだ。 この「物価の基調」の強さについて黒田総裁は、15日の会見でも繰り返し強調。目先はエネルギー価格上昇の影響減衰などで物価上昇率がプラス幅を縮小させていく可能性にあらためて言及しつつ、「労働などの需給タイト化や物価上昇期待」という需給ギャップの改善とインフレ期待の上昇が物価の押し上げ要因に作用すると語った。 一部で物価下押しの要因としてみられていた携帯電話の料金体系変更も、最近のガソリン価格値上げが「ちょうど反対側の動きだと思う」と総裁が述べ、両者の効果が打ち消し合う可能性をにじませた。 企業の価格設定行動も「安売りによって需要を開拓していくような企業行動は減っていく」とし、「賃金が上がり、物価が上がるメカニズムが働き出している」と主張。2%の物価安定目標の達成にあらためて自信を表明した。 民間エコノミストの中には、円安効果が一巡する夏場にかけ、コアCPIの上昇率が1%を割り込み、日銀シナリオの挫折が鮮明になると読む向きもいた。 この日の黒田総裁の発言は、夏場の1%割れシナリオの実現性を強く否定し、「夏の陣」は勝つとの自信を示した格好だ。 ただ、夏場を乗り切っても、日銀が描く今年度後半の物価再浮上シナリオの実現に対し、民間エコノミストを初めとする市場関係者は、依然として懐疑的だ。 日銀内でも、ここからは円安を伴わずに、需給改善とインフレ期待で物価上昇のエンジンが再点火する必要があると指摘する声が出ている。 具体的なリスク要因として、消費税率引き上げに伴う実質所得の減少や、回復が後ずれしている輸出の動向がある。 2015年度中の物価2%実現をにらみ、金融政策判断は年内にも重要な局面を迎える可能性がありそうだ。 *本文中の表現を修正して再送します。 (伊藤純夫 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0FK13T20140715 コラム:ドル高期待を狂わす95年以来の異変=佐々木融氏 2014年 07月 15日 20:16 JST 佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長 [東京 15日] - 15日の日銀金融政策決定会合では予想通り政策変更は行われず、その後の黒田東彦総裁の記者会見も特に目新しい発言はなかった。 ただ、興味深いのは、コアCPI(生鮮食品を除く消費者物価指数、消費税率引き上げを除くベース)前年比に関する全委員の見通しの幅を見ると、2014年度の最小値が1.0%と4月時点の0.9%から切り上がり、15年度の最小値も同じく1.0%と4月時点の0.8%から切り上がっていることだ。 つまり、日銀政策委員全員が消費増税の影響を除くコアCPI前年比は当面1%を下回らないと予想するようになっていることを示している。日銀のデフレ脱却に対する自信は、ますます深まっているようだ。 これで今年の日銀追加緩和の可能性は、一段と後退したと言える。以前ならば円が多少買い戻されてもおかしくない状況だ。しかし、政策発表後、黒田総裁会見後も円相場に目立った動きはなかった。昨年世界中の注目を集めた日銀の金融政策はこのところ大きな動きもなく、海外勢もしばらく追加緩和はないとの見通しを強めつつあり、関心が逸れつつあるようだ。 <為替は一般論通りに動かない> 一方で世界の投資家の注目は、動きが出始めた米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)のほうに移りつつあるのかもしれない。ECBは6月5日の会合で政策金利を0.25%から0.15%に、預金金利を0%からマイナス0.1%に引き下げた。そして7月3日の会合では、ターゲット型長期流動性供給(TLTRO)の詳細について発表した。 また、FRBはたんたんと毎回の連邦公開市場委員会(FOMC)で債券購入額を100億ドルずつ減少させており、7月9日に公表されたFOMC議事要旨では出口戦略に関する検討内容も明らかにした。 FRBとECBの金融政策は明らかに逆方向にあり、為替相場に対するインプリケーションとしては一般論ではドル高/ユーロ安ということになるが、7月15日現在のユーロドル相場は1ユーロ=1.36ドル近辺と、ECBが利下げを行う直前とほぼ同レベルになっている。為替相場は、必ずしも金融政策の方向性が示す方向に素直に動くとは限らない。 黒田総裁は15日の会見で「一般論として、金融引き締め方向にある国の通貨は買われ、緩和方向にある国の通貨は売られる」と発言した。確かに一般論としてはその通りだが、為替相場はその通りには動かないことが多いのである。 5月の本コラムでも触れたが、FRBの量的緩和政策(QE)と米金利の関係も単純なものではない。過去2回のQE(QE1とQE2)では、資産購入プログラムが終了するかしないかのタイミングから、終了後しばらくの間にかけて、米国の長期金利は低下傾向をたどっている。QEが終了するということは、FRBが債券の購入を止めることであるから、本来は逆の動き、つまり債券価格が下落して金利が上昇することを予想するのが一般的だろう。しかし、現実の金利の動きはその逆になっている。 FRBの利上げ局面とドルの動きも、一般論とは異なる。過去2回の利上げ開始時(1999年6月と04年6月)前のドル実効レートの動きを見ると、興味深いことに両方のケースで利上げ開始10カ月前頃にドルがピークを迎え、そこから利上げ開始6カ月前までの約4カ月間、下落トレンドに入っている。この4カ月間のドル実効レートの下落幅は、ともに約8%と比較的大きい。 また、両方のケースでその後ドルは反発するが、実際にFRBが利上げする前に反落する。そして、ドルはFRBが利上げした後も下落を続けている。04年6月のケースでは、利上げが行われた時点から5カ月後にはドル実効レートは7%も下落している。 04年6月の利上げにもかかわらず、その後ドルが下落トレンドをたどった背景を振り返ると、当時は原油価格上昇と米経常赤字拡大が材料視されていた。経常赤字拡大については「材料視」されていたというよりは、実際にドル売り圧力になっていたのだろう。当時、米国の経常赤字は拡大の一途を辿っており、対国内総生産(GDP)比5%(現在は2%台)以上の赤字を垂れ流していた。 つまり、為替相場にはさまざまな要素が影響してくるため、金融政策の方向性の違いだけで動くわけではない。したがって、金融政策からみた一般論通りには動かないこともあるのである。今回もFRBの利上げ期待が高まり、米2年物金利が上昇しているにもかかわらず、ドルが依然として軟調に推移している理由が他にあるはずである。 <経常赤字上回る対外直接投資超> その一つとして考えられる興味深いデータがある。第1・四半期のデータまでしかないので、直近も同じ動きが続いているかどうか定かではないが、第1・四半期の米国の対内直接投資は1123億ドルの流出超となっている。 通常、米国の対内直接投資は流入超で、昨年の流入額は四半期平均で737億ドルとなっている。これが今年第1・四半期には一気に1000億ドル以上の流出超となっているのである。 ちなみに、米商務省によると、同じ基準でデータが遡れる1982年以来、対内直接投資が流出超となったのはこれまで1回(03年第2・四半期)しかないが、この時はわずか7億ドルの流出超だった。商務省による解説とさらに詳細なデータを見ると、欧州企業が米国に対する直接投資を引き揚げたもようである。 これを受けて、第1・四半期のネット直接投資は1725億ドルの流出超となっており、経常赤字額さえ上回っている。通常、米国はネット対外直接投資超となっているため、経常収支、ネット対外直接投資双方でドル売り方向の圧力が加わることになるが、ネット対外直接投資による流出額が経常赤字額を上回ったのは95年第4四半期以来のことである。 このフローが実際にドル売りを伴うものかは定かではないが、仮に一部でもドル売りを伴い、かつ同じような動きが第2・四半期も続いているのであれば、米金利が多少上昇したとしても、ドルが上昇トレンドをたどるのは難しいだろう。 これが、米国が金融引き締め方向に向かっているにもかかわらず、ドルの弱い地合いが続いている背景の一つかもしれない。 *佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の債券為替調査部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。 *本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(here) |