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原田会長(右)は強気(9日の記者会見)/(C)日刊ゲンダイ
ベネッセも余裕の構え…日本で「個人情報流出」減らない理由
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/151872/1
2014年7月15日 日刊ゲンダイ
14日、外部の派遣社員が関与を認めたベネッセの顧客情報流出事件。派遣社員は警視庁の任意の調べに「カネが欲しくてやった」と話しているという。詳しい動機や背景の解明はこれからだが、“容疑者”特定で一件落着とはいかないのが個人情報を流出された被害者だ。
「センシティブ(重要)情報は流出していない」――。
原田泳幸会長兼社長に応じる気はないようだが、今後、注目されるのが被害者に対する賠償の行方だ。通販業界で「宝の山」と呼ばれる貴重な個人情報の流出だけに、「二次被害」を招く可能性もある。当然、被害者からは補償を求める声が出ているが、ベネッセは強気の姿勢のままだ。なぜ、余裕の構えでいられるのか。
■米国では1人が勝てば全員賠償
「日本には個人情報を流出させた企業に重い制裁を科す仕組みがないからです」と解説するのは、個人情報の流出問題に詳しい紀藤正樹弁護士だ。
紀藤弁護士によると、米国には「クラス・アクション」という代理人形式の訴訟制度があり、ある企業によって多くの人が同様の被害を受けた場合、代表者が訴訟を起こすと、被害者が皆、賠償金を受け取れる。
つまり、今回のベネッセのケースの場合、1人の被害者が勝訴して1万円の賠償金を得ることになれば、他の被害者も全員1万円を得ることになる。1件(人)1万円の賠償で、流出した件数が2070万件(人)なら賠償総額は2000億円を超える。被害者の「泣き寝入り」を防ぐ一方、「巨額賠償制度」によって企業にもリスク回避の企業努力、社会的責任を促しているわけだ。
ところが、日本ではそうした制度がない。ようやく昨年末の国会で「日本版クラス・アクション」と呼ばれる法律が成立したが、原告が消費者団体に限られるなど米国の制度とは全く異なる。審議過程で、経団連などの経済関連団体が強く反対して「骨抜き」にしてしまったのだ。あらためて紀藤弁護士が言う。
「個人情報流出はまさに『クラス・アクション』の対象になる典型的なケースです。しかし、日本では残念ながら使える仕組みになっていません。そもそも個人情報の流出を防ぐ方法は、外部者を入れない、データベースには外部記憶媒体の取り付け口を作らない、など難しくはありません。セキュリティー対策をしっかりすれば防げます。それをせずに情報を流出させたのは企業側の怠慢で、流出企業の責任を厳しく問う仕組みをつくる必要があります」
どうりで個人情報の流出がなくならないはずだ。
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