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7月1日から販売開始 夫婦でのんびり、一人でゆったり「青春18きっぷ」で新名所に行こう
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39808
2014年07月14日(月) 週刊現代 :現代ビジネス
「富岡製糸場」「天空の城」「村上海賊の島」など、いちばんお得な路線MAP付き
1日当たり2370円でJRの列車が乗り放題。一人でも良し、夫婦でも良し、グループでも良し。どこまででも行ける超おトクな青春18きっぷで、この夏話題の「新名所」を巡る旅に出よう。
■ローカル列車の醍醐味
たまにはローカル線にでも乗って、のんびりと鉄道の旅に出てみたい―。そう思っているあなたにぴったりのサービスがある。今年も7月1日から発売される、「青春18きっぷ」だ。1日当たり2370円ポッキリで、JRの普通・快速列車が乗り放題になる、期間限定の特別企画乗車券である。
'13年度には全国で約67万枚を売り上げ、人気の高さがうかがえるが、このキップ、名称こそ「青春」だが年齢制限はなく、熟年層の間でいま利用者が急増しているのだ。
今夏、新幹線や特急列車では味わえない、ローカル列車ならではの旅の醍醐味を、18きっぷを使って満喫してはどうだろうか。本誌は今回、いずれ劣らぬ4人の鉄道マニアたちに知恵を絞ってもらい、「新名所を巡る夏の旅」を5コース、用意した。167ページの図も参照してもらいながら、旅の中身を見ていこう。
まずは大の鉄道好きで知られる俳優・気象予報士の石原良純氏が言う。
「東京から日帰りで鉄道旅行の楽しさを味わいたいなら、僕は八高線(八王子~高崎)の旅を勧めます。八高線は軽油で動くディーゼル車だから、走る場所によって車輌の揺れ具合が違うんですよ。上り坂ではいかにも苦しそうに登っていくし、下り坂ではヒューと滑るように走る。それを体感できる楽しさは僕みたいな鉄道好きには格別ですね。
車窓からののどかな風景も駅弁と缶ビールを楽しむには最適だし、梅の生産地である越生駅で梅を使った飴をお土産に買ったりして、たった1日でローカル線ならではの旅情をたっぷり楽しめます。
今なら、高崎から上信電鉄で、世界文化遺産に登録されたばかりの富岡製糸場に足を運んでみるのもいいかもしれない。近代絹産業の名残である赤レンガ造りの建物を見ていると、郷愁に浸れます」
続いては熱狂的な「乗り鉄」女優として知られる村井美樹さん。彼女は南東北への1泊2日の鉄道旅を推奨してくれた。
「仙台へ到着したら、まずは牛タンで英気を養いましょう(笑)。そのあとは、一ノ関から大船渡線に乗り換えて気仙沼まで足を延ばしてほしいと思います。東日本大震災後、大船渡線の一部はいまだ運休が続いていますが、盛駅までは代替バスが運行しています。盛駅からは復旧した三陸鉄道の南リアス線に乗れますよ。
その後は小牛田に戻って鳴子温泉で1泊。翌日は鳴子温泉から新庄まで陸羽東線『リゾートみのり』、酒田から新潟まで羽越本線『きらきらうえつ』というふたつのリゾート電車を乗り継いで移動することが、この旅のポイントです。『リゾートみのり』は車窓が広く、津軽三味線を弾いてくれるなどの車中イベントも盛りだくさん。『きらきらうえつ』では、地酒を飲みつつ、夕暮れ時の笹川流れを見る楽しみもあります。新潟から新幹線で東京に戻ってしまえば(新幹線のキップは別途必要)体力的にも楽ですし、たとえば奥さんと一緒の旅行でも十分、楽しめるコースになるはずです」
■他の切符と並用して贅沢に
青春18きっぷは、5回使えて1万1850円。1枚のキップを複数人で同時に使うこともできる。仮に、夫婦が1泊2日の旅でこのきっぷを使うと、2日×2人で4回分使用したことになる。仲の良い友達5人で日帰り旅行することも可能だ。実際、最近はローカル線で18きっぷを握りしめた中高年のグループがよく見かけられる。
紀行作家で『60歳からの青春18きっぷ』著者の芦原伸氏はこう指摘する。
「最近の中高年の人たちは、青春18きっぷを使って貧乏旅行ならぬ、『贅沢旅行』をしているんですよ」
中高年にとっては、普通列車での長時間の移動は体力的に辛い。そんなときは、青春18きっぷにだけこだわらず、さっさと新幹線に乗り換えてしまえばいい、と芦原氏は説明する。
「青春18きっぷというのは、少ない予算で気ままな旅ができるということで、おカネのない若い人たちに人気があったんですが、金銭的にゆとりのある中高年の人たちは、もっと余裕のある楽しみ方をするようになってきましたね。
たとえば、地元の駅からこのキップで移動するのではなく、まず飛行機で北海道に行ったり、新幹線で京都や大阪まで行ってから、ローカル線に乗り換える。こういった柔軟な発想をしたほうがこのキップを有効利用できるんです」
芦原氏のオススメは、日本のマチュピチュとして最近人気の「天空の城」を巡るコースだ。
「まず新幹線で姫路まで行き、そこから播但線で竹田駅に向かう。土日祝日なら駅から『天空バス』というシャトルバスを使い片道260円で、竹田城の中腹まで行けます。標高353・7mからの眺めはまさに絶景。春秋は霧がよく出て本当に雲の上にいるような感覚が味わえます。
和田山から山陰本線に入り、日本海を眺めながら倉吉で降りて三朝温泉で1泊。日本海の海の幸を、関金わさびで頂く。翌日は山陰本線で宍道まで行き、木次線に乗り換える。この路線では険しい斜面を登るために、進行方向を交互に替えて進む、スイッチバックを見ることができます。ここから芸備線、伯備線を乗り継いで、もう一つの天空城である備中松山城を見て岡山に帰るというコースです」
■世界一美しい池を見る
『鉄道ひとつばなし』の著書もある、明治学院大学の原武史教授のオススメは、四国の瀬戸内海沿いを日本の歴史とともに巡る1泊2日のコースだ。
「四国を巡る旅というと、すぐ八十八ヵ所巡りや金比羅参りが思い浮かぶでしょうが、実は四国には隠れたパワースポットがある」
岡山から瀬戸大橋を渡ると、崇徳上皇の墓がある坂出に辿り着く。ここが原氏の言う知る人ぞ知る隠れたパワースポットだ。
「日本一の怨霊と言われる崇徳上皇の陵で、尋常でないパワーを持ったスポットですから、ぜひ行ってみてください。その後は予讃線(高松~宇和島)に乗って瀬戸内海沿いに今治へ向かいます。この一帯は、今年、本屋大賞を受賞した『村上海賊の娘』で一躍、有名になった村上水軍ゆかりの地でもあります」
今治市の大島には村上水軍博物館があり、駅前から大島へ陸路のバスも通っている。博物館からは瀬戸内海に浮かぶ島々と、村上水軍の居城であった能島城跡を見わたせる。
「2日目は松山から予讃線に乗って、伊予大洲という駅で降りてください。大洲は漆喰の民家が建ち並ぶ『伊予の小京都』とも言われる情緒のある町です。地方ならではの絶景を楽しみたいなら、下灘駅も立ち寄る価値は十分。駅の背景に海が広がる光景は本当に素晴らしく、多くのポスターに被写体として採用されています」
最後に、我が編集部の鉄道取材班からもオススメコースを紹介しよう。北の大地、北海道で今話題のスポット「青い池」と「ばんえい競馬」をめぐる旅である。
車移動が中心と思われがちな北海道だが、意外と青春18きっぷを活用できる路線は多い。たとえば、新夕張駅から新得駅までの約1時間の区間は、18きっぷでも特急に乗れておトクだ。普通列車が走っていない場合に限り、こうした特典がある。車窓から雄大な牧草地を眺めていると時が流れるのも忘れてしまいそうだ。
帯広まで足を延ばしたら、夜は今年映画化された大ヒット漫画『銀の匙』の舞台ともなった「ばんえい競馬」を訪れたい。夏場は、涼しくなった夕暮れから始まるレースがオススメ。さらに富良野線(旭川~富良野)を使って美瑛に行き、「青い池」も訪れよう。青白く染まった湖面に木々が直立する光景が、Macのパソコンの壁紙に採用されたことでも話題になった。アップル社のスタッフが「今まで我々が作った中で、世界一美しい画面である」と絶賛したことで、いまや世界中から観光客が集まる新名所である。
最後に、知っておくと旅が快適になる豆知識をいくつか挙げておく。
ローカル線では、食料と飲み物は必ず事前に用意しておきたい。売店も自販機もない駅が続くことがあるからだ。また、時刻表と日本地図があると便利。ローカル線は本数も少なく検索サイトで調べにくいため、時刻表のほうが勝手がいい。車窓からの眺めも、日本地図で事前に調べておけば名景を逃すこともない。
おトクで楽しい、青春18きっぷの旅に、さあ出かけよう。
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