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大金持ちの脱税にターゲットを絞った国税のプロジェクトチームに意味があるのか?  小笠原 誠治
http://www.asyura2.com/14/hasan89/msg/181.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 7 月 12 日 14:09:25: igsppGRN/E9PQ
 

大金持ちの脱税にターゲットを絞った国税のプロジェクトチームに意味があるのか?
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ogasawaraseiji/20140712-00037323/
2014年7月12日 9時33分 小笠原 誠治 | 経済コラムニスト


大金持ちの脱税や税逃れを監視する「超富裕層プロジェクトチーム」が東京、大阪、名古屋の3つの国税局に設置されたと報じられています。

高度な節税テクニックを利用した大金持ちのによる国際的な税逃れが増加するなか、大金持ちがどんな行動をとっているかその実態を調べて、脱税を防止する狙いがあるのだとか。

どう思います?

もちろん悪いことではありません。税の公平性を確保する意味でも、脱税はもちろんのこと、グレイな節税も可能な限り取り締まるべきだと思うのです。

しかし、そのために今更特別な体制を整える必要があるのか、と言いたい。

遅いのではないのか、と。

それに...幾ら特別なプロジェクトチームを設置しようと、国税の姿勢が変わらない限り意味がないという気もするのです。

私は何を言いたいのか? そう今思っている方もいると思います。

では、言いましょう。

国税局が大金持ちの脱税、特に海外のタックスヘイブンを利用したその種の行為をけん制しようということのようですが...しかし、そもそも脱税や不当な節税の多くには税理士が関与しているのです。そして、そのような悪質な税理士のなかには、国税局のOBが多く含まれているのです。

つまり国税OBの税理士が、大金持ちの脱税に一役買っていることが多いのです。

本日も、そのような記事が目につきましたし...

もう一度言います。国税局が大金持ちの脱税を許さないのは当たり前。そうしてもらわないと困るのです。しかし、その一方で、脱税のほう助をしている国税OBが多いのです。

私が言いたいことの意味が少しずつお分かりになってきたのではないのでしょうか?

そうなのです、私は、どれだけ国税が脱税撲滅のために必死になっているのか、イマイチ真意が分からないのです。

それに、もし、それが本当であるならば、国税局の幹部を務めたような国税OBが企業の顧問になどなったりすることはない筈です。

いるのですよね。何を期待されているのかがイマイチ不明な国税OBたちが。

こうしたOBたちは、企業に天下る訳ではないのです。ですから、テレビや週刊誌の批判の対象になることも少ないのです。

では、何故企業はそうした国税OBを顧問として雇うのか?

それは、税務調査が入ったような場合、そのようなOBを顧問として雇っていれば何かと心強いからなのです。

でも、そうしたOBは何か特別な仕事がある訳でもありません。そして、当別な仕事が期待されている訳ではないので、数多くの企業の顧問に就任することができるのです。

顧問料は1社あたり幾らくらいになるのでしょうか?

大体想像がつくと思います。でも、少なくても月に数十万円ほどにはなるでしょう。ですから、仮に10社の企業の顧問になれば、毎月数百万の収入を確保すことも可能なのです。

そのようなOBの実態を放置していて、何が大金持ち対策だ、と言いたい。

それに、こうして国税当局が「大金持ちの税逃れを許さないと」大上段に構えれば構えるほど国税OBに対する需要が増え...

呆れるでしょう?

消費税の増税に反対する人は、このような根本的な問題にも関心を寄せては如何でしょうか。

以上


 

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コメント
 
01. 2014年7月12日 18:24:33 : jXbiWWJBCA

http://www.nmc-zeirishi.jp/dayori/37kazama.html
国税OB税理士の生きる道 −元国税調査官の得手・不得手−
「税務総合戦略室 室長通信 第四回」
元国税調査官・税理士 風間光裕
税務総合戦略室 室長
元国税調査官・税理士 風間光裕
〈経歴〉
国税局課税第二部
総務部人事第一課
調査査察部 
1965年生まれ 法人税調査と税務職員の評定・指導・監督業務を行う。
税務組織の中枢を経験し、税務署職員の調査手法や思考回路を熟知しており税務調査対策に力を発揮する。

 

 4月中旬、国税局在籍当時のOB会に出席してきました。年に一度定期的に開催され、いろいろな情報交換をしています。ほとんどの方が定年まで勤められた方で、国税局の課長職や大規模な税務署の署長で退官された方が多いので、私はいつまでたっても末席でペーペーのままですが、在職当時は見上げる立場だった大先輩も、同じ税理士同士として対等に接していただけるので恐縮しながらも感謝して懇親を深めています。

 OB会でお話しをお聞きしますと、皆さん在職当時とは勝手が違い、いろいろとご苦労されているようです。長引く不況で会計事務所も新規顧客の減少、顧問料の引き下げなど、抱える問題は多いのですが、それ以外にも国税OBならではの悩みがあります。

帳簿の作成は不得手です

 税理士の主要な業務として、会計帳簿の作成、税務申告書の作成があります。ところが国税OB税理士はこの業務が得意ではありません。なぜなら在職当時行っていた仕事は帳簿を作り上げるのではなく、出来上がった帳簿・決算を「壊す」作業だったからです。帳簿に表現されている取引を否認する、または帳簿に表れていない取引を発見して課税するのが仕事ですから、企業の経済取引を証拠書類から帳簿に記録する業務とは無縁の世界にいたわけです。

 さらに最近は税務調査が完結するのに、当局により課税額を通知する処分(更正通知)が行われることよりも、納税者が自ら修正申告書を作成し提出することにより終了することのほうがはるかに多くなっていますので、国税局の一部の部署を除いては調査官が申告書の作成業務に関わる機会もめっきり減りました。

 また、税務署を定年まで勤め上げたOBの方は、晩年には管理職として部下のマネジメント業務を行うことがほとんどで、実務に携わることは稀です。もともと不得手で慣れないコンピュータを使って、最新の会計ソフトを駆使し、帳簿や申告書を作成するなどは、お手上げ状態というのが実情のようです。

初めての民間企業です

 民間企業の方には笑われてしまう話ですが、恥ずかしながら元公務員はお金の話をするのが苦手です。親方日の丸ですから給料はだまっていても毎月振り込まれますし、昇進・昇給に差はありますが、仕事の結果(例えば調査による追徴税額)が給与にダイレクトに反映されるなどということはありません。学校を卒業してから人生で一度も「営業」というものをしないで生きてきたのです。
 国税局・税務署でも調査だけではなく相談業務を行いますが、当然対価はいただきません。すべて行政サービスの範囲内です。自分のやった仕事にどれほどの価値があるのか、どれほどの報酬がいただけるのか。その感覚がないため胸を張って料金を請求できないのだと思います。

 私も退官して税理士として仕事をするようになった当初は、自分の仕事に対する対価がわからず、自信を持ってお客様に報酬を請求させていただくことができませんでした。
 そんな中、入社して2ヵ月後くらいに、ある顧問先企業様に税務署の調査が入りました。私にとって税理士としての初めての調査立会い業務でした。調査が進み、当初の指摘金額は数千万円、いわゆる見解の相違・グレーゾーンの部分に関する指摘が多く含まれていました。少しでもお客様の税負担を少なくしたいと、調査官の事実認定に反論し、時には激論を交わし、何回か税務署にも折衝のため足を運び……と仕事をし、結果、数百万円の追徴に減額することができました。

 調査が終了し、社長様より『自分の代わりになって税務署の調査官とやりあっている姿を見て感激しました。本当にありがとうございました』とのお言葉をいただき、とてもうれしく感じたのを覚えています。今までの人生で、自分のやった仕事に感謝されて報酬をいただいたのは初めての経験でした(税務当局の頃は仕事をすればするほど恨まれてしまう立場でしたので)。
 それ以後、いろいろな出来事がありましたが、今は誠心誠意良い仕事をして、お客様に喜んでいただき、胸を張って報酬を請求させていただけるよう努力していくことに大きなやりがいを感じています。

 昨年、税務総合戦略室を発足し、数名の国税局OBを採用しました。税務当局をやめたばかりのメンバーに話を聞くと、入社当時の私と同様、やはりお金の話をすることが苦手だそうです。でも、少しずつ自分の仕事を評価していただき、その対価として報酬をいただけることの喜びを実感してきているように思います。

自分の専門外の税務はわからない

 税務署の組織は、個人の所得税に関する業務を取扱う「個人課税部門」、企業の法人税に関する業務を取扱う「法人課税部門」、相続税や贈与税、資産の譲渡に関する業務を取扱う「資産課税部門」などに分かれています。その区分のことを国税組織では【事務系統】と呼んでいます。

 ほとんどの職員は採用され事務系統が決まると、基本的に退職まで同じ系統の仕事を続けます。『税務署に何十年も勤めていたのだから税金のことは何でも知っているだろう』と思われるでしょうが、実はそのようなことはなく、例えば法人税の系統にいた職員に相続税の質問をしても深い部分はよくわからないというのが実情です。

 一般の税理士さんは税理士試験合格のため複数の税目を学びますので、幅広くいろいろな種類の税金の知識を持っているのとは大きな違いです。

国税OBの生きる道

 いろいろと国税OBの不得手な点を書きましたが、先輩諸氏からお叱りを受けそうなので、国税OBならではの強みもお伝えしたいと思います。

 国税OB税理士は、何十年もひとつの税目に特化した仕事を続けてきましたので、その分野においては深い専門的知識を有することになります。さらに国税局の部署には、【情報収集】【法令審理】【消費税】【国際調査】【資産評価】【訴訟業務】【内偵調査】など細分化された専門部署が数多く存在しますので、所属していた部署により、その分野のスペシャリストになる者もいます。「広く浅く」でなく「狭く深く」が国税OBの特徴かもしれません。

 そのような経験を活かし、退官後税理士として仕事を始めた場合に元国税調査官がお客様のお役に立てることを私なりに考えて見ますと、
長年課税当局側で実際に裁量課税を行ってきたので、グレーゾーンに関する裁量の加減(当局がどこまで課税してくるか)を経験知として体で持っている。
数多くの税務調査を経験してきて、様々な経済活動の(課税側の)事実認定を行ってきたので、税務当局の事実認定に対し異なる角度での反証を行える。
組織的な命令系統や税務職員の思考回路・調査手法を知り尽くしているので、最適な調査終結に向けた【勘所】がわかる。
「海外税務」「資産評価」「法令解釈」など在籍していた部署によりそれぞれの専門的知識と得意分野を持っており、一般的なものの本に書いてあるようなことより深度ある節税提案を行える。
といったような点が長所として挙げられるのではないかと思っています。


メンバー全員の経験と強みを活かしたサービスを提供いたします

 私共『税務総合戦略室』には国税局・税務署の様々な異なる部署の経験者が所属しており、個々の税務問題に対しては、メンバー全員でディスカッションし、最適な結論を導き出すような体制を採っています。それぞれ知っていること、知らないこと、得意なこと、得意でないことがありますが、各人がそれぞれ歩んできた個々の専門分野の経験と強みを最大限に活かしていくことで、お客様に今までにない安心と満足を感じていただけるようなサービスをご提供できるよう努力していきたいと考えています。  

http://www.zeirishi-fujix.com/gyoukai.html
税理士の業界事情


国税OB税理士の斡旋制度

  税理士業を税務署等の定年間近に自ら退職して始める国税OBに対し、国税局が顧問先として企業を紹介するという「しくみ」があったのをご存知ですか?全国各地の国税局で行なわれていたのですが、役人の「天下り制度」の中でも最も問題が大きいものの一つであったといわざるを得ません。


税理士の業界事情

 税理士業を税務署等の定年間近に自ら退職して始める国税OBに対し、国税局が顧問先として企業を紹介するという「しくみ」があったのをご存知ですか?全国各地の国税局で行なわれていたのですが、役人の「天下り制度」の中でも最も問題が大きいものの一つであったといわざるを得ません。

 税理士の平均年齢は60歳超といわれ、弁護士など他のどんな士業よりも高齢となっています。税務職員等には一定期間を税務署等に勤務すると自動的に税理士資格が付与されるという特権があり、これにより、税務署を定年退職あるいは勇退(署長、副署長クラスになると定年前に後進へ道を譲るという慣例がある)した税理士が毎年誕生するからに他なりません。この勇退する署長、副署長(指定特官を含む)には、税務当局が退官後に開業する税理士の顧問先をお世話していました。

 税理士としての顧問報酬は、最終ポストによって違いはありますが、地方の国税局長や東京国税局の調査四部長などは、億単位であるとも言われています。事実、元札幌国税局長の大物OB税理士が脱税で逮捕される事件が発生しましたが、そのとき脱税していた所得は7億4千万円にものぼっています。5月の高額所得者番付(現在は制度廃止)に出て目立たないようにするために、当初の申告は少なくして、後で修正申告するという裏技まで使っている大物OB税理士もいたようです。

 税理士を余分に受け入れる余裕のある、毎年黒字決算の上場企業などの一部の企業に斡旋先は限られます。中小零細企業には、そんな余裕はないからです。紹介される顧問先には、通常の会計税務を担当する税理士が既にいるので、いわゆる「2階建て」(税理士が2人いること)ということになります。資本金1億円超の国税局調査部所管の法人などは、申告書、決算書等は自社の経理部で作成してしまうので、申告書に税理士の署名は入っていませんが、2階建てどころの話ではなく、4〜5階建ての高層建築もざらにあります。顧問契約が基本的に2〜3年となっているのは、それ以上居座ると後がつかえてしまうからです。しかし最近は、しがみついてなかなか顧問先を離さない人も少なくないようです。

 税理士としての勤務実態は、月額5万円から多いものだと20万円以上の高額な顧問料を受取りながら、年に1度か2度、顧問先と顔を合わせるだけといったものが少なくありません。国税OB税理士には、顧問料を2年間銀行に振り込んでもらうだけで、会社には一度も顔をだしたことはないという人がかなりいます。極端な場合だと、顔さえ知らないこともあるようです。決算や税務相談を担当する本当の?顧問税理士のほかに、このような実体のない国税OB税理士を何人も抱えることが、上場企業では当り前になっています。役人を利するだけの極めて不透明なこの制度は、ある種の「税金」だと云えるかもしれません。

 税理士の斡旋を、税務調査という国家権力を背景とする当局から打診された(押付けられた?)場合、普通の納税者の心理として、果たして断りきれるものでしょうか?真意は別としても「断れば税務調査を通じて圧力が加えられるのでは・・・」と恐れてしまうのが素直なところでしょう。また、自ら積極的に国税OB税理士の斡旋を受け入れている納税者がいるとすれば、彼らはどのようなメリットを期待しているのでしょうか。税務調査の際に手心が加えられ「黒いものでも白くなる」のであれば、それはそれで大問題です。このあたりにも不透明感が漂っていると云わざるを得ません。

 税理士の斡旋について、当局は「定年前に勇退してもらうので2年間の生活を補償するものだ」と説明していました。元署長や副署長を税理士として雇っておけば税務調査のとき融通が効くのでは、という民間会社の思惑とも合致しているわけです。どうも、端からみると税務調査での透明性にも問題がでてきます。国税OB税理士から資産税の現役調査官に賄賂が贈られるとういう事件がありました。国税OB税理士と現役調査官の関係は先輩後輩の関係ですから、気の緩みからこういうことが起こったのでしょうか。

 「税理士の斡旋として退官する元署長や副署長を紹介した会社を税務調査する場合であっても、何らの便宜も図られていない」と税務署が釈明しても、第三者的立場からみれば、税務調査の信憑性に疑問が生じてくるのが自然です。優良法人等を代々引き継いでいくのですが、それだけでは足りず、例年4月以降に調査法人に対して国税OB税理士のはめ込みに廻ることになります。このときに国税OB税理士はめ込みの見返りに、何らかの条件(優良法人にするとか、調査税額をまけてやる)を提示しているのでは、と勘ぐられても仕方がないでしょう。

 税理士を国税局というお上を窓口にして企業に斡旋しなくても、税務職員が長年に渡って培った「専門の知識」に対してのニーズがあれば、納税者側から自然と顧問税理士としてのお呼びがかかるものです。現に、ある商社の国際課税部門では、国際税務担当だった国税局OBを年収数千万円の特別待遇でスカウトしています。これだけの給与を支払ったとしても、数十億円、数百億円の単位で発生する国際課税の問題を回避できるのであれば、充分に費用対効果があると判断しているのでしょう。

 税理士という立場にあたる職業に税務署の元職員がつくことを国によっては法律で禁止しているところさえあるのです。これは、ひとえに透明な税務行政を実現するために他ならず、問題の原因を根っこから排除すべきであるという確固たる考え方に基づいているのです。いわんや、税務当局が元職員の税理士に顧問先を斡旋するなどは論外のはずなのです。

 税理士の斡旋という制度は「ほんとうに公正な税務行政が行なわれているのだろうか」という疑いを持たれても仕方がなく、規制緩和や情報公開という時代の流れに逆行しているのは明らかであり、既得権益を守るためにはなりふり構わぬという当局の姿勢が見え隠れするものでした。

 税理士の斡旋制度は、このように何かと問題が多く、民主党は野党であった時代からこの国税OB税理士の斡旋制度を問題視してきました。民主党がマニフェストに官僚天下りの廃止を打ち出し、そして政権与党となると、国税サイドも斡旋制度廃止の具体化に向けてようやく動き出し、ついに廃止となるに至りました。

 税理士斡旋が廃止されて全てが万事解決か、というと、この問題はそれほど単純ではありません。「むしろ当局による税理士斡旋が廃止されたことで、問題の本質がより深刻化するのでは」と事態を危惧する声すらあります。それは、税務職員の私的斡旋が復活してしまうのではないか、という懸念があるためです。

 税理士を開業している国税OBのために、在職中の税務職員が顧問先を紹介する私的斡旋は禁止されています。もちろん、現役職員が自分が税理士になったときに備えて、在職中に顧問契約の約束をすることもできません。とはいえ、このような税理士の私的斡旋は水面下で行われてきた、というが実態のようです。先輩から後輩へと顧問契約が私的に受け継がれているのです。

 「税理士を探している会社に対して知り合いの税理士(国税OB)を紹介した」というだけで、紹介した税務職員には形式的には直接のメリットは何もないようです。では、なぜ、後輩(現役税務職員)による先輩(国税OB税理士)の紹介が問題になるのでしょうか。自分が税務署を退官して税理士として開業するときに、この紹介した会社を顧問先として譲り受けることが国税OB税理士との間で予め約束されているので、国税OB税理士の紹介は、実は自分の顧問先を開拓しているのと同じなのです。税理士を開業中の国税OBから、退官して税理士を開業する税務職員へと顧問先が譲り渡されても、「本人の意思で契約した」と主張されればそれまでのことになります。

 税理士の私的斡旋が根絶されなければ、国税局人事課による斡旋制度を廃止した意味がないどころか、実態が水面下に隠れてしまうため、問題はより深刻化してしまうのです。

 税理士斡旋を国税局人事課が一元管理することは、水面下での私的斡旋を通じて税務職員と民間会社とが癒着してしまうことを回避するための「必要悪」であったといえるかもしれません。税務職員も人の子ですから、生活していくためには背に腹はかえられません。将来の顧問契約獲得の活動がエスカレートして「顧問契約獲得の見返りに税務調査に手心を加える」という流れになってしまうのは、ある意味、必然といえるでしょう。このようなことが常態化すればそれこそ大問題です。

 税理士としての顧問先を国税局人事課から斡旋されることが約束されているのであれば、税務職員側としても将来の顧問先獲得の心配をする必要はなくなるので、違法というリスクを冒してまで水面下で私的斡旋をしなければならない理由もありません。また、当局側としても、実態を目の届くところで適切に管理することが可能になり、「顧問契約獲得の見返りに税務調査に手心を加える」という大失態を心配する必要もなくなるので、両者にとって、この顧問先斡旋制度は悪くないものだったのです。

 しかし、この制度はもう機能しなくなりました。決して役人を擁護する立場ではありませんが、役人バッシングだけをしても、問題の根本的な解決は図れません。公正な税務行政を実現させるためには、どうすればよいのかを真剣に考えることが求められています。


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