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アベノミクス相場初の「5日続落」で潮目は変わるか 証券部 南毅
http://www.nikkei.com/markets/features/30.aspx?g=DGXNMSGD11H0A_11072014000000
2014/7/11 17:51 日経新聞
「あとから振り返ると今日が潮目の変化と言われるかもしれない……」。11日の東京株式市場では市場参加者の一部からこんな声が漏れた。
この日の日経平均株価の終値は前日比52円43銭(0.34%)安い1万5164円04銭。これで5日続落だが、日経平均の5日続落は実は「アベノミクス相場」始まって以来、初めてのこと。2012年11月14日に野田佳彦首相(当時)が衆院解散に踏み切る発言をした前日までの7日続落(11月5日〜13日)以来のことだ。
この日のさえない展開の主因は、ポルトガルの銀行で経営不安問題が表面化し、欧米株が下げた前日からの流れだ。円相場が1ドル=101円台前半と2カ月ぶりの円高・ドル安水準に振れたため、電気機器や自動車が売られた。業種別日経平均で見ると電気が0.48%、自動車が0.43%下落した。
だが、外部環境に加え、日本株固有の弱材料を気にする海外投資家が増えている、という証言もある。クレディ・スイス証券の白川浩道チーフ・エコノミストは言う。「海外ヘッジファンドから『日本の景気は本当に回復するのか』、『安倍政権は本当に盤石なのか』という質問を受けることが増えた」
家計調査や機械受注の5月の統計で、これまで「想定内」と言われてきた消費増税後の反動減が思わぬ大きさで表れたことが原因だ。10日に発表された機械受注統計では「船舶と電力を除く民需」が前月比19.5%減と大きく落ち込んだ。統計が遡れる2005年4月以来最大だ。
「下落」は経済統計数字だけでない。安倍政権への信認も下落している。日本経済新聞社とテレビ東京の6月の調査で安倍政権の不支持率は36%と、政権発足以来最も高くなった。もともと外国人投資家には不人気な安全保障政策などに傾注した揚げ句、支持率も下落しているとあっては「来年秋予定の消費税率再引き上げや法人税減税が困難になるのでは、との懐疑論が広がりやすく、そうなると日本株は売られやすい」(クレディ・スイスの白川氏)というわけだ。
とはいえ、現段階では相場が大きく下げるという見方は、なお少数派だ。5日続落とはいえ、この間の下げは273円程度で下落率は1.77%にとどまる。足元の下落で東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)が107%と、「過熱」を示す120%をようやく下回ったことで「相場の過熱感は薄らぎ、買いゾーン圏内に入った」(国内証券)との声も出ている。
実際、この日も下値では個人投資家らの物色意欲は旺盛だった。2014年4〜6月期の連結営業利益(米国会計基準)が前年同期比1割増と伝わったキヤノンは2%高、眼鏡専門店チェーンのジェイアイエヌは、3〜5月期連結純利益が51%増との前日発表を受けて、15%上昇した。ジャスダック市場に前日上場した焼き鳥店チェーンの鳥貴族はストップ高まで買われ、終値でも17%高。「企業業績の上振れや新規上場の動きに期待して素直に買うという、個人投資家の物色意欲は根強い」(マネックス証券の金山敏之シニア・マーケット・アナリスト)との指摘は多い。
市場関係者の多くは、企業業績の回復や政府の成長戦略に期待し株高、というのが基本線の見方。下がれば年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)ら年金筋や日銀が買ってくるはずとの見方も支えだ。だが、この5日続落で株価チャート上は、下値支持線となってきた25日移動平均を約1カ月半ぶりに割り込んだ。潮目変化を気にする声がジワリ増えていることもまた事実だ。
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