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米FOMC議事録の中の日本
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52611836.html
2014年07月10日 在野のアナリスト
昨晩、発表された6月のFOMC議事録には、少し衝撃的な内容が載っていました。10月には量的緩和を終了、利上げ時期に言及はなく、FRBが保有する証券の再投資について、利上げ後にも行う、つまり新規の買いは10月で終了しても、再投資分は利上げ後も継続させる可能性がある、と言及し、米国ではそれを好感した株買いとなりました。しかし、ある理事の発言として、世界経済の不透明要因の中に、中国と日本の景気が挙げられたのです。それは不動産バブルの崩壊が指摘される中国と、日本が同列に扱われた。これは非常にショッキングなことだと言えます。
それを示唆するのが、5月機械受注統計で、国内民需が19.5%減と比較可能な05年4月以来最大の落ち込み幅、となりました。あらゆる調査でも、今年度の設備投資計画は昨年より増加する、とされていましたが、実態はどうも計画通りでないらしい。官公需は22.4%増と支えたものの、外需は45.9%減。外需については4月が大幅高で、反動減の面は否めませんが、それにしても4-6月期は家計、企業ともに総崩れの様相であり、これを一時的とするには理論武装が足りません。
一方で、6月消費動向調査で、消費者態度指数が1.8pt改善し、41.1になったことを消費マインドが強い、と指摘する向きもありますが、これは何度も言うように「良くなる、やや良くなる、変わらない、やや悪くなる、悪くなる」と五択であるため、前月から悪くなるから、変わらないが増えたら、それだけで数値が改善します。事実、前年同月比では3.2pt減であり、昨年並みの水準にもどったわけではない。しかも、これだけメディアが好調との記事を流せば、ムードに流されて回答してしまう恐れもある。経済の専門家でさえ、国民を誤誘導しているのが現状なのですから。
最近、リフレ派の識者がやたらと自分たちの成果、を誇る記事を目にします。これは自分たちは成功した、ただし消費税増税により失敗に終わった、という理論武装を始めたためなのでしょう。しかし昨年とて、円安駆け込み需要、増税駆け込み需要の二つが乗った結果であり、リフレ派の語る成功は、その二つがなければ効果は限定的だった、と指摘できるものです。そしてこれは全体に当てはまり、昨年はすべてが上手くいく流れであって、今年はその逆回転が起きている、ということなのです。なので、米FRBからも「不安」という指摘がされてしまうことになります。
日本では6月末までの公的年金買いが顕著で、市場を下支えしましたが、7月に入ってからは日銀のETF買いが下げを拒否している。しかし市場の健全な動きとは異なるため、いずれ大きな変動を生み易くさせている、と指摘できてしまいます。FOMC議事録でも、ボラティリティの低下を懸念要因、として挙げるほどであり、日本ではそんな認識もなく、ボラティリティが低下しても市場を高く誘導させておけばよい、といった悪しき認識で、日銀や年金が行動している、異常事態です。
内閣府は消費動向調査について、判断を上方修正しています。経済指標をみても、リーマンショック後と同じ、東日本大震災後と同じ、比較可能の中では最大の…といった悪い経済指標が並ぶ中、のん気に景気は良好、いずれ回復する、と唱える日本政府と、ボラティリティ低下を望んで市場を高値誘導する、日銀をはじめとした公的資金が、日本の最大の不安要因として米国でも認識されているのかもしれません。中韓の手法を真似ることの多い安倍政権が、中国のような経済指標を操作する、といった禁断の手法に手を染めることも、今後起こりうるのかもしれません。株価を気にして、操作する政権だけに、徐々に経済指標への信憑性が揺らいできた、と言えるのでしょうね。
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