http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/905.html
Tweet |
完成する前に購入する方法は、リスクと隣合わせでもある(写真と本文は関係ありません)
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140706/ecn1407060830002-n1.htm
2014.07.06 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司
新築マンションというのは、考えてみれば不思議な商品である。何千万円もする高額商品であるにも関わらず、多くの方が実際のモノを見ずに購入契約を結んでしまう。頭を平明にして考えれば、かなり異様なことではないか。
購入契約を行う前には必ず、「重要事項説明」という儀式がある。重要事項説明書という書類を宅地建物取引主任者が端から端まで読み上げるのである。だいたい、契約書を交わすのと同じ日に行われることが多い。
この重要事項説明には、必ず購入契約を結ぶ住戸の図面が添付されることになっている。つまり「あなたが××××万円を払って購入する住戸は、この図面の通りに仕上がったものですよ」ということを証する物が、その図面なのである。
これは、そのマンションのパンフレットとともに渡される図面集であることがほとんどである。何千万円もの対価を払う住戸を、その図面が担保しているようなものだ。
一方、購入契約では「手付金」が必要になる。購入価格の1割程度であることが多い。法的に決められた上限は2割。下限はないので、いくらでもOK。マンションが売れない時期には5万円とか10万円で契約を結ぶケースもある。今は販売側が強気なので、まず1割だろう。
そしていよいよ購入契約を結んだ物件が竣工する。引き渡しの前には「内覧」がある。図面通りに施工されているかどうかを確認する機会だ。
この時に、専門家に内覧同行を求めるべきであるということは以前に書いた。図面通りの施工がなされていなかったり、さまざまな不具合を建築や不動産の専門家に指摘してもらい、補修を求めるのだ。
しかし、建築上の不具合以上の問題が見つかる場合もある。例えば「ええっ、こんなに暗いの!」とか、「隣の建物と近すぎる」というようなこと。日照や眺望の問題は、実際の住戸に入ってみて実感できることが多い。
もちろん、図面上でもある程度は確認できる。日影図なども用意されているので、理論的なことは図面で理解できるはずだ。だが、実際の感覚とはずれる場合が多い。
そもそも、実物を見ないで何千万円もの購入契約を結ばせるマンション業界の商習慣はおかしいと思う。これは、世の中の住宅が絶対的に不足していて「買いたくても買えなかった」時代の遺物だ。
売る側は「売ってあげる」。買う側は「買わせてもらう」という売り手市場時代の名残といっていい。
賃貸住宅での「礼金」という習慣は、今や消滅しかけているが、新築マンションも「図面だけで契約を結ぶ」=「青田売り」という販売側の都合100%の習慣を改めるべきではなかろうか。
すでに、日本全体で住宅は余っている。売り手市場ではなく、買い手市場のはず。しかし、なぜか「青田売り」だけは継続している。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。