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シニアの住み替え狙い目は「中古」「1階」「エレベーターなし」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/151569
2014年7月4日 日刊ゲンダイ
60代になると子供が独立し、家族が少なくなる。しかも、定年と同時に収入はガタンと減る。そこで、大きく変化するのがマイホームの価値観だ。「広く、快適」ではなく、「小さくても、管理費を安く」という考えが求められるのだ。
「この低層マンションは私にとって“幸運の出発点”でした」
3年前の2011年。止まらない不況に、リストラが自分の会社にも及ぶと読んで、広めのマンションを売却、低層住宅(70平方メートル)に移った中村剛さん(仮名、61歳)の素直な感想だ。
バブルとデフレの両時代を経験した中村さんは不況と好況の波に、ビジネスマンがローン破滅する姿を数多く見ていた。
それで、いずれ定期収入が途絶え、年金だけで暮らすことを想定して住宅コストを下げることを考えた。京王線府中駅に近い100平方メートルのマンションを、損を覚悟で2800万円で売り、京王線高幡不動駅から徒歩5分の5階建て低層マンションの1階の70平方メートルの物件(リフォーム済み)を約1900万円で購入した。
この時点で、ローンがほぼ終わっていたので、約700万円近いカネを残せたという。中村さんが低層マンションを選んだのは持ちガネを減らさないという理由以外にもうひとつある。
月々20万円程度の年金生活を想定した場合、エレベーターのない低層マンションは管理費や修繕積立金などのハウジングコストが安価で“お得”だったからだ。
■毎日のようにチラシ
中村さんが購入した5階建てのマンション群が完成したのは1973年。3DK、平均の広さが70平方メートル。築41年になる古いマンションに「売り物件を求める」チラシが毎日のように入る。
駅前の不動産屋は「駅に近くて、しかも安いから人気がある」と説明するが、完成と同時に移り住んだ別の住民は、こう説明する。
「人気の理由はここへ引っ越す人が多いのではなく、同じマンションの4〜5階から1階へ移ることを希望する人が多いからです。若い時は苦にならなかった階段の上り下りが年齢を重ねるとつらいのでしょう。健康を損ねるとつらさが一層強まる。それで、エレベーター付きのマンションに移る人も出ています」
ところが、エレベーター付きのマンションは管理費が少ないところでも1万円ぐらいアップする。その点、ここの管理費は約9000円。修繕積立金を含めても、2万2000円と安い。そのためよそへ移るのでなく、1階への引っ越しを希望するというのだ。
中野区で小さな不動産屋を営んでいた吉田正さん(71歳)も言う。
「人は加齢と共に体力が弱まりますから一戸建てであれ、マンションであれ、住まいの維持が難しくなる。そのため、管理がラクなマンションに移る人が多いが、忘れてならないのはマンションを維持する費用なのです」
ところが、それを考えずに住み替えて後悔するシニアも多い。
郊外の一戸建てから近くのタワーマンションに住み替えた野田陽平さん(仮名、60歳)夫婦は、毎月2万2000円の管理費に8000円の修繕積立金を支払っている。
ところが、規約上5年ごとに修繕積立金が1万円上昇、最終的に管理費が4万円を超えることに不安を感じているという。
「娘家族が遊びにくることを考えて少し広めのマンションを購入しましたが、失敗でした。今は私の公的年金+企業年金で大丈夫ですが、私が死んだら妻の年金だけでは毎月のマンション維持費は払っていけないでしょう」(野田さん)
「起きて半畳、寝て一畳」。そのことわざに耳を傾ければ、エレベーターなし、低層住宅は良い選択に違いない。
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