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国民年金収納委託業者116事務所で納付目標達成0で免除は114(週刊ポスト)
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/827.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 7 月 03 日 16:13:16: igsppGRN/E9PQ
 

国民年金収納委託業者116事務所で納付目標達成0で免除は114
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140703-00000013-pseven-soci
週刊ポスト 2014年7月11日号


 厚生労働省は国民年金の「納付率を高める」という目標を達成するために、何と「免除者数を増やせ」というとんでもない指示を出していた。6月23日、厚生労働省は2013年度の国民年金保険料納付率が「60.9%」となったことを発表した。

 週刊ポスト7月4日号の記事では、その厚労省発表の納付率が大ウソであることを指摘した。一般には公開されていない同省の資料には、2012年度の表向きの納付率は59.0%ということになっているが、「本当の納付率」は39.9%と4割以下に落ち込んでいることが記されていた。

 そのカラクリは、保険料納付の免除者(384万人)や学生などの猶予者(222万人)を増やして、分母(納付すべき人)から除外することで見かけの納付率を上げるというもので、保険料の収納事業を委託した民間業者に対し免除の目標値を指示していたのである。

 構造的・組織的に「免除」が優先されていることを示す動かぬ証拠がある。業者の活動の「結果」が雄弁に物語る。

 委託された業者が未納者にアプローチした結果、目標をどれくらい達成できたかを示した数字がある。厚労省が6月23日に2013年度の納付率を発表した際に、参考資料として公表した数字だ。

 2012年10月に民間業者が事業を開始した116年金事務所のうち、現年度の年金保険料を納付させる目標が達成できたのは、なんと「0事務所」。一方、「免除等」の目標を達成できたのは114事務所にのぼった(2013年2月開始分では196事務所中、目標達成14に対し未達成182、「免除等」は達成183、未達成13)。

 月数・件数ベースでの達成率を見ても、同時期に事業を開始した116年金事務所での保険料納付月数は80.6%と目標を大幅に下回ったのに対し、免除件数は114%と目標をしっかり達成している。

 厚労省は本誌取材に、「免除を増やすという政策は取っていません。免除申請できるのに制度を知らない方には、その点をお伝えしています。が、基本的には未納の方に納付していただくという活動です」(年金局事業管理課)というが、それならばなぜ「免除」に目標値を設定し、そちらばかりが目標を達成しているのか。元年金事務所幹部はこう証言する。

「上からは、とにかく納付率を上げろとハッパをかけられている。よほどのバカでなければ、そのためには支払いを求めるより免除者を増やすほうが早いとわかります。

 訪問前に一応、支払ってほしいという督促状は送っているが、現場では『免除というお得な制度がありますよ』と勧めているのが現実です」

 ある民間業者に所属して未納者を訪問している女性もこう明かす。

「1日に20〜30件くらい、月に800件ほどの未納者を回っています。会社からは1日3件は免除申請書類を取ってくるように指示されています。時給1000円ほどで、ノルマ以上に書類を取ってきても歩合給をもらえるわけではないのですが、逆に1日3件達成できないと厳しく叱責されます。

 未納者の方に『払ってください』というと門前払いされるか、払えない理由を延々と聞かされるだけ。会社からも免除を強調するようにいわれています」

 だから未納者に払う能力や意思があったとしても「免除」が先走り、その目標ばかりが達成されるのだ。

 本当に免除が必要なほど困っている人に制度を知らせることは重要だが、それと同様に「どうすれば払う能力や意思がある人から支払ってもらえるか」を具体的な政策として作り出すことこそが年金官僚の仕事であるはずだ。それすらせずに、彼らは未納者を回るという面倒な仕事を民間業者に丸投げしただけではないのか。

 免除期間があれば、その分だけ将来の年金は減額される。仮に本人の収入は低くとも親や親戚などの援助を受けて納付できる可能性があるかもしれないのに、政府はそれを無視して老後の収入の柱を奪っていることにもなる。


 

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コメント
 
01. 2014年7月03日 16:36:26 : nJF6kGWndY

生活保護バッシングと同じ構図で

免除者バッシングを始めようということか


02. 2014年7月04日 06:09:32 : nJF6kGWndY

とは言え、現実を見ず、対策を考えずに批判だけしていても、ほとんど意味はない

http://diamond.jp/articles/print/55566 
出口治明の提言:日本の優先順位
【第119回】 2014年7月4日 出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長兼CEO]
年金財政検証をどう読み込むか――
本当に重要なことは良い政府と経済成長
 政府は、2014年の年金財政検証の結果を公表した。年金財政検証とは、人口や経済の動向を勘案して少なくとも5年ごとに、財政見直しの作成及びマクロ経済スライドの開始・終了年度の見通しの作成を行い、わが国の年金財政の健全性を検証する目的で行われているものである。そして、次の財政検証までに所得代替率(現役世代の平均手取り収入に対する年金受取額の比率)が50%を下回ると見込まれる場合には、給付及び負担の在り方等を含めて別途検討を行い、所要の措置を講ずるものとされている。今回は2014年財政検証の結果を骨太に分析してみたい。

これほど精緻な前提を置いて
財政検証を行う必要があるのか

 はじめに、2004年に改正された現在のわが国の年金財政のフレームワークを確認しておこう。主要な柱は次の4つである。


出所:第 21回社会保障審議会年金部会 平成26年6月3日 参考資料1-1
 そして、これを図示すれば次のようになる。


出所:厚生労働省HP「年金制度をより理解するためのファクトシートA」
 ところで、今回の財政検証の結果をチェックする前に、諸外国で年金の財政検証がどのような前提の下に行われているかを見ておこう。諸外国の公的年金の財政見通しに用いる経済前提を見ると、わが国(前回の財政検証時:今回は更に精緻化)がもっとも精緻に数字を積み上げていることがうかがえる。


出所:第 20回社会保障審議会年金部会 平成26年3月12日 参考資料1  拡大画像表示
 1年先の経済見通しでさえなかなか当てるのは難しい昨今、100年の見通し計算を行う上で、果たしてこのような精緻な経済前提を置くことにいかほどの意味があるのだろうか。政府の貴重な経営資源(優秀な官僚)をこのような試算に費やしていいものだろうか。そもそも財政検証自体が、「こういう前提を置けばこうなる」といった大まかな道筋を示すものに過ぎないのであるから、私見では、ドイツ並みで十分だと考えるが、どうか。

 今回の財政検証についてメディアの報道ぶりを見ると、前提となる経済前提が「甘い」などといった批判が圧倒的に多い。子細に詰めれば、それはその通りであろう。しかし今回は8ケースを用意し、経済成長率がマイナスのケースも2ケース試算している。大局的に見れば、それで必要十分ではないか。誰も遠い将来のことはよく分からないのだから、「こういう前提を置けばこうなる」という道筋が分かればそれでいいのだ。というか、財政検証とは本来そういう性質のものであって、それ以上でもそれ以下でもないのだということを、まずリアルに認識する必要があろう。

ポイントは経済成長と
良い政府であることが改めて確認された

 今回の財政検証は8ケースに別けて試算が行われているが、その骨子は概ね以下の通りである。


※1 2024年度以降20〜30年
※2 人口の前提は中位推計(出生中位、死亡中位)
※3 所得代替率が50%を下回る場合は別途給付及び負担の在り方について検討を行うこととされているが、仮に財政のバランスが取れるまで機械的に給付水準調整を進めた場合の数値
 この結果をどう読むべきか。まずケースA、B、C、D、Eの場合は、そこそこの経済成長があれば、年金は持続可能であるというごく当たり前の結論を示しているに過ぎないのではないか。所得代替率は現状に比べれば低下するが、わが国の急激な高齢化に鑑みればある程度はやむを得ない面がある。むしろ、政府の公約である50%を維持していることを多とすべきだろう。

 これに対して、経済運営が上手くいかないケースF、G、Hの場合は(G、Hはマイナス成長である)保険料を引き上げるか(年金は負担が即ち給付であるから、負担を増やせば給付は増える)、みんなで選挙に行って良い政府をつくって(即ち分配が上手な政府)負担を分配する際に工夫を凝らすしか方法はない。誰しも保険料の引き上げは好まないので、まず工夫を凝らすことから検討を開始することは理の当然であろう。

 そもそも、次の図を見れば明らかなように、わが国は「少負担・中福祉」の国である。


出所:内閣府「我が国財政の現状と課題」2013年4月22日 拡大画像表示

出所:内閣府「我が国財政の現状と課題」2013年4月22日 拡大画像表示
 もともとの負担と給付のバランスが崩れているのだから、ある程度の経済成長を実現しない限り給付が厳しくなるということは、実はごく当たり前のファクト(あるいは必然性)にすぎないということをよく理解すべきである。

 ところで、平均寿命は確実に延びておりそれに伴って健康寿命も延びているので(2010年で男性70.42才、女性73.62才)、健康寿命を1つの目安にして支給開始年齢を引き上げてはどうかという意見がある。しかし、わが国の年金は受給開始年齢を引き上げると、その分月々の給付額が上がる仕組みになっているので、年金財政上の効果はプラスマイナスゼロになってしまうことに留意しなければならない。

 また、豊かな高齢者にそもそも年金を支給する必要があるのかという意見もある。一般論として社会保障には普遍主義(所得等にかかわらず全員に給付)が適しており、選別主義(受益者を所得等によって特定)はなじみにくいということは重々承知しているが、世界で最も急速に高齢化が進展しているわが国においては、選別主義の一部適用を検討する価値はあるように思われる。

 即ち年齢を年金の支給要件とするのではなく、「年齢かつ一定の資産・所得を有しないこと」を支給要件とするという考え方である。将来的にはマイナンバーを上手く活用して資産・所得と紐付ければ、所得税負担の公平性(クロヨンやトーゴーサンの撲滅)を担保することにもつながるので十分検討に値する政策の1つだと思われる。

オプション試算はとても有益
進むべき方向は自ずと明らかに

 ところで今回の財政検証にはオプション試算が含まれている。ここに「工夫を凝らす」大きなヒントが示唆されており、とても興味深かった。オプションTは物価・賃金の伸びが低い場合でもマクロ経済スライドによる調整がフルに発動される仕組みとした場合である。


(注)人口の前提は中位推計(以下同様)
 オプションUは、被用者保険のさらなる適用拡大を行った場合であり、U-@は週20時間以上の短時間労働者に適用した場合である(約220万人拡大)。そしてU-Aは一定以上の収入(月5.8万円)のある全雇用者に適用した場合である(約1200万人拡大)。平たく言えば、オプションUは、国民年金から厚生年金への移行を更に進めるという選択肢である。とりわけ、U-Aの場合は改善効果が大きくなる。


 オプションVは、高齢期の保険料拠出がより年金額に反映する仕組みとした場合、即ち納付年数の上限を現在の40年(20〜60才)から45年(20〜65才)に延長し、納付年数が伸びた分に合わせて基礎年金が増額する仕組みに変更した場合である。


 以上のオプション試算を見れば、わが国の年金が進むべき方向は自ずと明らかになったと言えるのではないか。とりわけ、政策効果が数字ではっきりと示された意義は大きいと考える。

 即ち、マクロ経済スライドをフル発動することは、公平性の観点からも理の当然として、次に取り組むべきは、被用者保険の更なる適用拡大と納付年数の長期化(40→45年)であろう。オプションU-AとVを組み合わせれば、改善効果は格段に大きくなる。とくにオプションU-A(被用者保険の適用拡大)は、これが実現されれば、3号被保険者の問題が同時に解決に向かうという大きなメリットがある。

 最後にあと3つの論点について簡単に述べておこう。まず年金と言えば必ず言挙げされる「世代間格差」の問題について。この問題を論じる上で忘れてはならない最大のポイントは、デモグラフィ(人口統計学)上の、即ち人口構成の変化(少子高齢化)による格差とそうでない格差を峻別することである。

 デモグラフィ上の変化以上にある特定の世代に優劣(格差)が生じていれば、それは不公平であり正さなければならないが、そうでなければ、むしろそれは極論すると、少子高齢化という言葉を世代間の不公平と言い換えていたずらにアジテートしているだけではないのだろうか。もちろん、このことは、政策としてデモグラフィの変化を緩和する選択肢をすべて否定するものではない。

 もう1つは年金の「積み立て方式」という幻想についてである。政府は本来税金等(負担)を上手く分配(給付)するのが本分である。政府が年金を積み立ててそれを管理するというのは大きな政府に向かうことであり、政府に運用という新たな仕事を付与することである。

 ところで、昨今、民間では年金運用はどうなっているのか。運用難で厚生年金基金はこのところ陸続と解散の一途を辿っている。民間で上手くいかない仕事を政府に付与して果たして上手くいくのだろうか。この単純な事実が「積み立て方式」という幻想が決して解決策にはならないことを何よりも雄弁に物語っていると考えるが、どうか。

 3つ目は、冒頭に述べた現在の年金財政のフレームワーク自体を根本から見直してはどうかという意見について。すべての常識を疑い、原点に立ち戻って根本から考え直すという営為そのものはとても大切なことだ。ただそのことと、現存する社会制度をどのようにマネージしていけば相対的にロスが少なくて済むかということは、別問題であり、かつ両立は十分可能だと考える。年金制度について言えば、マクロ経済スライドのフル発動をはじめとして、(オプションに示された)いくつかの有益な工夫をまず凝らしてみることが先決ではないか。やるべきことをやらずして、現状のフレームワークを根本から見直すというのは、いわば批判のための批判であって、いかにも策がないと考えるが、どうか。

 今回の財政検証についてメディアの報道を見ていると、相も変わらず危機感を煽る見出しが多い(例えば「揺らぐ年金 世代格差鮮明」など)。危機感を共有することはとても大切なことではあるが、木を見て森を見ないようであってはならない。年金問題については当コラムでも前に述べたことがあるがニコラス・バー教授の指摘が全てを物語っている。今回の財政検証は、ニコラス・バーの見事なまでの一言、「本当に重要なことは良い政府と経済成長」を見事なまでに裏付けた結論となったのではないか。

(文中、意見に係る部分は、筆者の個人的見解である)


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