04. 2014年7月03日 19:34:14
: niiL5nr8dQ
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0F80A920140703 家計の景況感が悪化、先行きは改善見通し=6月日銀生活意識アンケート 2014年 07月 3日 17:16 JST [東京 3日 ロイター] - 日銀が3日発表した6月の「生活意識に関するアンケート調査」(第58回)によると、景気が「良くなった」との回答から「悪くなった」との回答を引いた景況感DIがマイナス10となり、前回3月調査から悪化した。 暮らしに「ゆとりがなくなってきた」などの回答も増えており、4月の消費税率引き上げが家計の圧迫要因になっている可能性がある。 一方、先行きの景気見通しを示す1年後の景況感DIは改善している。 景況感DIは前回調査に比べて3.6ポイント悪化のマイナス10.0となった。前回調査では3期ぶりに改善を示したが、再び悪化に転じた。 現在の暮らし向きについては「ゆとりが出てきた」との回答が3.9%に低下する一方、「ゆとりがなくなってきた」との回答が43.7%に上昇した結果、暮らし向き判断DIはマイナス39.8と前回調査から6.3ポイント悪化した。悪化は3四半期ぶりで、4月の消費税率引き上げの影響が出ている可能性がある。 一方、収入については、「増えた」との回答が9.2%と2007年3月調査の9.7%以来の水準に上昇。1年後については「増える」との見通しが8.3%に小幅低下したが、「減る」との回答が35.8%と2013年6月の過去最低の32.3%に次ぐ低水準になっている。景気も1年後の景況感DIはマイナス15.3と4四半期ぶりに改善している。 消費増税の影響を除いたベースでの物価に対する実感は、足元の物価上昇を反映し、1年前に比べて「上がった」との回答が71.3%(前回69.3%)となり、2008年12月の86.6%以来の水準に上昇。1年後についても「上がる」との見方が80.6%(同79.9%)に上昇した。5年後は小幅低下の82.4%(同82.9%)が上昇を見込んでいる。 また、想定する具体的な物価上昇率は1年後が平均でプラス4.2%(同プラス5.0%)、中央値がプラス3.0%(同プラス3.0%)。5年後が平均プラス3.5%(同プラス4.0%)、中央値プラス2.0%(同プラス2.0%)だった。 *内容を追加して再送します。 (伊藤純夫 編集:吉瀬邦彦) http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKBN0F70C520140703 コラム:米長期金利とドル円の一段高は来年に持ち越しか=竹中正治氏 2014年 07月 3日 17:47 JST 竹中正治 龍谷大学経済学部教授 [東京 3日] - 昨年12月末から今年初めにかけて3.0%前後まで上昇した米10年債利回りは、その後2.4%台まで低下、現在は2.5―2.6%で推移している。米長期金利のこの低下をしきりと不思議がり、米国経済の長期的な衰退の兆候ではないかという議論がこの春以来、一部の市場関係者やエコノミストの間で繰り返されている。 しかし、私には不思議でもなんでもない。極めて自然なことで、むしろあのまま3%を越えてするすると長期金利が上昇したとすれば、そのほうがよっぽど特異なことと言うべきだろう。 前回5月28日付のコラム「量的緩和、最後で最大のリスクは中銀の巨大損失」(here)で述べた通り、米国の趨(すう)勢的な実質国内総生産(GDP)成長率が3%強から2%台半ばに低下している点は私も異論はない。ただし、その主因はかねてより見込まれていたベビーブーマー世代の引退による労働力成長率の低下に他ならない。 一部新聞の論説を読むと「金融危機の後遺症」とイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が話したというが、2008年の金融危機と不況による家計や金融機関のバランスシート調整はマクロで見る限り、損失の償却とその後の資産価格(株と債券)の上昇でとっくに終了している。イエレン議長発言のどの部分を切り取ってきたのか不詳だが、今でも「金融危機の後遺症」が成長率の低下をもたらしているというのは奇妙な議論だ。 さらに、危機後も継続している米国の家計所得格差の拡大が消費性向の低い富裕層の貯蓄増加・消費減少を通じて需要全体の減少を起こし、成長率を低下させているという議論も聞かれるが、これも事実に照らすと矛盾している。 むろん、サマーズ元財務長官ら米国の一部経済学者が所得格差の拡大傾向について繰り返し危惧の念を示しているのは確かであり、所得格差の拡大も事実だ。しかし、格差拡大が消費性向の低下を招いているならば、家計貯蓄率の上昇が見られるはずである。 ところが、実際には米国の危機後の家計貯蓄率は09年の7%をピークに低下傾向を辿っている。ちなみに、2000年以降の平均値は4.6%であり、14年第1四半期は4.4%である。 <長期金利軟化の真相> それでは、私の長期金利低下の読み解きをご紹介しよう。長期金利の推移は当然ながら米国の景気循環と金融政策を反映する。 まず景気の状況を反映する経済指標は様々あるが、包括的なものとしてGDPギャップ(マクロ的な総供給と総需要のギャップ、マイナスが需要不足・供給力超過)で示すことができる。米連邦議会予算局(CBO)の推計によると、過去1年(13年第2四半期―14年第1四半期)の米国のGDPギャップは平均マイナス4.2%だ(6月25日のGDP第2次改定値発表前の推計)。 GDPギャップはマイナス幅を次第に縮小しているが、1980年以来の平均値プラス1.7%よりもまだかなりマイナス方向に振れている。これはリーマンショック後の不況による需要減少が非常に大きかったことの結果だ。GDPギャップは14年平均ではマイナス4.0%からマイナス3.0%の範囲に入ってくると見込んで良いだろう。 次に長期金利は予想される短期金利の将来にわたる累積結果と同じ水準になるように決まるのが原理だ。つまり、10年物長期金利と3カ月物金利ならば、将来10年にわたって3カ月物で資金運用(あるいは調達)した場合の予想累積利息と、10年物金利での累積利息が等価になるように決まる(信用リスクなどが同一であることが前提)。 現在は短期金利がFRBの非伝統的金融政策(量的緩和)で0%近傍に抑えられているが、将来は金利引き上げが予想されているので、長期金利は短期金利より高く、長短金利差はプラスである。一般的に景気の先行き改善が予想される局面では長短金利格差のプラスの幅が大きくなる。逆に景気の先行き悪化が予想される局面(多くの場合、景気循環のピーク近辺)では長短金利格差は縮小し、フラット化、あるいは逆転することもある。 以上を念頭に、GDPギャップと長短金利差(10年物財務省証券利回り‐3カ月物財務省証券利回り)の相関関係を示したのが、掲載図だ(期間は05年第1四半期から14年第1四半期)。両者の間には有意な(関係性が偶然ではない)負の高い相関関係が見られ、相関係数はマイナス0.86、決定係数は0.73である。これは、この時期の長短金利差の73%はGDPギャップで説明できることを意味する。 CBOが推計したGDPギャップを基に考えると、14年は通年ではマイナス4.0%からマイナス3.0%のレンジにマイナスが縮小すると見込まれる。GDPギャップの平均値をマイナス3.5%として上記の関係性を前提にすると、対応する長短金利差は2.5%となる(図中の近似線の方程式にマイナス3.5を代入して求める)。現状の3カ月物財務省証券利回りは0.1%未満なので、10年物財務省証券利回りの推計値もほぼ2.5%となる。 もっとも、当然バラツキのある関係であり、実際の長短金利差が推計値から乖(かい)離する程度を確率的に示す標準誤差は0.6である。これは3分の2の確率で実際の長短金利差が推計値からプラスマイナス0.6ポイントの範囲におさまることを示している。すなわち14年の10年物財務省証券利回りの中心レンジは1.9―3.1%となる。これが上記データの関係性を前提にした自然な水準だ。 念のために言うと、GDPギャップの推計法は複数あり、前提や推計法次第でギャップの水準についてはかなり異なる結果が得られる。しかし、ここで肝心なのは、ギャップの水準自体ではなく、長短金利差との相関性である。ちなみに、国際通貨基金(IMF)が試算している年次ベースのGDPギャップのデータを使っても、ほぼ同様の結果が得られたことを言い添えておこう(対象期間は1990―2014年)。 <今年3%越えるほうが「コナンドラム(謎)」> 以上の通り、昨年末から今年初めにかけての10年物財務省証券利回り3.0%前後という水準は、今年のGDPギャップと短期金利を前提に予想されるほぼ上限だ。 ロイターでも少なからぬ数の識者が米長期金利の軟化を「コナンドラム(謎)」と呼んでいたが、年末年初に利回り3.0%をつけた時でも、FRBの量的緩和が終了するのは今年の後半であり、実際に金利の引き上げが始まるのは来年の半ば前後と予想されていたはずだ。それを前提に考える限り、今年の10年物財務省証券利回りが、3%を越えてするすると上昇したとすれば、そのほうがよっぽど「コナンドラム(謎)」として受けとめるべきことなのだ。 それではなぜ年末年初にそこまで長期金利は上昇したのか。それは13年に米国の市場参加者を中心に語られたグレートローテーション相場(国債などの安全資産から株式などリスク性資産へのポートフォリオシフト)で、14年もさらにひと儲けしようと動いたヘッジファンドなど投機的なプレーヤーが長期財務省証券を積極的に売り込んだからに他ならない。 ところが、すでに見た通り、年末年初の10年物財務省証券利回り3.0%の水準は、今年の景気と金融政策から導かれる上限近辺だった。そこに1―2月の大雪による米国の経済活動の鈍化が加わり、投機筋の思惑は外れた。結局、損切りに追い込まれるプレーヤーの買い戻しで10年物財務省証券の価格は上昇、利回りは2.4%近辺まで押し戻されたということに過ぎない。 そもそも長期金利に限らず全ての相場は、将来の変化を先取りしようとするプレーヤーの思惑で短期的なオーバーシュート(行き過ぎ)や後戻りを繰り返してジグザグに進むものだ。今年春の長期金利の軟化もそうしたポジション調整によるジグザクな動きのひとこまに過ぎない。 ヘッジファンドなど投機筋の思惑先行で生じた年末年初の長期金利上昇を根拠もなく「景気回復に伴うトレンド」と勘違いしているから、誤った見解が生じるのだろう。 <年内はドル100円割れにむしろ注意> 最後に来年までの予想をしておこう。すでに見た通り、CBOが推計した過去1年(13年第2四半期―14年第1四半期)のGDPギャップはマイナス4.3%だった。15年にこれがマイナス3.0%までマイナス幅が縮小したとすると、長短金利差は2.4%となる。 現時点で15年12月期日の先物が予想するフェデラルファンド(FF)金利は約0.7%だから(6月27日時点)、来年12月の10年物財務省証券利回りの現時点の推計値は3.1%となる(FFレートと3カ月物財務省証券の利回りがほぼ同じ想定)。やはりプラスマイナス0.6%の標準誤差の幅をもって考えると、15年の予想レンジは2.5%から3.7%となる。 ドル円相場への含意について考えれば、ドル長期金利の一段の上昇(10年物財務省証券利回りの3%越え)は年内には望み薄であり、それは15年になろう。一方、円についてはまだ長短金利ともに変化がないと想定すると、ドル円金利格差の拡大がドル高要因として働き始めるのは来年になる。 したがって、多くのストラテジストらが今年の相場として年初に予想した1ドル=110円近辺へのドル相場の上昇も来年に持ち越しとなる公算が高そうだ。足元ではドル円相場の膠(こう)着が続いているが、年内はむしろドルロング筋のポジション調整で一時的には100円割れの円高・ドル安に警戒しておくほうが良いかもしれない。 *竹中正治氏は龍谷大学経済学部教授。1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、為替資金部次長、調査部次長、ワシントンDC駐在員事務所長、国際通貨研究所チーフエコノミストを経て、2009年4月より現職、経済学博士(京都大学)。最新著作「稼ぐ経済学 黄金の波に乗る知の技法」(光文社)。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0F80RY20140703 税収は1.6兆円上振れ、PB赤字は27兆円=13年度決算概要 2014年 07月 3日 18:33 JST [東京 3日 ロイター] - 財務省は3日、2013年度の国の一般会計決算見込みを正式発表した。税収が見込みを1.6兆円上回り6年ぶりの高水準となったことなどを受けて、国債発行額を当初見込みより2兆円程度減額し、43兆4545億円に圧縮した。
一般会計の決算ベースでの基礎的財政収支(PB)の赤字は27.0兆円となった。税収が当初見通しを上回ったが、12年度補正予算に伴う歳出の繰越しで、補正後の23.7兆円より悪化した。 ただ、財務省では、政府の財政健全化目標は、当初予算でのSNAベースの国・地方を合わせた基礎的財政収支を基準としており、15年度の赤字半減目標に向けて「想定通りに進んでいる」(財務省幹部)としている。 <税収は6年ぶりの高水準、上振れ1.6兆円のうち1.0兆円は特殊要因> 歳入のうち、税収は補正予算編成時の見積もりを1兆5989億円上回る46兆9529億円。2007年度(51兆0182億円)以来、6年ぶりの高水準となった。所得税や法人税、消費税が上振れたのが主因。ただ、財務省では「1.6兆円のうち、13年度限りの特殊要因が1.0兆円」と分析。特殊要因を除くと6000億円弱が実力とみられる。 このうち、法人税は企業収益の改善で4287億円増加し5年ぶりに10兆円台を回復。所得税は昨年末の証券優遇税制終了を前に株の売却益が膨らみ7458億円増加した。消費税も1803億円上回り、過去最高を記録した。 しかし、この大半が特殊要因によるもの。財務省では、株式譲渡益の税率引き上げ(軽減措置の終了)を控えた利益確定による税収増や、100%子会社から親会社への配当増、輸入消費税の増加分、急激な円安進行による日銀の法人税納付増、4月からの消費税引き上げ前の駆け込みで膨らんだ酒・たばこ税収の増加や不動産登記に伴う印紙税の増加などを一時的要因とした。 税外収入も日銀の納付金などで6230億円上振れた。 これらを財源に、国債発行を2兆0075億円減額し、国債発行額を40兆8509億円に圧縮した。年金特例公債金(約2.6兆円)を加えると、国債発行額は43兆4545億円となった。 歳出では、国債の利払い費が想定より金利水準が低位で推移した結果5172億円程度不要となったほか、予備費も2745億円程度余ったことなどで、不用額は1兆6630億円程度となった。 <純剰余金1.4兆円、法人税下げ財源流用の声も> これらの差し引きで、純剰余金は1兆4493億円となった。剰余金は財政法上、半分以上を国債償還に充てることが義務づけられている。 ただ、政府・与党内からは、法人税減税や消費税の軽減税率導入に伴う財源として期待する声が上がるほか、消費税率10%への引き上げの最終判断を年末に控え、景気対策の財源など思惑が交錯しており、活用方法は流動的だ。 (吉川裕子) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0F80ON20140703 インタビュー:みずほFG、意思決定に問題=大田・取締役会議長 2014年 07月 3日 17:36 JST [東京 3日 ロイター] - みずほフィナンシャルグループ(8411.T)の取締役会議長に就任した大田弘子・元経済財政担当相は3日、ロイターとのインタビューで、みずほFGは「合併の効果がまだ出ていない」と指摘。 その原因として、「(同社の)意思決定のどこかに問題がある」とし、現場の声や情報を上層部に円滑に伝達する組織改革や取締役会の議論の活性化などを重要な課題にあげた。 また、企業統治(ガバナンス)の向上は、社内のコンプライアンス意識の改善につながるだけでなく、経営資源を有効活用し、収益力も向上させる効果があるとの見方を示した。 みずほは昨年秋、暴力団向け融資問題で金融庁から2度の行政処分を受け、ガバナンスの強化をめざして委員会設置会社へ移行した。事業会社や大手証券の委員会設置会社への移行は珍しくないが、メガバンクでは初めての試みだ。 大田氏は、みずほ社内では「内向きのエネルギーが強かった。合併の効果がまだ出ていない」と指摘し、その一因として、組織における意思決定がスムーズに行われてないことがあるとの認識を示した。こうした弊害により、人材や顧客基盤など、みずほの潜在的な力を活かせていないという。 みずほFGは2000年の第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の経営統合で誕生、国内最大級の顧客層を持っている。 大田氏は、取締役会について、「いざとなればCEOを解任するだけの独立性を維持する」とし、経営の監督や改革の役割を果たすためには、必要な情報が下から上がってくることが重要との見方を示した。しかし、今のみずほについては、「本部と現場が遠い印象を受ける」とし、取締役会議長として、現場との意思疎通が図られているかも注視する方針と述べた。 今回の委員会設置会社への移行は、反社会的勢力への融資問題がきっかけとなっており、そのため、組織の管理・監督機能の強化が大きな目的となっている。大田氏は、同時に、収益力や競争力の強化も非常に大事な課題と指摘。「ガバナンスはコンプライアンス的なものと収益をあげることの両方。資源が最大限に使われるようにするのがガバナンス」と語った。 (浦中大我、安藤律子) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0F80EH20140703 焦点:大手機関投資家が高利回り債離れ、利上げ時の調整見越す 2014年 07月 3日 15:49 JST [ニューヨーク 2日 ロイター] - ルーミス・セイレスやGAM、スタンディッシュ・メロン・アセットマネジメントといった一部の大手資産運用会社は、米国の投資適格社債や高利回り債のポジションを縮小し始めている。価格が高くなり過ぎてリターンの妙味が薄れたためで、恐らくは来年に米連邦準備理事会(FRB)が利上げに動く際に起きる相場調整で不快な思いをしないように、先回りして手を打とうという腹積もりだ。 総資産が1200億ドルを超えるスイスのGAMホールディング傘下のGAMで投資マネジャーを務めるジャック・フレアティ氏は、これらの米国のスプレッド債券について「バリュエーションが極限まで高まりつつある。相場が反落する場合は予想以上に荒っぽい値動きになる恐れがあるため、早いうちに手じまうのが得策」と話す。 米債券は今年堅調に始まり、バークレイズUSアグリゲート指数は上半期に約3.8%上昇。債券ファンドには海外の投資家や年金基金からの資金流入が続き運用成績は良好だ。これに伴って米国債とのスプレッドは2007年以降で最低になっている。 それでもGAMは、米高利回り債の保有を減らし、向こう数カ月でさらに削減する方針。浮いた資金は新興国の自国通貨建て債や転換社債に振り向けた。 フレアティ氏は、FRBの利上げ後に流動性が大きな問題になりかねないと懸念していて、その理由として大手証券会社が社債市場でのプレゼンスを落としていることを挙げた。 大手証券は社債の在庫を大量に保有していたためかつては売買をより円滑に進める上で頼りにされていたが、金融規制強化のせいでこうしたリスク性資産を持つコストが高まっている。 <割高な市場> バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータでは、米高利回り債の対米国債スプレッドは6月30日時点で約353ベーシスポイント(bp)。これはリーマン・リビアン・フリッドソン・アドバイザーズのマーティ・フリッドソン最高投資責任者が推計する適正水準の551bpよりずっと低い。 また高利回り債の利回りは一時4.8%と過去最低水準に下がった。 米投資適格社債の対米国債スプレッドは109bp、利回りは2.97%程度。 1600億ドルの確定利付き資産を運用するスタンディッシュ・メロン・アセットマネジメントのデービッド・ホースフォール共同副最高投資責任者は「FRBが緩和を続ければ続けるほど、それをやめる際の混乱が大きくなるように思われる。FRBが短期金利を引き上げるときはほとんどいつも混乱につながる。金利が非常に低く推移してきたので、そうならざるを得ない」と述べた。 ホースフォール氏によると、スタンディッシュは以前のある時点で運用資産に占める米投資適格社債の割合は最大60%、米高利回り債は最大40%に達していたが、現在はそれぞれ5─6%と8─10%にまで低下している。 スタンディッシュが代わりに選んだ投資先は、ニュージーランドやオーストラリアの債券と米インフレ連動国債(TIPS)だという。 プルデンシャル・フィクストインカム(運用資産約4180億ドル)のマネジングディレクター兼シニア投資責任者、グレゴリー・ピーターズ氏も高利回り債を売却し、リスクを減らしたことを明らかにした。 ルーミス・セイレスの副会長兼ポートフォリオマネジャー、ダン・ファス氏は、傘下のルーミス・セイレス・ボンド・ファンド(244億ドル)(LBFAX.O)が、債券市場に投資するチャンスがほとんどないので、現金や現金相当資産の比率を過去最高の25%強に維持していると説明した。同ファンドは、債券価格の割高感が強まった昨年初め以降、こうした姿勢になっているという。 <脱出のタイミング> リッパーのデータでは、米高利回り債は昨年50億ドルの資金流出に見舞われたが、今年これまででは差し引き71億ドルが流入。米投資適格社債にも昨年の338億ドルを上回る437億ドルの資金が入ってきている。 リーマン・リビアン・フリッドソン・アドバイザーズのフリッドソン氏は「FRBは利上げするのは来年以降なので、それまでは投資家は心配しなくてもよい」と話す。 また一部の資金運用担当者からは、米高利回り債や投資適格社債のスプレッドはさらに縮小する余地があるとの声も聞かれた。 ただGAMのフレアティ氏は、社債でそれなりのリターンを確保することは依然として可能だと認めながらも、「そうした時期が終われば市場参加者は適宜に撤退できると言っている。しかしだれもが出口に立っている中で、本当に脱出できるものだろうか」との疑問を口にしている。 (Gertrude Chavez-Dreyfuss記者) |