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いま米国の金融市場で起きている投資家が首をかしげたくなること
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39727
2014年07月02日(水) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
今、米国の金融市場で、投資家が首をかしげたくなるような事態が起きている。それは、米国の長期金利が低下していることだ。米国のFRB(連邦準備理事会)が、金融緩和策の打ち止めを決めたにもかかわらずだ。
FRBの金融緩和策の縮小が決められた昨年末から今年初にかけて、米国の10年物国債の流通利回りは一時、3.0%を超える水準まで上昇したものの、足元では2.5%程度まで下落している。
長期金利の低下傾向に関しては投資家の間では、インフレ期待の低下や米国経済の実力=潜在成長率が下落しているなど様々な解釈がある。ただ一つの要因だけで、米国の長期金利低下を説明することは難しい。
■長短金利のかい離
足元の米国の金融市場で、長期と短期の金利が別々の動きを示している。一般的に金利は、長短の別なく同一方向に動きものなのだが、今年の場合、長期金利は年初以降に低下傾向が見られる一方、短めの金利には上昇傾向が見えるのである。
米国債10年物の金利は一時的に3.0%を付けた後、最近までに0.5%ほど下落した。一方、同じく2年債の利回りは年初に0.38%程度だったが、既に0.48%まで上昇している。つまり、長めの金利と短めの金利が逆の動きをしているのである。
その背景には、米国の潜在成長率の低下や長い目で見たインフレ期待の後退などがあると言われている。重要なポイントは、市場参加者の多くが、「短期的に金利は上がり易いものの、長い目で見ると金利は安定している」と見ていることだ。
■金利動向の為替市場への影響
こうした長短金利の動向が、最も大きな影響を与えるのは為替市場だろう。為替市場の参加者は金利の動きに合わせて、為替のポジションを作るケースが多いからだ。足元の金利の動きを見ると、恐らく為替ディーラーなどは大きな持ち高を作ることが難しいだろう。
米国の長期金利が低下するのであれば、ドルを売って円などの通貨を買うことになるだろう。しかし短期金利を見ると上昇しており、金利上昇に合わせてドル買いのポジションを作るべきということになる。彼らの多くは迷路に迷い込んでしまっていることだろう。
その為、ドル・円の相場はこう着状態になっている。ただ、大手投資家であるヘッジファンドなどは短期金利への注目度が高いことを考えると、気迷いを抜けた後はドルが強含みになる可能性が高いと見ておいた方がよさそうだ。
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