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「図1:現在の人事の最重要課題(採用・育成系)」(HR総研調べ)
人事部は社員の出世をどう決めている?社員全体の底上げより、管理職候補へ重点教育の傾向
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140628-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 6月28日(土)3時0分配信
当社は、企業の経営者・人事担当者向けの日本最大級のポータルサイトやイベントを運営しており、現在約5万5000人の経営者、人事担当者の会員を有している。サイトには、人材採用、人材育成、人事・労務管理など、企業の人事戦略に関するあらゆる情報が集まっており、さまざまな調査を通して、客観的な人事関連のデータをメディアに発表している。
当社は、主に企業の経営者、人事部門に対して情報を提供しているが、本連載では主にビジネスパーソンの側に立ったキャリアアップのための情報を提供していきたい。なぜなら、世の中にあふれるキャリアアップのための情報には、的外れなものが多いと感じているからだ。
キャリアアップをテーマにした書籍やセミナーでは、極めて特異な個人的な体験に基づき、それを普遍化するような内容で、大抵の人が真似できないようなことを勧めていることが多い。また、「自己啓発」に関する書籍やセミナーの愛好者で仕事ができる人を、筆者はほとんど見たことがない。自己啓発本を読み、セミナーに参加すること自体に満足感を感じている人は多いが、実際の仕事に生かしているというよりは、実際の仕事から逃避するための快感をそこから得ているのではないかと感じてしまう。
本連載ではそうした自己啓発本やセミナーとは真逆の、客観的データに基づく、極めて具体的な「ビジネスパーソンのための王道キャリアアップ」について考察していき、実際の仕事に生かしていただくことを目指したい。
●企業の人事部が求めているのは「リーダー人材」
さて今回は、「事実」を知るところから始めたいと思う。
日本企業の場合、働く人の能力評価に人事部が深くかかわっていることがほとんどだ。人事部がどのように社員を見ているか、どのような人を評価し、出世させようとしているのかを知ることは、自身のキャリアアップを考えるにあたって非常に重要である。
2010年に出版された『7割は課長にさえなれません』(PHP新書/城繁幸)が当時話題になった。高度成長期のような右肩上がりの経済下で管理職ポストが増え続ける時代は過去のものとなり、かつては真面目に勤めてさえいればいつかは課長になれたが、今では課長にさえなれない人のほうが圧倒的に多いというのだ。
では企業の人事部は、課長候補群の中から選りすぐって課長を選んでいるのだろうか? あなたが課長になるためには、多数の適任者間の激しい競争が必要なのだろうか。
現実には、それがそうでもないのだ。そもそも、課長になりたいという若者や女性が減っていることもあるが、人事部は課長の適任者そのものが非常に少なくなっていると感じているのである。
本稿冒頭の「図1:現在の人事の最重要課題(採用・育成系)」を見ると、人事部が人材採用、育成の課題で最も重要だと感じているのは「次世代リーダー育成」であり、ダントツの1位となっている。企業は自社にリーダー人材が大幅に欠けていると感じているからこそ、その育成により力を入れようとしているのである。
当社が「企業は今後、どの階層の研修強化を予定しているか?」について調査したところ、「管理職手前」が1位となっている。「手前」であることがミソである。これまでは管理職になった人への研修のほうが多かったのだが、今後は管理職の適任者を増やすための研修を強化しなければ、適任者自体が増えないと人事部は感じているのである。
また、同調査より、企業は今後、社員全体の能力・スキルアップの底上げを行うのではなく、選抜した人への教育投資を強化しようとしており、大企業ほどその傾向が顕著であることが読み取れる。
●企業から「リーダー人材」と認められることが重要
キャリアアップとは管理職になることではない、という人がいるだろう。その通りだ。しかし、企業の中で責任ある仕事を得ていくには、管理職になることが主要な方法であることは間違いない。また、管理職になると、今まで見えなかった企業の仕組みが理解でき、視野が広がることにもなる。
ただ問題なのは、特に大企業の場合、管理職になるのが40歳近くになってからというところも少なくなく、キャリアアップの観点からは遅すぎるといえる点だ。かえって、ベンチャー企業に入って早く管理職になるほうがずっと成長するし、リーダーの経験をする意味でも好ましいといえる。
そこで視点を変えると、管理職になること自体に目標を置くのではなく、リーダー人材と会社から認められるようになることを目標に置くとよいだろう。企業からリーダー人材と認められれば、その企業の教育投資の重要な対象になれるため、非常に意味がある。企業側は、リーダー人材には教育投資を強化するとともに、重要な仕事を与え、その仕事をやり遂げていく力を見ようとするだろう。
では、どうすればリーダー人材になれるのか。どうすれば、リーダー人材と認められるのか。どのようなキャリアアップをすればよいのか。
この問いへの回答が簡単ではないことは確かだ。企業によってリーダーの定義も違う。どうすればリーダー人材になれるのか、本連載で段階的に述べていきたいが、本稿でひとつ真理を挙げれば、どんな小さなビジネスの単位、グループ、勉強会、プライベート、どんな場面でもいいので、自ら手を挙げてリーダーの経験を積み重ねることで、リーダー人材になる道が拓けるということである。
リーダー経験を積む中で、リーダーが周りからどのようなことを期待されるのか、やるべきことは何かが見えてくる。自分の特性を生かしたリーダーシップの発揮の仕方もわかってくるかもしれない。時にはチームをまとめることに失敗するだろう。それも次のリーダーを担う経験の際に大きな財産になる。真のリーダーは、リーダーを何度も経験するところから生まれてくるものである。
寺澤康介/HRプロ社長、HR総研所長
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