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雑感。成長戦略に対する報じ方
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52609705.html
2014年06月25日 在野のアナリスト
昨日発表された成長戦略、骨太の方針。国内メディアや評論家の間からは「評価、期待」との言葉が並びますが、海外メディアは辛らつな記事ばかりです。実際、見栄えのいい項目を並べて実体を隠すことを官僚は得意としており、今回も例に洩れません。法人税減税でさえ、中小企業への課税ベース強化の方針が示唆されており、多くの労働者が中小企業に勤める中、大企業優遇姿勢を強める安倍政権らしさ、は顕在化していますが、日本全体の成長に寄与するとはとても思えません。
しかしここで問題なのは、国内メディアと海外メディアの評価の差、です。安倍政権になってから嘘をついて、捏造してでも、上げ潮ムードを壊してはいけない、といった風潮が目立ちます。サッカーW杯も同じ。散々メディアは期待を煽りましたが、直前の試合で一体、何失点したのか? 守備が崩壊していることは明らかだったのに、主にトップを誰にするか? ばかり報じていた。大久保選手の選出で攻撃陣が目立ち、注目度もあつまり易いのかもしれませんが、それでは正しい報道と言えません。期待を煽った結果、誰もが頬かぶりして責任もとらず、企業がW杯関連の消費で潤う、というためだけに国民を欺く報道をつづける、ということになっていたのでしょう。
すでに成長戦略後に市場が下落しなかったことを好感する人もいますし、某米系が昨日TOPIX先物を大幅に買い越したことを、昨年の爆騰の再来、と語る向きもありますが、昨年は売り方の買戻しを引き出す戦略だったのであり、今年は年金の買いのせいで売りも溜まっていません。実際、昨日も買いは続かず、今日になって現物株の売買高が急落した。まったく成長戦略を評価していない、ただし売り立てても年金とケンカすることになるのでしない、というだけになっています。
英国で、中国の李首相を厚遇、エリザベス女王との面会も果たしています。これにキャメロン首相が、ダライ=ラマ14世と会談し、関係が悪化した中国への配慮、と伝えるメディアもありますが、ちょっと見方が異なります。英国は今、タックス・ヘイブン化し、投資を集めて成長をめざす、というスタンスをとっています。そのとき、共産党独裁で肥大化した富裕層のいる、中国を無視できません。多額の資金を動かす、富裕層をとりこむことが至上命題になっているのです。
しかし一方で、中国の人権問題を無視した、という批判もうける。ロンドンの不動産市場など、上昇基調にある英国全体からみても、桁違いに爆騰しており、英中銀が引き締めの可能性を示唆するなど、すでに歪が溜まっている。逆にいえば、引き締めになっても中国の富裕層に、資金を引き上げて欲しくない、との思惑が、今回の異例の厚遇という形で現れたのでしょう。
しかし英国でも、メディアが政権を批判する、という構図は経済が歪んでいてもまだ健全です。未だに尾をひくセクハラ野次問題、一部で野次には適切な返しをすべき、という論調をとる人もいますが、一般質問は討論の場ではありません。不規則発言に、不規則に応じていては、一般質問がちぐはぐになります。質問者も、応じる側も、事前にすり合わせた原稿を読んでいるだけなのですから。一般質問をする側は議事録に残り、野次は議事録に残らない。それでは議事録がおかしくなります。また外国特派員協会で講演したことを『売名』とする意見もありますが、議員はあらゆる行動が売名です。特に、外国特派員協会での講演は、出演を依頼されて、無償ででるといった類のものであり、名誉…言い方を換えると売名でしか、出席することはないものです。
東京五輪を前にして、国内での報じ方、意識のもち方、そうしたものに注目が集まるからこそ、膿を出し尽くして国際標準のあり方を学ぶ、という謙虚な姿勢が大事なときです。それを覆い隠し、批判や悪材料を抑えつけて、無理やり上げ潮ムードをつくっても、結果が伴わなければ意味がないのです。セクハラ野次問題とは、そこに日本の異常さを嗅ぎとったからこそ、海外メディアも大きく報じている。それを批判したり、無視したりしていると、本当に日本が『おかしな国』として海外から認識されることを、キモに命じておかなければいけないのでしょうね。
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