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年金制度崩壊をひた隠す厚労省の“数字のトリック”(週プレNEWS)
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/657.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 6 月 24 日 07:59:11: igsppGRN/E9PQ
 

年金制度崩壊をひた隠す厚労省の“数字のトリック”
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140624-00031783-playboyz-soci
週プレNEWS 6月24日(火)6時0分配信


将来、われわれは本当に十分な年金を受け取ることができるのだろうか?

今月頭、厚労省が5年ぶりに「国民年金および厚生年金に係る財政の現況及び見通し−平成26年度財政検証結果−」を発表した。

日本経済の成長率を8ケースに分類したその検証によると、今後、高成長していく5ケースで、国がひとつの指針としている「所得代替率50%」をクリアしている。

※所得代替率=現役時代の収入に対する年金額の割合

しかし、この「所得代替率50%」にはトリックがあると指摘するのは、元財務相官僚で、日本の社会保障と財政の問題に詳しい法政大学経済学部の小黒一正准教授だ。

そのポイントは基準となる「モデル世帯」がどういう人をイメージしているのか、という点にあるという。

「モデル世帯とは、夫は平均的な収入で40年間働いたサラリーマン、妻は40年間ずっと専業主婦の世帯のことで、年金額は夫が約180万円、妻が約77万円で、合計約260万円(月額21・8万円)としています。

しかし、国民年金や厚生年金を受け取っている人たちの年間受給額別の割合を示したグラフである平成24(2012)年度『男女別の公的年金額の分布』を見ると、200万円未満の男性は全体の55%、150万円未満の男性も全体の40・4%になる。モデル世帯よりも年金額が低い男性が相当数いることがわかります」(小黒氏)

つまり、「将来、誰しもモデル世帯と同じ年金額をもらえる」とは限らないのだ。加入しているのが厚生年金か国民年金か、また加入年数によってはモデル世帯よりも年金が低くなることは十分あり得る。

「非正規雇用がさらに広がり、将来的には年金額が年間100万円を下回る“貧困高齢者”が増え、生活保護の拡大など新たな社会問題と財政負担を生む可能性は大きいでしょう」(小黒氏)

小黒氏が続ける。

「しかも、『所得代替率』の計算にはもうひとつのトリックが隠されています。それは、分母となる『現役男子の平均月収』が税や社会保険料を払った後の“手取り額”なのに対して、分子となる『夫婦の年金月額』は“額面”、つまり税や社会保険料を差し引く前の金額になっているのです。当然、分母も分子も同じ条件で計算しなければ正しい数字とは言えません。このカラクリで『所得代替率』を大きく見せているのです」

そこで小黒氏が、2014年度のデータを基に分母の「現役男子の平均月収」を“額面”に換算して計算し直したところ、現在62 ・7%とされている所得代替率はなんと一気に約2割減の50・2%にまで急落。そう、現時点でも実質的な所得代替率は50%ギリギリという状況になっているのだ。

もちろん、今回の財政検証で示された8ケースすべてに、この「分数のトリック」によって“水増し”された所得代替率が使われている。

今から10年前、自民・公明連立政権下で行なわれた年金制度改革「年金100年安心プラン」。「安心」どころか突っ込みどころ満載なのが現実だ。

(取材/川喜田 研)


 

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コメント
 
01. 2014年6月24日 08:22:43 : nJF6kGWndY

>年金制度崩壊をひた隠す厚労省

と言うより、明らかに不自然な前提で、このままでは所得代替率50%が破綻し、基金も枯渇することを示して

増税や歳出カット、効率化などの対策を迫っているとしか見えないが?


02. 2014年6月24日 10:03:18 : XjImrrwT7s
>『所得代替率』の計算にはもうひとつのトリックが隠されています。それは、分母となる『現役男子の平均月収』が税や社会保険料を払った後の“手取り額”なのに対して、分子となる『夫婦の年金月額』は“額面”、つまり税や社会保険料を差し引く前の金額になっているのです。

本当に役所というところは、数字でうそをつくところですね。マスメディアはしっかりとこのことをいつも頭に入れて、国民に正しい数値をしらせるようにしなければならない。


03. 2014年6月25日 01:25:07 : nJF6kGWndY

http://diamond.jp/articles/print/55067 【第17回】 2014年6月25日 西沢和彦 [日本総合研究所調査部上席主任研究員]

経済前提の甘さに批判集中の「年金財政検証」 厚労省の“本丸”はオプション試算にあり

6月3日、厚生労働省は、年金の「財政検証」結果を公表した。財政検証は、将来の人口や経済変数に一定の前提を置き、今後およそ100年間の公的年金(国民年金と厚生年金)財政の姿を描き出す作業であり、5年に一度実施される。その公表を受け、経済前提が楽観的であることや経済前提ごとに示された8ケースのうち5ケースで、引き続き100年安心が示される予定調和的な結果に批判が集まっている。だが、実は今回の財政検証の本丸は、財政検証本体に併せて行われた「オプション試算」にあり、こちらにも注意を払っていかなければならない。
オプション試算にこそ
厚生労働省の本音
 今回の財政検証では経済前提ごとにケースAからHまでの8ケースが示されている(図表1)。オプション試算は、3つの制度改正オプション(選択肢)を実施した場合に、各ケースがどのように変化するか、その効果を測ったものである。これを中心に法改正の議論を進めていこうというのが、厚生労働省の目論見だ。
 実際、前回の2009年財政検証の際は、100年安心がひたすら強調された財政検証結果が審議会(社会保障審議会年金部会)に報告されると、審議会は早々に手仕舞われてしまった。しかし、今回は、オプション試算を論点とし引き続き審議会が開かれていく見通しだ。
 厚生労働省の立場を推測すれば、ジレンマを抱えている。2004年の年金法改正において100年安心をうたった与党(自民党・公明党)の面子もつぶせず、他方、実態は100年安心などではないことから、法改正は是非やっておかなければならない。そこで、財政検証本体では、5つのケースで100年安心を演出しつつ、そうではない3ケースも並列させることで100年安心をことさら強調もせず、さらには、オプション試算も行うことによって年金法改正の機運を作っていく――これが厚生労働省の戦略といえる。
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オプション1の狙いは
マクロ経済スライドの欠陥是正
 では、3つのオプション試算の狙いと効果を検証してみよう。
 1つめは、マクロ経済スライドの欠陥是正であり、オプション試算のまさに核心だ。マクロ経済スライドとは、段階的に年金給付水準の抑制を図る仕組みであり、高齢化が進むもとで年金財政の持続可能性を保つため、04年の年金改正で導入された(詳しくは本連載第4回参照)。狙いは正しかったのだが、マクロ経済スライドは、デフレ下では全く機能せず、また、デフレでなくとも、賃金や物価が変動する下では十分に機能しないという欠陥があり、実際、導入以降全く機能しないまま今日まで10年が経っている。
 欠陥とは、より具体的には次のようなことだ。年金額を改定する際、本則では新しく貰い始める年金額は賃金上昇率に、既に貰っている年金額は物価上昇率に応じて毎年度改定される。マクロ経済スライドは、この本則をいったん棚上げし、賃金上昇率、物価上昇率からスライド調整率(当面おおむね1%)を差し引いた改定にとどめることで、給付水準を抑えていく仕組みである。もっとも、改定に際し、前年の名目年金額を維持するとの縛りがかけられており、マクロ経済スライドはデフレ下では全く機能せず、デフレでなくとも賃金や物価が変動するもとでは十分に機能しない。
 例えば、一定期間の物価上昇率について、平均値が1%で、変動を仮定しないパターン、変動を仮定するパターンの2つを想定する(図表2)。変動を仮定しないパターンであれば、毎期1%の物価上昇率からスライド調整率(0.9%と仮定)をフルに引くことができる。財政検証はこのパターンだ。他方、変動を仮定するパターンだと、例えば、物価上昇率がスライド調整率を上回る1期から4期にはスライド調整率をフルに引けても、物価上昇率がスライド調整率を下回る4期から7期には、前年の名目年金額を維持するという縛りがネックとなり、引き切れないか全く引くことができない。つまり、給付水準を抑えられない分、マクロ経済スライドを長く続けざるを得なくなる。
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 マクロ経済スライドが全く機能してこなかった結果、年金の給付水準は、下がるどころかむしろ上昇し、今日まで年金財政を圧迫し続けている。04年改正時の想定では、年金給付水準を示す所得代替率(現役世代の平均的な手取り賃金に対する年金額の比率)は、マクロ経済スライドが機能することによって、2004年の59.3%から今年度には54%まで下がっているはずであった。しかし、実績はそれを10%ポイント超上回る64.1%となっている。過剰な給付は、年金積立金の前倒しでの取り崩しと赤字国債によって賄われている。将来世代への負担ツケ回しだ。
 こうした状況は、今後も続き得る。わが国経済が、デフレを脱却るか否かは不透明であり、仮にデフレを脱却したとしても、賃金や物価は変動することがむしろ常態である。財政検証における賃金や物価が一定という仮定の方がむしろ常態ではないのだ。このように考えれば、今回の財政検証を契機にマクロ経済スライドの欠陥是正、すなわち、名目年金額維持という縛りを外しておくことは、最低限やっておかなければならない課題の1つである。
 オプション試算の1つめでは、こうしたマクロ経済スライドの名目年金額維持という縛りを外した場合の効果が試算されている。財政検証本体では、賃金や物価の変動を仮定していないのだが、賃金や物価の変動を折り込むと、いかにマクロ経済スライドの効きが悪くなるか、そして、そうした下でも、名目年金額維持の縛りを外すことで、状況が改善するということが試算されているのだ。
 結果をみると、いずれのケースでも、縛りを外すことによる効果が現れており、とりわけ、物価上昇率が相対的に低いケースで、その効果が顕著である(図表3)。例えば、物価上昇率0.9%のケースGでは、賃金や物価の変動を仮定しない場合、最終的に確保できる所得代替率は42%であるが、変動を想定すると39.5%にまで低下する。後者ではマクロ経済スライドの効きが悪く、マクロ経済スライドを長く続けざるを得ないためだ。しかし、そうした変動を想定した場合でも、名目年金額維持の縛りを外すことで、マクロ経済スライドがスムーズに効き、所得代替率44.5%が確保できるとされている。マクロ経済スライドがスムーズに働くと、それだけ年金財政の長期的均衡が速く確保されるからだ。
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第1次安倍政権の苦い記憶
官邸が是正に動くかどうかは不透明
 このように、今回の財政検証を契機にマクロ経済スライドの欠陥を是正しておくことは必須なのだが、先行きは不透明である。
 与党・官邸は、年金法改正などしたくないのが本音だろう。年金法を改正するということは、100年安心が実はウソだったということを正式に認めることにもなり、国民からの強い反発も予想される。加えて、第1次安倍政権は、消えた年金記録問題や高齢者差別との批判が沸き起こった後期高齢者医療制度に足を引っ張られたとの記憶が新しく、第2次安倍政権としても、厚生労働省マターにはできれば触れたくないという思いもあるかもしれない。
 そのため、厚生労働省の意図とは裏腹に、安倍政権は動かないというシナリオも十分に考えられる。アベノミクスが成功すれば、年金は引き続き100年安心という結果が財政検証のケースAからEの5つでは示されている。まずはアベノミクスの実現に全力を注ぐことが重要だ――という訳だ。マクロ経済スライドの欠陥が是正されなければ、将来世代への負担のツケ回しがさらに続く危険性は高いままだ。
オプション2は厚生年金の適用拡大
公平性と企業の負担増に大きな難点
 このようにマクロ経済スライドの欠陥を是正し、年金給付水準を確実に抑えていくことは、年金財政の観点からは極めて重要なのだが、それと二律背反的に、家計の側からみれば給付水準が下がり過ぎてしまうという問題がある。そこで、それを少しでも食い止めようと、準備されたのがオプション試算の2と3だ。もっとも、その趣旨は理解できるものの、改革案としては問題が多い。
 まず、厚生年金の適用拡大だ。厚生年金は、現在、月収9.8万円以上の人を対象としている。オプション試算では、これを月収5.8万円まで引き下げたうえで、@週20時間以上労働、A労働時間要件なしの2通りの適用拡大について試算している。それにより、@では約220万人拡大、Aでは約1200万人の適用拡大効果があるとされている。例えば、ケースEの所得代替率は50.6%から@では51.1%(+0.5%)、Aでは57.5%(+6.9%)と試算されている。
 しかし、これは実現に耐えうる案ではない。仮に、5.8万円を保険料計算時の基準とするならば、何より国民年金加入者との著しい不公平を招くからだ。その際の厚生年金保険料は、5万8000円×17.474%=1万0135円(月額)にしかならない。他方、国民年金保険料はそれより約6000円高い定額の1万6100円(同)である。厚生年金加入者は、国民年金加入者に比べ、このように保険料負担は少ないが、受け取る年金額は全国民共通の基礎年金に加え厚生年金も上乗せされるため多くなる。これはいかにも不公平だ。
 現状の月収9.8万円であれば、これを基準とした保険料は国民年金保険料とトントンになり、厚生年金加入者と国民年金加入者との間で公平が保たれている。9.8万円より下げることは本来できないのだ。
 さらには、厚生年金保険料は雇用主(企業)が半分を負担するため、厚生年金の適用拡大は企業負担の増加となる。企業負担の増加が給与本体あるいは労働需要そのものを減らしかねないといった問題もある。労働分配率を一定とする限り、企業は、賃金本体を減らすか労働需要そのものを減らすしかない。実際、本来厚生年金に加入すべきであるにもかかわらず、加入していない事業所の数は39万に及んでいる(2012年度末、日本年金機構調べ)。
オプション3は保険料納付年数の延長
長く払える人に年金を増やす必要があるか
 3つめのオプションは、保険料納付年数の延長だ。保険料納付年数を現在の基準である40年から45年とすることで、例えば、ケースEの所得代替率は、50.6%から57.1%にアップすると試算されている(図表4)。50.6×45年間÷40年間=56.9と計算されるので、概ねそのようなもの(57.1%)だと確認できる。当たり前といえば当たり前の結果だ。
 ただし、このプランも手放しで肯定できない。まず、マクロ経済スライドによって大きく削られていく年金に対し果たして45年間も加入するインセンティブが伴うのか、ということだ。厚生年金の未加入事業所の現況は上に述べた通りであり、国民年金保険料の納付率はピークである1992年度の85.7%から趨勢的に低下し、近年下げ止まりの兆しが見えるとはいえ、2013年度は60.9%だ。
 次に、ここがより重要だが、仮に加入インセンティブが伴うとして、45年間保険料をフルに支払える人の年金額を増やす意義がどれほどあるのかということだ。しかも、全国民を対象とした基礎年金の給付財源の半分は国庫負担、すなわち、税か赤字国債である。45年間フルに保険料を支払えるような人の年金給付を国庫負担も使って増やすより、国庫負担はより困っている人の年金額を増やすために使うべきだという議論が当然出てくるであろう。
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触れていない重要課題も多い
現行制度の下での改革に限界
 結局、3つのオプション試算のうち改革原案として評価できるのは1つめのマクロ経済スライドの欠陥是正だけだ。他の2つは、年金給付水準の低下を少しでも食い止めようという趣旨は理解できるものの、公平性の面や、国庫負担を使ってまで行うべきことなのかといった意義の面などで問題がある。
 しかも、オプション試算は、年金制度が抱える問題を網羅している訳では決してない。例えば、国民年金の保険料は所得にかかわらず定額負担だが、これが低所得層にはとりわけ重く、未納の原因ともなっている。しかし、こうしたことには全く触れられていない。
 あるいは、サラリーマンを夫に持つ専業主婦の妻は、保険料を直接負担せずとも基礎年金の受給権を得られる第3号被保険者という仕組みがある。これは、共働き世帯や単身世帯との公平性の面、および、この仕組みが女性の就労を阻害しているといった面などから問題が指摘されてきているが、これにも触れられてない(かたや配偶者控除廃止が議論されながら、この第3号問題が議論されないのはいかにもチグハグだ)。オプション試算は、2つめと3つめに問題があるのと同時に、触れていない重要課題が多いという点でも問題なのだ。
 こうした年金制度が抱える諸課題に対し、現行制度を所与としたまま応えるにはもはや限界がある。例えば、オプション試算の2つめで明らかなように、現行制度のまま、これ以上の厚生年金適用拡大を進めるのは、公平性の低下など大きな弊害を伴うことになる。そこで、広く提言されてきたように基礎年金への税方式導入をはじめ、制度そのものを改める発想への転換が必要である。厚生労働省発では、そうした発想は期待できず、やはり政治発でなければならない。
 もっとも、現状はどうかといえば、1つめのオプションであるマクロ経済スライドの欠陥是正ですら、本来推進役であるべき政治が、むしろハードルになりかねないような状況だ。一方で、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用見直しという、年金制度の本質と関係ないところには政権は熱心である。これから本格化が期待される改革の議論において、正しい政治のイニシアチブは発揮されるのだろうか。


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