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世界の金・人材、東京に集結? 特区構想、政府とずれも
http://www.asahi.com/articles/ASG6N03GLG6MULFA03B.html?iref=com_alist_6_02
2014年6月22日02時16分 朝日新聞
歩道で営業する虎ノ門のカフェ。東京都による「シャンゼリゼプロジェクト」の第1号だ=東京都港区
東京都が特区で目指す都市
地域を絞って様々な規制を緩める「国家戦略特区」。安倍政権が成長戦略の柱の一つにすえる取り組みが、東京でも動き出した。外国からお金や優秀な人を集めるために、起業の支援策だけでなく、英語の通じる病院やパリ風のカフェ街まで用意する構想だ。ただ、東京都と政府の間は、ぎくしゃくしている。
「ここを世界の新薬ビジネスの拠点にしたい」
再開発が進む東京・日本橋。完成間もない「コレド室町3」の8階フロアで、三井不動産の担当者は「壮大な夢」を語った。
まだ机もない約1千平方メートルのだだっ広い空間だが、今秋には、製薬関係者の入居が始まる。海外の研究者やベンチャー、投資会社などが集まる場所にするのが、いまの構想だ。
新薬ビジネスは、4月に指定された東京都の「東京発グローバル・イノベーション特区」のプロジェクトの一つだ。
新薬の開発には、長い時間と優秀な人材、そして巨額の資金が必要だ。そもそも日本橋は、日本の製薬会社が拠点を置く製薬の街。だが、国際的な開発競争を勝ち抜くには、国内の力だけでは足りない。そこで人と金を外国から呼び込もうという考えだ。
「呼び水」になるのが、規制の緩和だ。特区内では、薬の効果や安全性を確かめる「治験」をやりやすくする。世界銀行の「起業のしやすさ」ランキングで日本は120位と低迷するが、特区では役所の手続き窓口を一本化し、英語での対応も進める。東京都は、研究者やエンジニアなどは、在留期間を延長して長く働けるようにすることなども国に要望している。
一帯では、外国語で受診できる病院やインターナショナルスクールも整備されるという。日本橋のある中央区の外国人比率は4%程度だが、「国籍を問わず快適に過ごせる街を用意し、人口の3割を占めるぐらいにできれば」(三井不動産)とする。
ほかにも新宿や渋谷、虎ノ門などに、国際的なビジネス拠点をつくっていくのが東京都の特区構想だ。
虎ノ門では、「虎ノ門ヒルズ」が開業した11日にあわせ、近くの歩道にオープンカフェがお目見えした。パリの雰囲気で国内外の人を「おもてなし」するため、道路の占用規制を緩めて認めた「東京シャンゼリゼプロジェクト」の第1号。今後、歩道沿い約150メートルにわたって、オープンカフェが並ぶ計画だ。
神奈川県、千葉県成田市も含めた「東京圏」の特区の事業計画は、今夏に発足する会議で示される。舛添要一知事は「東京を世界の資金、人材が集まる成長センターにする」と話す。(別宮潤一)
■「9区限定」に政府側批判
2020年までに外国企業による直接投資を35兆円に倍増する目標に沿って、国の主導で世界有数のビジネス都市をつくるのが今回の特区の目的だ。しかし、本命・東京都との足並みはそろっていない。
「東京都は提案の見直しを早急に行うべきだ」。全国で6地域が特区に選ばれた4月末、竹中平蔵・慶大教授ら政府の「特区諮問会議」の有識者メンバー5人が意見書を発表した。東京都だけが全域での指定を拒み、中央区や千代田区など9区にエリアを絞り込んだことに異を唱えた。
舛添知事は5月の会見で「民間ですでに取り組みが進むなど、(特区での)事業が実現できる地域を選んだ。地域の合意形成なしに結果は得られない」と説明。竹中氏らからの批判については「机上の空論」と逆にかみついた。
「外国の医師を増やせば医療水準が下がる」、「従業員が解雇されやすくなるのでは」などとして特区の規制緩和には都議会や医師会、労働組合などの抵抗感も強い。2月に当選したばかりの舛添知事にとっては、エリアを絞りつつ「周囲とうまくやることの方がまず大事だ」(都庁幹部)という事情がある。
舛添知事は、政府が打ち出した家事で働く外国人の受け入れについても「子育てを終えた女性など、日本に家事ができる人材がたくさんいる」と真っ先に否定した。政府関係者はこうした東京都の姿勢を「消極的」と批判する。
特区の制度は、優秀な人やお金を呼び込むインパクトが必要な一方、規制の緩和を大胆にやるほど反対の声も強くなる。双方の「いいとこ取り」で経済成長を目指す難しい試みだが、国と東京都の足並みが合わない状態が長引けば、実現は疑問視されかねない。(清井聡)
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