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中国が日本国債を手放しているという噂について
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ogasawaraseiji/20140621-00036600/
2014年6月21日 11時50分 小笠原 誠治 | 経済コラムニスト
日経新聞が、「中国、日本国債減らしの怪」と題し記事を書いています。
「どうも変だ。中国が日本国債の保有を減らしている」
2013年末現在の中国の日本国債保有額が、2012年末から6兆2千億円減少して14兆3千億円になったのだとか。
どう思いますか?
ただ、その日経も、この数字を額面通りに受け止めることには留意が必要だとも言っているのです。どういうことかと言えば、ルクセンブルグを1枚かませることによって真の保有者が誰であるかを隠している可能性があり、もしそうであれば中国が保有する日本国債の額は見かけほど減っていない、と。
ということで、中国が日本国債の保有額をそれほど減らしていない可能性もあるのですが...それも含めて中国は今どのようなことを考えているのかを推理したいと思うのです。
先ず、中国が日本国債の保有額を減らしている可能性はどれほどあるのか? また、今後さらに減らす可能性があるのか?
私は、中国が短期、中期の観点で利益を上げることを重視しているのであれば、実際に日本国債の保有額を減らしている可能性は大きいし、また、今後さらに減らす可能性があると思います。
何故か?
それはアベノミクスがスタートして以降、円安が定着していることと、日本国債の利回りがこれ以上下がらないと思われるレベルまで下がっているからです。
今が長期金利のボトムであると思えば...仮に今後不況になったとしても、これ以上長期金利は下がりようがない。その反対に少しでも景気がよくなれば、いくら日銀が国債を買い支えたとしても、長期金利は上がる可能性がある、と。つまり国債の価格が今後低下する可能性が大なのです。
その一方で、円安が今後さらに進むようなことになれば...もうお分かりでしょう?
海外の投資家にとっては、日本国債を保有し続ければ損を被る可能性が大きいのです。
それに、為替の動向について補足するならば、貿易赤字は23か月も連続しているのですから...そして、黒田総裁は、この先どう考えても円高になる材料はないと断言しているのですから、海外の投資家が円安を予想しても不思議ではないのです。
ということで、理屈から言えば中国は日本国債の保有額を減らしている可能性が大きいと思います。
ただ、仮に保有額を減らすとしても、そんなに急に減らすものだろうかという疑問がなきにしもあらず。というのは、2013年末現在の中国の日本国債の保有額はわずかに14兆3千億円程度のものだからです。
中国の米国債の保有額は、公式には百数十兆円程度。実際には200兆に近いかもしれないとも言われています。それに比べてどう見ても大きいとは言えない。もう十分絞り切った数字であるとも言えるのです。
中国は、外貨準備を主にドルとユーロと円で運用していると言われています。ということは、主にその3つで適切なバランスを保つことが必要であり、よほどの事情がないかぎり、それらの比率を急に変えることは考えにくいのです。
もし、それが当たっているとすれば、中国による日本国債の保有額が減っているように見えるのはみかけだけかもしれません。
では、仮にそれがそうだとして、何故見た目の日本国債の保有額を減らすことが必要なのか?
それは、中国の日本政府に対する意思表示であり、また、国内向けの意思表示でもある可能性があるのです。
日中間の緊張を高めているのは安倍政権だというのが中国の言い分であり、また、中国の国民もそう信じているのです。そのような状況にあって、中国が日本国債の保有額を増やすなんて自己矛盾でしょ?
だから、ルクセンブルグを1枚かませている可能性があるのです。
まあ、私としては、今のところはルクセンブルグに1枚かませているだけのような気もするのですが...
以上
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