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【動画あり】話題の“貧乳”偽ユニクロ動画…高品質パロディ動画を量産する企業の野望
http://biz-journal.jp/2014/06/post_5179.html
Business Journal 6月21日(土)3時0分配信
●動画1 『全くエロくないユニクロブラトップCM〜not吹石一恵ver.』
動画URL http://youtu.be/4h2GJn45KkM
春の訪れを感じさせる柔らかな日差しを浴びた女性。愛犬とともにブラトップを着て水辺を走る姿は、都会に生活する彼女の休日を描いているようだ。そう、これは「大人の色気満載」と話題の女優・吹石一恵が出演するユニクロの「ブラトップ」のCM……ではなく、パロディ動画だ。雰囲気こそ似ているものの、よくよく動画を見てみると吹石一恵とはまったくの別人であり、犬のシーンはぬいぐるみが引きずられているだけ。そもそも、貧乳すぎる。
悪ふざけにしては手が込みすぎているこのパロディ動画を制作しているのは、東京倉庫という企業だ。堀江貴文氏が配信している「ホリエモンチャンネル」や、オモコロを運営するバーグハンバーグバーグの動画チャンネル「バーグハンバーグバーグTV」などを制作している会社だが、こんな動画をつくってユニクロからは怒られないのだろうか?
「まだユニクロさんの耳には入っていないようですね。こちらとしては、怒られて炎上してもいいと思って配信しているのですが……」(東京倉庫代表取締役社長・瀧祐夏氏)
この動画に出演している女性は、同社社員の涼子さん。「貧乳」「みすぼらしい」などと散々な言われようだが、瀧氏によれば「笑いを取ることが命みたいな人間なので大丈夫です」という。動画内でも宣伝されているが、『涼子の育乳』というコンテンツを持ち、貧乳キャラとしてYouTubeで秘かに人気を呼んでいる。
だが、パロディ動画だからといって適当に制作をしているわけではない。WEB動画専門企業としてのプライドをかけ、クオリティの高いパロディを生み出すため、社内では時に熾烈な議論が巻き起こる。
「動画内に登場する犬をぬいぐるみにするか、本物にするかで喧々諤々の議論をしました。ぬいぐるみにしてしまうと、貧乳以外の要素に目が行ってしまい、面白さが伝わりにくくなるのではないかという懸念もありました。結果的には、ぬいぐるみにして正解だったと思います。また、別の事例では、小保方晴子さんをモチーフにした動画を企画したものの、お蔵入りにしたこともあります。弱い立場の人をパロディにしても、いじめにしか見えないのです。やはりパロディは対象の権力が強くないと成立しません」(同)
●動画2 『おっぱいのきゅうり割り 〜涼子の育乳〜』
動画URL http://youtu.be/qZ_c7IUEDnM
同社では、前述の『涼子の育乳』のほか、『安江の安絵』『ウォーリーをさがすな! ザキオカをさがせ!』など、くだらなすぎるコンテンツを毎日YouTubeにアップロードしている。1本の制作にかかる時間はおよそ1時間程度というものの、クライアントワークとは異なり、自社コンテンツの制作では売り上げに結びつかない。いったい、どうしてこんなことを継続しているのだろうか?
「動画機材の性能がよくなり、動画は自分でつくれる時代になりつつあります。これからは、ただ動画コンテンツをつくれるというだけでなく、企画力や構成力、世界観をつくる能力などが求められるようになります。毎日コンテンツを配信することで、動画の面白さを鍛え、ユーザーを引きつける訓練をしています」(同)
しかし、東京倉庫のコンテンツは、「社内トレーニング」としての意味だけにとどまるものではない。そこには瀧氏の壮大な野望も潜んでいるようだ。
「以前、テレビ業界で働いていたのですが、テレビ番組には固定化されたフォーマットがあり、自由に番組を制作できません。しかし、YouTubeにはまだ確固としたフォーマットがないため、そのフォーマット自体をつくれるのが醍醐味です。ゆくゆくは、転載されたテレビ番組しか見ないようなYouTubeライトユーザーたちの目を、弊社のオリジナルコンテンツに向けさせたいと思っています。やや大げさな言い方ですが、YouTube上で、新たな市場を創造していく感覚です」(同)
もはや、一般企業もプロモーション動画をつくることは珍しくなくなり、ひとつのメディアとしてウェブ動画コンテンツは無視できない存在になりつつある。この先、テレビに代わるような媒体にまで存在感を増大させることになるのか? 来るべき動画時代を見据えて、東京倉庫は今日も誰もが笑いを漏らすようなコンテンツをYouTubeにアップロードし続けている。
(文=萩原雄太/かもめマシーン)
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