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FRB議長の会見
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52609134.html
2014年06月19日 在野のアナリスト
日経平均は大幅高になりました。トヨタなどの大型株が活況で、久しぶりの売買を伴ってきましたが、きっかけは米FOMC後のイエレン議長会見です。FOMC声明文でもなく、FOMCそのものでもなく、議長の発言に反応したことがやや異例で、それが今回の大幅上昇の理由でもあります。
今回、FOMCではタカ派発言がでる、との予想がありました。CPIが2%を越え、失業率もリーマンショック前に近づいた。異例の緩和をつづける理由がないため、です。それを覆したイエレン議長会見は、(1)FF金利が正常水準を下回ると、参加者がみていることと整合的、(2)低金利継続と、縮小ペースは経済動向次第、(3)物価は想定通り、(4)市場のボラティリティ低下は懸念要因、(5)賃金は上昇するのではないか、(6)株価は割高とは思わない、(7)高利回り債は注視、です。
重要なのは1と6、リップサービスとはいえ、市場にフレンドリーな発言でした。つまり市場参加者は正しい、異常な水準ではない、とFRB議長からのお墨付きをえて、債券買い、株買いのプログラムが走った。疑心暗鬼に陥りつつあった、市場参加者が自信をとり戻した点が大きい。
一方で、日本でも外国人投資家が、これまで弄っていた新興株や小型株から大型株に資金シフト、FOMCでタカ派発言がでると見込んで売っていた、売り方の買戻しを巻きこんで大幅高となりました。日本でも、すでに割安といえない水準にあり、一層の相場上昇に懐疑的な見方も多かった中で、FRB議長の発言が背中をおした形です。しかしこの流れに継続性があるか、不明です。
問題は、FRBが米国の今年の成長率見通しを大幅に下方修正したこと。2.9%程度から2.2%程度と、第1四半期の悪化を反映したとされますが、米国で異常気象はつづいている。まだ下がる可能性があります。一方で、ボラティリティの低下、独英でも低利すぎて住宅市場の高騰を招き、懸念要因とされるように、今後の金融市場は引き締め方向ではないか、という懸念を封印してしまったこと。これが過度なリスクテイクを招く恐れをFRBは認識しつつ、何も対策を示していないこと、があります。つまり市場フレンドリーすぎて、中銀としての役目、手綱を握っていないように見える点が、今後の市場でリスクがおきたとき、責任問題に発展する可能性があります。
金融相場の間延び、という言い方をしていますが、6月に入って外国人投資家が日本のポートフォリオ引き上げる、との見通しを増やしています。これは日本株が割安になったのではなく、欧米市場が高値で行き詰まり、相対的に日本の持分を増やす、という流れです。つまり割高でない市場を買う、これが間延びした部分であり、経済情勢をあまり注視しない動きにもなってきています。
そのためボラティリティが低下する。大きく下げない、高値は維持する、結果として値動きが悪くなる。これを「市場は正しい」と言い切ったイエレン議長に、市場は一旦好感して、株高の流れになっています。しかしリスク要因が様々に増えてきている現在、安易に楽観にふれてしまうと、後の反動を大きくするだけです。市場コントロールを放棄したFRBに依存する傾向が、益々強まるのかもしれません。しかしそれは、下支え役の不在を意味しており、今後に懸念を残しそうな内容となったことは、間違いないのでしょうね。
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