01. 2014年6月19日 08:35:22
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日銀、最大の国債保有者に 資金循環統計 金利乱高下に警戒感 2014.6.19 06:03 日銀が18日発表した2014年1〜3月期の資金循環統計(速報)によると、13年度末の日本国債の発行残高に占める日銀の保有割合が、前年度末比約7%上昇して20.1%となり、保険会社(19.3%)を上回って最大の国債保有者に浮上した。日銀が昨年4月に始めた金融緩和策に沿って国債を大量購入しているためだが、市場では「国債取引量が減って金利が乱高下しやすくなる」と緩和策の副作用への警戒感が根強い。 一方、家計の金融資産は13年度末に3.3%増の1630兆円となり、年度末ベースで過去最高を記録した。1年間で52兆円増加した計算になり、政府・日銀が進める経済政策「アベノミクス」を受けた株高が家計資産を押し上げた。 現金・預金の伸びは2.1%だった一方、少額投資非課税制度(NISA)の導入もあり、投資信託は10.2%増、株式・出資金が11.3%増だった。 日銀の金融緩和を背景にした家計資産の拡大が消費を促したとされる半面、国債市場で日銀が巨大な存在感を示すようになった。 現行の資金循環統計が始まった1979年度以降、国債の保有者内訳で日銀が首位に立ったのは初めてだ。2012年度末に最大だった保険会社(19.9%)は、1年間で保有割合が0.5%低下。国内銀行も国債保有残高を減らし、保有割合が13.0%となった。 13年度末の国債発行残高が998兆円と3.0%増えたのに対し、日銀の国債保有残高は57.2%増加の201兆円と過去最高を更新した。 その結果、一般投資家による国債売買量が減る「流動性の低下」が起きていると指摘される。日本証券業協会が公表している公社債投資家別売買動向によると、13年度の中長期債の売買高は1458兆円と前年度比2割減り、公表が始まった04年度以降で最低水準だった。最大だった11年度比で3割減ったことになる。 みずほ総合研究所の野口雄裕シニアエコノミストは「流動性の低下は否めない」と分析し、「今は狭い範囲で動いているだけの物価や株価の水準に変化が出れば、金利が大きく振れる可能性もある」と指摘する。 実際、日銀が大規模な国債買い入れを始めた昨年春から夏にかけて、金利が乱高下した。全国地方銀行協会の寺門一義会長(常陽銀行頭取)は、18日の定例会見で「ちょっとした市場変動で国債価格が大きく動く可能性があり、経営への影響を注視する必要がある」と述べた。 日銀の試算では、1%金利が上昇すると金融機関の保有債券に7.5兆円の評価損が出る。地方銀行は国債を中心に資産運用している構図は変わらず、金利上昇に身構えている。
国債消化、日銀頼み強まる シェア最大の2割に 2014/6/18 21:55 小サイズに変更 中サイズに変更 大サイズに変更 保存印刷リプリントこの記事をtwitterでつぶやくこの記事をフェイスブックに追加共有 国債市場で日銀の存在感が一段と強まっている。国債残高に占める日銀の保有割合は3月末に2割を超え、最大の国債保有者となった。国債買い入れはマネーの大量供給を通じて物価上昇を促す半面、国債市場の取引が縮小する副作用も生じる。金融緩和が転換点に達すれば国債をどうやって売却するか難しさも増す。
日銀が18日発表した資金循環統計(速報)によれば、3月末の日銀の国債保有残高は201兆円と1年前から57%増えた。昨年4月に始めた大規模な金融緩和によって、月に7兆円程度と発行額の約7割にあたる国債を買い入れているためだ。保有額は保険会社(193兆円)を抜いて首位となった。 日銀は国債買い入れによって、長期金利の押し下げて個人の住宅投資や企業の設備投資を促す効果があるとみている。経済の好循環によって物価そのものを押し上げる狙いだ。消費者物価指数は緩和導入直前まで前年比マイナスだったが、プラスに転じて4月には1.5%(消費増税の影響除く)に拡大した。日銀は「所期の効果を発揮している」(黒田東彦総裁)と成果を強調する。 だが債券市場では日銀の購入額が増えたことで民間投資家の取引は減っている。銀行などは日銀の買い入れに応じて国債の売却を既に済ませており、現在の低金利で積極的に国債を買おうとする投資家は少ない。財務省から落札した国債をすぐに日銀に売却する証券会社も多く、新発10年物国債の利回りは0.6%前後で異例の低水準が続く。 市場の取引が細る中で日銀が国債保有が膨らめば、金融緩和を手じまう「出口」の運営は難しさを増す。日銀が目標とする物価上昇率2%を達成すれば、いずれ日銀は金融緩和策を転換する必要がある。市場は日銀の出口政策には2つの選択肢があるとみる。 ひとつは保有する国債の売却だ。しかし最大の買い手だった日銀が売り手に転じれば、市場への衝撃は大きく、長期金利の急上昇を招きかねない。 国債価格の値下がりで金融機関の経営が不安定になり、利払い費が増え財政が悪化したりする懸念もある。「国債を売るに売れない状況に追い込まれる可能性が高い」(東短リサーチの加藤出チーフエコノミスト) 国債を売却せず金融引き締めに転じる手段としては、金融機関が日銀に預ける当座預金への利息を上げる手法がある。ただ日銀の金融機関への利払い費が年2兆〜3兆円に達する可能性がある。 日銀頼みの国債消化が進めば日銀が2%目標を達成しても、金融緩和の出口に向かえない懸念もある。そのときは市場は日銀が国の財政赤字を補填する「財政ファイナンス」を意識して、放漫財政との見方から金利が急騰するリスクがある。 緩和縮小を進めている米連邦準備理事会(FRB)は、国債を売却せずに利上げに踏み切る策も検討し始めている。2008年のリーマン・ショック後に先進国が踏み込んだ異例の金融緩和は、ここまで一定の成果を収めているが、その出口への道のりは平たんではない。
ドルが対円・ユーロで小幅安、FOMCのハト派色で=NY市場 2014年 06月 19日 06:44 JST [ニューヨーク 18日 ロイター] - 18日終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが円とユーロに対して小幅下落した。米連邦準備理事会(FRB)が成長率見通しを下方修正するとともに、長期の政策金利見通しを引き下げるなどハト派色を打ち出したことが影響した。日銀が国債買い入れ方針を1カ月で再修正、年限短期化に配慮 2014年 06月 18日 19:33 JST 記事を印刷する | ブックマーク | 1ページに表示 [-] 文字サイズ [+] 6月18日、日銀が国債買い入れの新たな方針を発表した。年限10年以上の長期および超長期国債の買い入れを減らし、1年以下の短期債の買い入れを増やすのが狙い。都内の日銀本店で昨年10月撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino) 1 of 1[Full Size] トップニュース 豪ドルとNZドルが上昇、FRBのハト派的な姿勢で 今日の株式見通し=底堅い、混迷深まるイラク情勢に警戒 ドルが対円・ユーロで小幅安、FOMCのハト派色で=NY市場 W杯=王者スペインが敗退、チリは2連勝で16強へ [東京 18日 ロイター] - 日銀は18日、国債買い入れの新たな方針を発表した。年限10年以上の長期および超長期国債の買い入れを減らし、1年以下の短期債の買い入れを増やすのが狙い。 40年債など超長期債が日銀に多く持ち込まれることで、日銀が保有する国債の年限が、政策で決められた6─8年よりも長期化しないように工夫する。日銀は5月にも方針変更したばかりで、年限短期化に知恵を絞っている構図だ。 日銀は昨年4月に量的・質的金融緩和(QQE)を導入し、毎月の国債買い入れ額の目安を7兆円強、平均残存期間を6─8年と定めた。しかし、巨額の国債買い入れを進めるにつれ、残存期間の長い国債が持ち込まれるケースが多くなり、平均残存期間は今年1月に8.3年まで長期化、目安とかい離していた。 このため5月末に1回当たりの買い入れ額を、残存期間1年以下の国債は「1100億円程度」から「1100億─2000億円程度」に、10年超は「2000億─3000億円程度」を「1500億─3500億円程度」と幅を上下に広げた。 今回、1年以下の国債を「1100億─2500億円程度」、10年超は「1300億─3500億円程度」と幅をさらに上下に広げ、1年以下の買入れを増やし、10年超の長期国債の買入れを減らしやすくした。 同時に6月23日以降は「10年超25年以下は1000億円」「25年超は300億円」買い入れるとし、平均年限の長期化を防ぐため30年債と40年債の買入れを抑える意向が明確にされた。 市場では、10年超の買入れ額の下限を1500億円より減らせば、14年末に190兆円の残高目標を達成するのが難しくなるとの見方もあり、一部では意外感を持って受け止められた。 同時に30年債、40年債の買い入れ規模が上振れない措置を取ったことで「しばらく買い入れ方針を変更せずに済むのでは」(SMBC日興証券の土井俊祐・金利ストラテジスト)との見方も聞かれる。 (竹本能文 編集:田巻一彦)
終盤のドル/円JPY=は小幅安の102.12円。ユーロ/ドルEUR=は0.1%高い1.3562ドル。
最近の米経済指標が一部、予想を上回っていたため、投資家は連邦公開市場委員会(FOMC)が声明で景気判断を引き上げると予想していたが、そうはならなかった。 FRBは2014年の米成長率見通しを従来の2.9%程度から2.1─2.3%に下方修正した。 クレディ・アグリコル(ニューヨーク)の通貨ストラテジスト、マーク・マコーミック氏は「声明は概ねハト派的だった。FRBはインフレ率の強含みと失業率の低下を認めると予想されていた」と述べた。 より重要なのは、FRBが長期のフェデラルファンド(FF)金利見通しを引き下げたことだ。中間的な見通しは3.75%程度となり、3月の4%から引き下げられた。 LPLフィナンシャルの投資ストラテジスト、アンソニー・バレリ氏は「債券価格は春以降の上昇過程でこれ(下方修正)を概ね織り込んでいた。長期的なFF金利見通しの引き下げと、短期的な利上げ予想の強まりが相殺し合った格好。総合すれば、低金利の長期化というテーマがやや補強された」と話した。 FOMC後、先物市場は来年半ばまでの利上げ開始を織り込む水準で推移した。 これに先立ちイングランド銀行(英中央銀行)は6月の金融政策委員会の議事録を公表。委員らが、利上げ前に経済のスラック(需給の緩み)が吸収されるのをもっと見極めたい意向を示していたことが分かり、ポンドはドルとユーロに対して軟調に推移した。 カーニー総裁らの最近の発言を受け、6月会合では委員の内1人が利上げ票を投じたのではないかとの見方が広がっていたが、議事録によると全会一致で金利据え置きが決まっていた。 終盤のポンド/ドルGBP=D4は0.1%高の1.6974ドル。ユーロ/ポンドEURGBP=D4は0.1%高の0.7994ポンド。 ドル/円 終値 101.91/93 始値 102.17/18 前営業日終値 102.13/15 ユーロ/ドル 終値 1.3594/96 始値 1.3564/65 前営業日終値 1.3546/48
米国株:S&P500最高値、当局気回復を認識しつつ低金利維持 記事をメールで送信 記事を印刷する 記事 映像 共有/ブックマーク ShareGoogleチェックTwitterシェア 6月18日(ブルームバーグ):18日の米国株は上昇。S&P500種は最高値を更新した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は会合後に発表した声明で、経済活動は持ち直してきたと指摘、低金利を「相当な期間」維持すると想定していると述べた。 航空貨物輸送最大手のフェデックスは上昇。同社は国内と世界の経済成長のペース加速を予想している。デザインソフト最大手のアドビ・システムズも高い。四半期利益と売上高がアナリスト予想を上回った。 S&P500種株価指数 は0.8%上昇して1956.98。ダウ工業株30種平均は98.13ドル(0.6%)高の16906.62ドル。ナスダック総合指数は0.6%上昇し、2000年以来の高水準で取引を終えた。この日、MSCIオールカントリー世界指数は最高値をつけた。 ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの米仲介事業部門の最高投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏は、「インフレ数値の上昇が見られたことを考えると、FOMC声明はもう少しタカ派的な内容にもなり得たとの見方が一部ではあった」と述べ、「これで米金融当局がインフレ数値の上昇を景気の過熱とは受け止めていないことが分かった。市場参加者は安心するだろう」と続けた。 FOMC声明 FOMCは17−18日に開催した定例会合後に声明を発表し、債券購入額を月350億ドルにする方針を発表。この縮小ペースを維持すると、年内に資産購入プログラムは終了する。 FOMCは声明で「委員会は今後の会合において慎重ながらも一段と資産購入ペースを落とす可能性が高い」と述べ、「委員会は引き続き、特にインフレが引き続き委員会の中長期的な目標である2%を下回ると予測される場合、そして中長期のインフレ期待が引き続きしっかりと抑制される場合には、資産購入プログラムが終了した後も相当な期間、FF金利誘導目標を現在のレンジで据え置くことが適切であろうと想定している」と続けた。 イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は会合後の記者会見で、「経済活動はこの四半期に持ち直しており、今後も緩やかなペースで拡大が続くだろう」と発言した。 FOMCが18日発表した予測によると、政策決定の議論に参加した金融当局者は2015年末のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を1.13%、16年末は2.5%と予想しており、前回予想から上方修正した。長期的な金利見通しについては、米経済成長の減速を反映させ下方修正した。 米経済成長率見通し 長期的な経済成長率は2.1−2.3%(前回予測2.2−2.3%)と見込まれている。前回リセッション(景気後退)を脱却した後の2010年1月時点の長期経済成長率予測は2.5−2.8%だった。 S&P500種は4月11日に付けた直近安値から7.8%戻した。今年初めの悪天候に伴う悪影響から景気が回復しつつあることが経済統計で示されたことが背景。 シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX )は12%下げて10.61と、2007年以来の低水準。年初来では23%低下した。 S&P500種産業別10指数はいずれも上昇。公益事業株が2.2%と最も上げた。 フェデックスは6.2%高。同社の通期利益予想はアナリスト予想を上回った。同社のコスト削減策が奏功しているほか、世界的な景気回復が追い風となった。 アドビは8.2%上昇。同社サービスのオンライン契約者数が予想を上回るペースで伸び、6四半期ぶりの増収を記録した。 原題:S&P 500 Climbs to Record as Fed Supports Low Rates AmidRecovery(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Callie Bost cbost2@bloomberg.net;ニューヨーク Jacob Barach jbarach1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Cecile Vannucci cvannucci1@bloomberg.net;Lynn Thomasson lthomasson@bloomberg.netJeff Sutherland, Srinivasan Sivabalan 更新日時: 2014/06/19 06:36 JST 米FOMC、やや速めの利上げペース想定:識者はこうみる 2014年 06月 19日 08:04 JST [18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は18日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り債券買い入れ額を月額100億ドル縮小し、350億ドルにすることを決定した。
市場関係者の見方は以下の通り。 ●今夏は市場不安定化へ <ランドコルト・キャピタルのマネジング・パートナー、トッド・ショーエンバーガー氏> 会見後に、市場は持ちこたえていた。だがアナリストの反応をみると、米連邦準備理事会(FRB)はもはやセーフティーネットではないというムードが見受けられるようになると思われ、今年の夏は(市場が)不安定化する見通し。 テーパリング(緩和縮小)と地政学的な影響のはざまで、下振れしやすい軌道に入っている。 ●極めて緩和的な姿勢維持 <アクション・エコノミクスのマネジングディレクター、キム・ルパート氏> 政策面で変化はない。引き続き経済動向を見極める姿勢。ハト派の多くは景気回復が本物で、適切な軌道に乗っているという確信を得たがっており、依然として極めて緩和的なスタンスを維持している。 ●長期FF金利予想の低下が最大の変更点 <LPLフィナンシャルの投資ストラテジスト、アンソニー・バレリ氏> 100億ドルの追加緩和縮小は広く見込まれており、大きな変更はなかったが、全体的にはハト派な印象だ。 最も大きな変更は、長期フェデラルファンド(FF)金利見通しが4.00%から3.75%に低下したことだ。 だが米債券市場は今年春の上昇局面で、おおむね織り込み済みだ。長期FF金利の見通し低下を相殺したのが、目先の利上げペース予想が速まったことだ。2015年末時点のFF金利見通し(中央値)は1.125%、2016年末時点の見通しは2.5%にそれぞれ切り上がった。 ただ今週に入り、よりタカ派的な内容を予想する声が高まっていたため、全体的にはハト派的な内容と言えるだろう。 国内総生産(GDP)予想については低成長が見込まれているが、インフレ率見通しは、最近の消費者物価指数(CPI)統計を踏まえると実際のインフレ率を過小評価している可能性があり、上方修正される公算が大きい。 ●QE年内終了、フォワードガイダンスに一層依存 <アリアンツSE(カリフォルニア州)の首席経済顧問、モハメド・エラリアン氏> 今回の決定は米連邦準備理事会(FRB)が年内、着実に量的緩和(QE)を終了させる方向性を示唆しているが、長期失業率の著しい改善に必要な景気回復の達成などに向け、FRBは引き続きフォワードガイダンスに基づく政策に一段と依存せざるを得ないだろう。 ●ハト派へ傾斜、石油価格高を懸念か <ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントの首席ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジャコブセン氏> 声明内容自体は完全に予想されたものだ。成長の勢いが盛り返し、労働市況が総じて改善したとFOMCは判断したが、まだ完璧な状態ではない。 より興味深いのは、利上げ開始時期についてだ。わずかながらも、よりハト派に変化した格好だ。2016年の利上げ開始を予想したメンバーは、前回が2人だけだったが、今回は3人になった。新しいメンバーのせいか、在任中のメンバーが考えを変えた可能性がある。 FRBが、前回会合よりややハト派色を示したことは、株式相場に非常にプラスだろう。 ハト派への傾斜は)イラク情勢やウクライナ問題に伴う、石油価格の高止まりに関係しているのではないか。石油価格の高止まりは、成長の重しとなる傾向があり、FRBの回復予測へのリスク要因の1つとなる恐れがある。 *内容を追加して再送します。
イエレン米FRB議長の会見要旨 2014年 06月 19日 08:07 JST [ワシントン 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は18日、連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に記者会見を行った。要旨は以下の通り。 <成長見通し> FOMCの今年の成長率見通しが、3月時点から大きく下方修正されたのは、第1・四半期が予想外にマイナスとなったことが大きい。向こう2年間の実質成長率の伸びは、より長期の通常の伸び率予想を引き続き幾分上回るとみている。 <緩和政策の解除> 緩和政策の解除を始めれば、失業やインフレが責務と一致する水準に近づいた後も、目標のフェデラルファンド(FF)金利を、FOMCが長期的に正常とみなす水準を下回るよう維持することが、経済情勢からみて当面、正当化される可能性があるというのが、FOMCの現在の評価だ。 参加者の予想で、2016年末時点でFF金利がより長期の正常水準を引き続き十分下回ると、大半の参加者がみているように、このガイダンスは、適切な政策の道筋と整合が取れている。 <低金利は継続> FRBの(債券および証券の)保有が大規模で依然膨らんでいることは、引き続き長期金利への下押し圧力となる見通しで、住宅ローン市場の下支えや金融市場の一段の緩和、さらには雇用創出の後押しやインフレ率の目標回帰につながる。 <資産買い入れの縮小継続> 労働市場の改善が続き、インフレ率は時間と共に(FRBの)長期目標に沿った水準に上昇するとの予想が、この先入手する情報によっておおむね裏付けられれば、今後のFOMCで資産買い入れを引き続き慎重なペースで縮小していく公算が大きい。 <利上げ時期> フェデラル・ファンド(FF)金利の道筋に関するFOMC予想は、経済見通しに左右される。経済がFOMCの想定以上に強まり、雇用とインフレがFOMC目標へと一層迅速に収れんしていけば、FF金利の引き上げ時期も現在の予想以上に早まる公算が大きく、そのスピードも加速するだろう。反対に、経済が予想に反し、FOMC目標からさらに長期間、一段と遠のけば、FF金利の引き上げ時期は遅れ、一層緩やかとなる公算が大きくなる。 したがって、私が伝えたいガイダンスとは、「当面(considerable time)」が意味するものに機械的な公式などないということであり、すなわち経済動向次第だということである。 <信用> 個人的には、信用は幅広く得られる状況にあると判断している。だが一部で例外もある。信用履歴の低い借り手に対して、銀行は融資に消極的だ。 <高いインフレ率への許容度> FOMCは、長期的に個人消費支出(PCE)価格指数の上昇率が2%の水準を目標としている点を強調している。インフレ率が長期にわたり継続的に目標を上回る、または下回る状況は望んでおらず、これは今も変わらない。 目標からの恒久的なかい離に対する許容度という点において、FOMCの姿勢は全く変わっていない。 <物価動向> 最近の指標、例えば消費者物価指数(CPI)はやや高めになっていると思う。しかしわれわれが目にしているデータには夾雑物が多いのではないか。大まかに言えば、インフレはFOMCの見通しに沿って推移しているという点に留意することが大事だろう。FOMCは、物価上昇率が2%の目標に緩やかに戻っていくと予想してきており、最近出てきた材料も、われわれが掲げる2%の目標に次第にゆっくりと回帰しつつあることを示唆している。物価情勢は、ほぼわれわれがそうなるだろうと想定していた通りだとみている。 <潜在成長率を上回る成長実現を確信しているか> その答えは『ノー』だろう。なぜなら不確実性が存在するからだ。しかし、米経済が潜在成長率を上回るペースで持続的に成長する局面を想定するべきだという多くの十分な理由もあると思う。われわれは非常に緩和的な金融政策を有し、財政の足かせは和らぎ、与信環境は緩みつつあり、家計の債務水準はより許容できる範囲になって返済能力も高まっており、労働市場は改善している。住宅価格と株価は上昇し、海外経済も上向きだ。少なくともわたしの見方ではこうなっている。 <出口政策> われわれは、出口もしくはその他の政策パッケージの側面について、これまでの議論で大いなる進展はあったものの、まだ結論には達していない。バーナンキ前議長は、2011年のわれわれの原則と対照的に、住宅ローン担保証券(MBS)の売却はありそうにないと示唆しており、それは今も変わっていない。 <長期の金利予想引き下げ> FOMCの長期的な自然利子率の見通しには、確かに非常に小幅な低下が見られた。ただ留意してほしいのは、今回はFOMCのメンバーが入れ替わり、2人が去った一方で2人の新規参加メンバーが見通しを提示したことだ。これによって、解釈が難しいほどの小幅な変化であるとはいえ、見通しに変化が生じ得る。 ただ私は、小幅に低下したと言って差し支えないと考えている。主な理由として考えられるのは、長期的な成長に関する見通しに、ある程度の小幅な低下が生じたことだ。 <政策手段> 利上げが適切な時期が訪れた際、短期金利を引き上げるのに必要な手段を有していることにFOMCは自信を持っている。また、利上げ後しばらくの間FRBが非常に大規模なバランスシートを維持するとしても、短期金利水準をコントロールできる手段を有していることにも自信がある。 <市場のボラティリティ> まず市場のボラティリティが現状と見通しの両方で低水準にあると言いたい。FOMCはボラティリティの適正な水準について目標を定めていない。しかし低水準のボラティリティは、例えばレバレッジの過剰な蓄積や満期の延長といったリスクテーク行動を誘発する可能性があり、こうした動きはいずれ金融の安定にとってリスクとなり得る。この点は私とFOMCにとって懸念要因だ。 <賃金> 労働市場は引き締まり始めているため、賃金の伸びが加速し、ある時点で実質賃金が伸びる、つまり報酬や名目賃金がインフレを上回るペースで伸びる段階に達するだろう。そうなれば家計は手取りの所得が実質的に増加する。これは労働市場引き締まりの兆候かもしれないが、制限範囲内であればインフレにとって脅威ではない。インフレは目標の2%と整合的な水準だからだ。賃金はいくらか速いペースで伸びる可能性があるし、私は実際、労働市場の回復過程においてそうしたことが起こると予想している。 率直に言って、もしこの予想通りにならなければ、私は消費支出の下振れを懸念するだろう。 <出口政策の手段> 政策の正常化に移行する手段は数多くある。超過準備に対する付利、翌日物の固定金利リバースレポ(RRP)ファシリティー、ターム物レポ、ターム物預金ファシリティー。そして適切な時期が来れば短期金利の全般的水準を引き上げるというわれわれの目的に資するため、これらの手段を具体的にどう動員するか、われわれの政策運営や目的を市場や国民に伝える最適の方法は何か。 これらについて協議中であり、いずれ詳細を紹介できると期待しているし、年内に出口政策についての一連の原則について修正版を示すことも考えてみたい。 <物価上昇の行き過ぎ、2つの目標> 物価上昇率はわれわれの目標を大幅に下回って推移し続けており、雇用最大化からもなお相当遠い距離にある。そして当面は、われわれが2つの目標を達成する上でいかなる矛盾も生じないと考えている。2つの目標はいずれも、非常に緩和的な金融政策という同じものを求めている。だから、物価上昇の行き過ぎ、あるいはわれわれが雇用の最大化を達成する前に物価上昇率が目標に到達してしまう考えは、この先のどこかの時点に存在する1つのリスクであるというのがせいぜいなところではないかと思う。 <市場動向、金利パス> われわれが市場で目にしている事態について、それを説明する多くの理由が挙がっているのかどうかは知らない。またその理由の1つが自信過剰や慢心であるのかどうか分からない。しかし最初の声明で強調したように、市場参加者は金利、短期金利のパス(経路)は不透明であり、経済の道筋が不透明だからそれは必要不可欠だと理解することが重要だと思う。 <高利回り債> 高利回り債はもちろんわれわれの目に留まっている。一部で利回り追求の兆候が出ている。これが低ボラティリティー環境を警戒していると述べた理由の1つだ。これがレバレッジの増大や、急激な巻き戻しや金利急騰などを招きかねないリスクテークを誘発するようなら、懸念材料だ。 <債券ミューチュアルファンドの解約手数料> FRB内でこの問題が協議されているとは認識していない。これは米証券取引委員会(SEC)の管轄範囲だと思う。 *内容を追加して再送します。 米FOMC声明全文 2014年 06月 19日 05:25 JST [ワシントン 18日 ロイター] - 4月の連邦公開市場委員会(FOMC)以降に入手した情報は、経済活動が最近盛り返した(rebounded)ことを示している。
労働市場の指標は概して一層の改善(further improvement)を示した。失業率はさらに下がったとはいえ(though lower)、高止まりしている。 家計支出は緩やかに伸びている(rising moderately)ようであり、企業の設備投資も再び拡大した(resumed its advance)が、住宅部門の回復は遅いままだった。 財政政策が経済成長を抑制しているが、その度合いは小さくなってきている。インフレ率は委員会の長期的な目標を下回っているが、長期的なインフレ期待は引き続き安定している。 委員会は法律上与えられた責務に従って、雇用最大化と物価安定の促進を目指す。 委員会は、適切な政策緩和で経済活動が緩やかなペース(at a moderate pace)で拡大し、労働市場の状況はゆっくりと改善し続け、委員会が二大責務と合致していると判断する状態に向かうと予測している。委員会は経済見通しと労働市場にとってのリスクはほぼ安定しているとみている。 委員会はインフレ率が目標の2%を恒常的に下回っていることが経済成長にとってリスクになり得ると認識しており、中期的にはインフレ率が目標に向かって戻るという根拠を求めて物価上昇の動向を注意深く見守っている。 委員会は、労働市場で続く状況改善を支えるのに十分な基調的な力強さ(sufficient underlying strength)が、より広範な経済に存在すると判断している。現行の資産購入プログラム開始以降に起きた最大雇用への進展の積み重ねや労働市場状況の見通し改善を考慮して、委員会は資産購入ペースを慎重にさらに減速(a further measured reduction)すると決めた。 7月から委員会は、エージェンシー発行モーゲージ債(MBS)については、これまでの月200億ドルから150億ドルに、米長期国債は月250億ドルから200億ドルに追加購入のペースを落とす。 委員会は保有する政府機関債とMBSの償還元本をMBSに再投資し、米国債の償還金を新発債に再投資する既存の政策を維持する。 委員会による長期証券の保有が相当な規模に及び、依然として増え続けていることは、長期金利に対して引き下げ圧力をかけ、住宅ローン市場を支え、より広範な金融環境を一段と緩和する上で役立つ。そのことはより力強い景気回復を進めるとともに、インフレが時間とともに二大債務に最も一致した水準となることを促すはずだ。 委員会は今後数カ月の間に入ってくる経済や金融の動向に関する情報を注意深く見守るとともに、物価安定の下で労働市場の見通しが大幅に改善するまで米国債とMBSの購入を継続し、必要に応じてほかの政策手段を行使する。 もし入ってくる情報が、労働市場の改善が進みインフレ率も長期的目標に向かって戻るという見通しを広範に裏付けるならば、今後の会合で委員会は慎重な足取りでさらに(in further measured steps)購入ペースを落とすだろう。 しかしながら、資産購入にあらかじめ定められた道筋(preset course)はない。購入ペースに関する決定は、委員会の労働市場とインフレの見通しのほか、購入に伴って予測される効率とコストの評価にも左右される。 最大雇用と物価安定に向けて続く改善を支えるために極めて緩和的な金融政策の運営姿勢が適切であるとの見方を委員会は本日、再確認した。現行のゼロから0.25%というフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジをどのくらいの期間維持するかを決めるに当たって、委員会は最大雇用とインフレ率2%の目標に向けた進展について実績と予測の両方を評価する。 この評価は、労働市場の状況に関する指標、インフレ圧力やインフレ期待の指標、金融の動向を示すデータを含む幅広い情報を考慮する。委員会はこうした要因の評価を基に、特にインフレ率の予測が2%の長期目標を下回り続け長期的なインフレ期待も十分に抑制されたままであるならば、現行のFF金利の目標誘導レンジを資産購入の終了後も相当な期間維持することが適切になるだろうと引き続き予測している。 委員会が政策緩和を解除すると決める時には、最大雇用と2%のインフレという長期目標と一致するバランスの取れた方策を取る。委員会は、雇用とインフレが責務に合致する水準に近づいた後も、経済状況は当面(for a considerable time)、FF金利の誘導目標を委員会が長期的に正常とみなす水準を下回るレベルに維持することを正当化すると現在想定している。 政策決定の投票で賛成したのは、ジャネット・イエレン委員長、ウィリアム・ダドリー副委員長、ラエル・ブレイナード、スタンレー・フィッシャー、リチャード・フィッシャー、ナラヤナ・コチャラコタ、ロレッタ・メスター、チャールズ・プロッサー、ジェローム・パウエル、ダニエル・タルーロの各委員。 豪ドルとNZドルが上昇、FRBのハト派的な姿勢で 2014年 06月 19日 08:10 JST [ウェリントン 19日 ロイター] - 19日のオセアニア外国為替市場では、米連邦準備理事会(FRB)の発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明がハト派的と受け止められ、豪ドルが上昇した。ニュージーランド(NZ)ドルも5週間ぶり高値を付けた。
FOMC声明を前に、豪ドルとNZドルは軟化していたが、声明発表後には約0.7%上昇した。 豪ドルAUD=D4は1豪ドル=0.9410米ドルを付けた後、0.9400米ドル近辺で推移。ニュージーランドドルNZD=D4は5週間ぶり高値の1NZドル=0.8735米ドルを付けた。 アルゼンチン国債が下落、新たな債務交換案で 2014年 06月 19日 02:21 JST [18日 ロイター] - 18日の金融市場で、アルゼンチン国債価格が下落した。同国が再編後の債務について、新たな債務交換を提案したことが嫌気されている。
キシロフ経済財務相は17日、債務再編をめぐる米最高裁判断を受けてデフォルト(債務不履行)の可能性が高まる中、支払いを継続できるよう、米国法に準拠する再編した債券を自国法に準拠した債券と交換すると表明した。 トムソン・ロイター・データによると、2033年償還のドル建て割引債ARGGLB33=RRの価格は2ポイント以上下落し71.33セントとなった。利回りは12.67%に上昇した。 米最高裁は16日、アルゼンチン国債の債務再編に応じなかった債権者(ホールドアウト)への13億3000万ドルの支払いを命じた米連邦地裁の判決の見直し請求を退けた。 アルゼンチンはこれまで、ホールドアウトへの支払いを一貫して拒否している。支払いを拒否し続ければ、債務交換に応じた債権者への支払いも差し止められる可能性がある。折しも、再編した債券の支払い期限が6月30日に迫っており、それまでに解決策が打ち出されなければ、アルゼンチンは、債券の条項に違反したことに基づく「テクニカル・デフォルト」に陥る。
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