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銀行の恐ろしい素顔 コネ融資、接待漬け、倒産目前の社長宅に深夜押しかけ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140618-00010004-bjournal-bus_all
Business Journal 6月18日(水)3時0分配信
「月刊テーミス」(テーミス/6月号)は『テレビドラマを席捲する 池井戸潤「元銀行マン作家」ブームの秘密 : 「半沢直樹」のヒットで相次ぎ原作が起用されたがテレビ局の安直なやり方に問題も』という記事を掲載している。同記事は次のように池井戸作品の人気の理由を追っている。
「昨年度、最高視聴率42.2%を叩き出したお化けドラマ『半沢直樹』(TBS系)の原作者、池井戸潤氏の作品が相次いでテレビドラマに起用され、話題になっている」
「TBSは4月からリストラ寸前の社内野球部を中心に、倒産危機に陥った会社が奇跡の逆転劇を起こす『ルーズヴェルト・ゲーム』を放映」
「『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ)は、池井戸作品中、唯一の女性主人公が活躍する銀行もの。メガバンクの支店でトラブルを解決していく1話完結型のドラマで(略)5月中旬までの平均視聴率は約16%で今季春ドラマのトップを走る」
池井戸氏は慶應義塾大学を卒業後、旧三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。同じ“元サラリーマンで直木賞作家”の東野圭吾氏と同様に、今後もテレビドラマ業界からの注目が集まりそうだ。
実は、池井戸氏は1995年に三菱銀行を退社し、しばらくの間、経営コンサルタント業をしていた。その間に何冊かの経営指南のビジネス書を出している。
今回は、すでに絶版となっている池井戸氏のビジネス書の中から、役に立ちそうなヒントを紹介してみたい。
まずは、amazonで6500円もしている事実上のデビュー作『お金を借りる会社の心得 銀行取扱説明書』(中経出版)だ。「銀行は、その社会的な影響力、公共性を考慮して、自行の取引先方針や融資についての考え方をもっとディスクローズ(開示)するべきである」という書き出しで、金融機関がいかにして取引先を格付けしているか、またそれに基づいて取引をしていることを明らかにした一冊だ。
この本について池井戸氏は「銀行員のときには“三菱”という信用のある看板がありましたが、退職したら何もない。個人として何か看板をつくらなければならないと思いました。それで、銀行融資の本を書きました。コネも何もなかったのですが、出版社に持ち込んだら、本になったんです。(略)この時分かったのは、私は書くことが得意なんだということ。そして資金調達のノウハウに価値があるということでした」(「月刊人事マネジメント」<ビジネスパブリッシング/2000年10月号インタビュー>)と語っている。
●銀行から融資を引き出す裏技
何冊か読んでみて、用語などが古いものの、実用的でオススメなのは、2作目の『借りたいとき・借りたいだけ銀行融資をうまく引き出す法』(日本実業出版社)だ。
「創業資金に応じる銀行はない。理由は簡単で、創業期の企業には融資判断をするだけの実績がないからだ。(略)どうしても銀行から創業資金を引き出したいと思ったら、直接『カウンター攻撃』をするなどという単純な作戦では駄目。話にならない。
コネを使いなさい。銀行の支店長が親戚にいないか。親兄弟の知り合いや、学校の先輩にいないか探して、その人に取り入るのだ。都市銀行の支店長クラスならば、1000万円や2000万円ぐらいのカネ、その気になれば担保なしに貸せる。なにせ1億円以内の融資までは信用で貸せるだけの権限を持っているんだから」
「銀行では、やはり支店長に直結したコネがあれば融資はかなり有利である。ただし、あくまでそれは支店長の権限内でのこと。本当に稟議しなければならない案件では、そんなコネもあまり意味がない。入院したりあるいは不都合なことをモミ消したりするのに、よく政治家を使う人がいるが、銀行でカネを借りるのに政治家のコネを使ったというのは聞いたことがないし、効果のほども期待できない」
「銀行取引においても、他の会社との付き合い同様、取引の基本は人と人とのコミュニケーションなのだ。特に中小企業の場合、銀行担当者と経理担当者という『事務レベル』ではなく、社長と支店長というトップレベルでの付き合いが融資を大きく左右する」
「休日に支店長をゴルフに招待したりする接待は効果的である。ちなみに、大口取引先などは平然と平日ゴルフに招待しているくらいなのだから、積極的に誘っても大丈夫。支店長は接待慣れしている」
「銀行員に対する接待はどのように行われているのだろうか。一番多いのは銀行終業後に飲食を共にする接待。食事をして二次会でカラオケというパターンが多い。人数にもよるが、接待する人数は二人から三人で、支店長と担当役席者中心の招待が一般的。ちょっと形式張った接待だとお土産がつく。そんな程度である」
以上のように、融資を受けるための裏技満載の一冊になっている。
●サラ金以下の銀行の取り立て
なお、『借りたいとき〜』の中の「債権回収は修羅場だ!」という項目には、旧三菱銀行を辞めたきっかけとされる取引先企業の倒産トラブルが書かれている。
ある日、第1回目の不渡りを出して、事実上の倒産目前となった融資先に、不渡りを知った上司たちは債権保全のために小切手や受取手形を確保した上、不渡りに対する請求書を作成、社長の自宅に深夜押しかけて、心臓病を患う社長に返済を約束させる書類へ無理やりハンコを押させたのだ。
「このときの支店長の行動、そして、深夜印鑑をもらいに押し掛ける副支店長――。こんなことが許されていいのだろうか? 人権を踏みにじるような上司たちの行動は、バンカーどころかサラ金以下である。普段はバカ丁寧な応対を繰り返していても、これが銀行員の本当の姿なのだ」
「ヒューマンなバンカーなど銀行には不要である。だから、ヒューマンなバンカーになろうとした私は、これを機会に銀行というものを自分がまったく誤解していたことに気がついたのだった」
その後、社長は銀行相手に裁判を起こし、池井戸氏も退職後、社長側の証人として裁判に立ったが、社長側は敗訴。「この理不尽なことを、このまま埋もれさせないためにも、いつか、このことを何らかの形で書くと、社長に約束したんです」(「人事マネジメント」)
この事件を題材に書かれたのが江戸川乱歩賞(98年)受賞作の『果つる底なき』(講談社)なのだ。当時から池井戸氏の最近の数々のヒット作につながるヒューマニズムを感じさせるエピソードではないか。
松井克明/CFP
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