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LCC業界、消えた勝ち組、なぜ早くも岐路に?パイロット不足で相次ぐ欠航、過当競争…(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/498.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 6 月 16 日 07:00:34: igsppGRN/E9PQ
 

LCC業界、消えた勝ち組、なぜ早くも岐路に?パイロット不足で相次ぐ欠航、過当競争…
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140616-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 6月16日(月)3時0分配信


 LCC(格安航空会社)元年といわれた2012年から2年が経過し、LCCは大きな曲がり角を迎えた。LCC各社はパイロット不足により欠航が相次いでいる。

 ANAホールディングス(HD)傘下で関西国際空港を拠点するピーチ・アビエーションは、5月19日から10月25日まで最大2128便を欠航する。同じくANA HDが100%出資する成田国際空港拠点のバニラ・エアも、6月に154便が欠航。日本航空系で成田空港を拠点とするジェットスター・ジャパンも6月に101便が欠航。国内LCC3社の中で唯一の勝ち組といわれてきたピーチの失速は、LCC業界全体に影を落とし始めている。

●一人勝ちだったピーチ

 国内LCC第1号のピーチ・アビエーションは4月28日、累計搭乗者数が500万人を超えた。運航開始から26カ月目での到達となった。ピーチが拠点を置く関西国際空港は、「アジアのLCCの拠点」になるという方針を打ち出しており、24時間離着陸ができる上にLCC専用ターミナルを備え、着陸料も大幅に割り引いている。関西財界も応援するなど、地元の全面的なバックアップを得てピーチは「唯一の勝ち組」といわれてきた。

 航空会社は年3回のかき入れ時がある。年末年始、ゴールデンウイーク、お盆の3回で、その時期の搭乗率はLCC3社の今後を占う目安になる。搭乗率75%以上が採算ラインといわわる中、航空専門情報会社Aviation Wireの調査によると、LCC3社が揃った12年の年末年始(12年12月21日〜13年1月6日)の国内線搭乗率はピーチが83.5%、ジェットスターが78.7%、エアアジア・ジャパン(現バニラ・エア)が77.4%と横並びだった。

 その後、13年のゴールデンウイーク(4月25日〜5月6日)のピーチの国内線の搭乗率は91.3%、お盆期間は93.6%、13年から14年の年末年始は87.8%と圧勝した。ちなみに今年のゴールデンウイークのピーチの搭乗率は86.1%で、同期間は12年、13年と2年連続して9割超だったが、今年は日並びの影響もあり9割を下回った。

 ピーチとは対照的に、ANA HDがマレーシアのLCC、エアアジアと合弁で運営していたエアアジア・ジャパンの搭乗率は上がらず、合弁を解消した。その後、13年12月にANA HDの100%出資で再出発したバニラ・エアの今年のゴールデンウイークの国内線の搭乗率は、64.9%と振るわなかった。

 また、ジェットスターは機体を増やし新規路線を次々と開設して座席数を増やしたことで乗客数は12万人を超えたが、今年のゴールデンウイークの搭乗率は前年より3.2ポイント減って75.7%だった。ミニスカ搭乗員で話題を呼んだスカイマークの75.0%と同じ水準だ。

【主要航空会社の旅客数と搭乗率(ゴールデンウイーク期間:14年4月26日〜5月6日)】
                      旅客数(人)   搭乗率(%)
ピーチ・アビエーション(国内線)    98,314      86.1
              (国際線)    36,751      85.1
バニラ・エア(国内線)         20,822      64.9
        (国際線)         13,970      80.8
ジェットスター・ジャパン(国内線)   124,761      75.7
日本航空(国内線)         1,099,695      67.9
      (国際線)           288,495      79.6
全日本空輸(国内線)        1,442,011      63.3
       (国際線)          242,796      73.3
スカイマーク(国内線)         264,484      75.0
※Aviation Wire調べ、搭乗率は座席数に占める旅客数の割合

●大規模な欠航

 好調のピーチを突如として襲ったのが、機長(パイロット)不足の問題である。病気やけがで機長が不足し、夏場に予定した増便計画をほぼ全面的に取り下げたが、世界規模でパイロットが不足し、争奪戦になっているという構造的な問題が背景にある。

 ピーチは4月30日、5月〜10月に最大2072便を減便すると発表したが、さらに5月20日には、8月に運航予定の56便の追加欠航を発表。欠航便は最大で合計2128便に上る。4月30日の発表時点で、欠航便は5月から10月までの計画便1万2886便の16.5%にあたり、影響旅客数は最大2万7209人に達する見込みだ。

 ピーチが運航するエアバスA320型機(180席)は12機で、6月に13機目の引き渡しを受ける予定だ。4月末時点の運航乗務員は108人で機長が52人、副操縦士が56人。機長の不足分は外部から雇い入れることにしていたが、計画を下回った。13機体制になっても減便が生じる期間は11機体制のスケジュールで運航する。

 ピーチに続いて、バニラ・エアとジェットスターも欠航に追い込まれた。LCCは余剰の機材や人員を抑えることでコストを削り、割安な運賃を提供して若者を中心に顧客層を拡大してきた。だが、短期間のうちに路線や便数を拡大した影響でパイロットの不足が深刻になった。自力でパイロットを養成することは時間も費用もかかって難しい。一方で、パイロットの引き抜き合戦は激しさを増すばかりだ。

 8月には中国最大のLCC、春秋航空などが出資する春秋航空日本が成田国際空港を拠点に国内3路線の運航を始める。6月末を予定していたが、春秋航空もパイロット不足が原因で再度、就航を延期した。13年にANA HDとの合弁を解消し国内LCC市場から撤退したマレーシアのエアアジアも15年をメドに再参入を目指し、パートナーを探している。

 人手不足による相次ぐ欠航という混乱の中、国内LCC市場は5社がひしめく激しい過当競争時代を迎える。

編集部


 

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