http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/490.html
Tweet |
昨年6月5日、安倍首相が「成長戦略」を披露した途端、株価は暴落。今年もまたか photo Getty Images
「年中行事」の成長戦略を海外投資家は「まったく期待していない」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39545
2014年06月15日(日) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
最近、ファンドマネジャー連中と話していても、アベノミクスの“成長戦略”が話題になることは殆どない。特に、海外の投資家の中には、「成長戦略の発表は既に年中行事になっており、全く期待していない」と指摘する向きもある。
■金融市場の評判が悪い今年の「新成長戦略」
政府が産業競争力会議で発表した新成長戦略の骨子を見ると、目新しい項目は殆どない。今までに幾度となく出ている、女性の労働力化やコーポレートガバナンスの強化、混合医療の自由化等が主な項目として挙げられているに過ぎない。
そうした内容を見ると、海外投資家に期待してほしいという方が無理だ。むしろ、投機筋など短期取引を得意とする投資家には、成長戦略の発表が売りシグナルになっているとも考えられる。
今回の新成長戦略に関しては、金融市場参加者の中の評判はかなり悪い。女性の労働力が必要なことに異論の余地はないだろうが、それを如何にして実現するかは具体的な提示がない。いつものように、今後の検討課題というのでは説得力はない。
独立した社外取締役の設置などについても、具体的な目的が伝わって来ない。混合医療の促進に関しては評価する人もいるものの、実際の診療がどの程度進むかはやってみなければわからない。
その他に国家戦略特区での規制緩和や、原子力発電所の稼働などが盛り込まれているのだが、どれも斬新さはなく今まで謳われてきたことの繰り返しが多い。それでは、わが国経済にとってどれほどの効果があるか分りにくい。
■既得権益層の退治なくして市場の安定なし
「成長戦略が出るころになると、株が売られやすい」。ベテランディーラの一人がこぼしていた。そう言われてみると、わが国企業の業績は堅調で株式市場が安定した展開になっている時、成長戦略に対する失望感で株式が売り込まれることが多かった気がする。
そうした状況を解決するためには、安倍政権が本気で既得権益層を退治する姿勢を示すことが必要だ。労働市場の自由化や医療制度の改革などは、今までに何回も既得権益層の壁に跳ね返されてきた。
金融市場の参加者が、「今回も恐らくそうした結果になるのだろう」という諦めの心理を持っている間、わが国経済の本格的な改革を望むことはできない。ということは、投機筋などから日本株売りが出され、金融市場が不安定化することが繰り返される。そろそろ、そうした循環を断ち切って欲しいものだ。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。