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就活で強まる「ターゲティング」の動き 理系は特に顕著?〈AERA〉
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/480.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 6 月 14 日 16:17:45: igsppGRN/E9PQ
 

就活で強まる「ターゲティング」の動き 理系は特に顕著?〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140614-00000005-sasahi-soci
AERA 2014年6月16日号より抜粋


 純粋な学歴か、それとも課外活動などの実績か……就職の採用で何が重視されるかについては、様々な説がある。しかしここにきて、ある傾向が強まっているという話も。

 企業の採用活動と学歴は、常に互いの距離を変化させながら「蜜月」を続けてきた。

 かつては明確な「指定校制度」を設けて、おおっぴらに学歴でフィルタリングする時代があった。しかし、バブルで採用数が増え、エントリーシートを使ったオープンエントリーが一般的になったことで、指定校制度は廃れていった。人事に詳しいHRプロの寺澤康介社長は言う。

「確かに、『東京大学の法学部から5人は絶対確保』『早慶しか採らない』というような厳しさは薄れています。でも、大学生の数が増えた分、例えば『六大学より上』というような大学ターゲティングは、むしろ強まっている。一定ラインより上の大学なら、人柄重視でフラットに採用することも多いようです」

 一部では大学名だけではなく学部や学科名、具体的に何を学んできたかというところまでターゲットを細分化しているところもある。理系では、特にその傾向が顕著だという。

 書類を手書きしていた時代と違って、現在はインターネットを使えばクリックひとつでエントリーできる。人気企業には応募が殺到し、選考する企業の側は、どこかで線引きをしないと対応しきれない。マイナビ編集長の三上隆次氏は分析する。

「選考活動は2016年度入社の採用から、大学4年の8月解禁になります。10月の内定式まで2カ月しかなく短期化するため、企業は必然的に、ターゲット校をより絞らざるを得ないでしょう」

 応募者が殺到する超大手は採用期間が短い分、例年より絞る。今まで超大手の採用が終わるのを待ってから採用活動をしていたそれ以外の企業は、リクルーター制を導入する可能性が高いという。


 

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コメント
 
01. 2014年6月14日 17:59:22 : kWghejbbXw
別に特記するほどのことでない。昔からやってきたこと。
理系は専攻してきた学科が条件となるのは当たり前のこと。

02. 2014年6月15日 09:02:09 : jXbiWWJBCA

JBpress>海外>海外の日系紙 [海外の日系紙]
大卒の給与水準、ついに高卒の2倍に
2014年06月14日(Sat) 週刊NY生活
週刊NY生活 2014年6月7日492号

 ワシントンDCにある経済政策研究所が行った米労働局の統計に基づいた分析データによると、2013年に大学学位を持っている人は持っていない人と比べ平均時給は98%高かった。

 1980年代初頭で64%、10年前で85%、5年前で89%と高卒と大卒の賃金格差は倍近くに拡大している。

 学位を持っているか持っていないかの差は歴然としており、大学中退者の平均時給はこの30年あまり高卒の1.1倍前後の横ばいでほとんど変化がないのに対し、大卒は高卒に比べ1980年の1.4倍から2013年の1.8倍と右肩上がりとなっている。

 景気が後退し、企業が求める大卒が必要以上に供給過多であれば、この格差は縮小するとされてきた。しかし近年は大卒が増え続け景気後退に見舞われても学歴による賃金格差が広がっている。

 この現象についてマサチューセッツ工科大学(MIT)のエコノミスト、デイビッド・オーター氏は「(それでも)大卒数が少な過ぎる。大学に入ろうとする人も少な過ぎる」と話す。

 オーター氏らの計算によれば大学学位を得るためのあらゆる費用すべて入れると1人50万ドルになるという。これは30年前の2倍となっている。

 現在、学生ローンなどの負債は全米でその総額はおよそ1兆ドルにも及ぶ。相当の出費を強いられるため、それに見合う価値があるのかとしばしば疑問視される。

 しかし4年生大学の卒業時の負債は1人平均2万5000ドルであり、25歳から35歳の大学卒者の今年4月の失業率は3%で、全米平均の6.3%に比べ半分以下となっている。

(週刊NY生活・本紙記事の無断転載を禁じます。JBpressでは週刊NY生活の許可を得て転載しています)


03. 2014年6月15日 23:23:03 : jXbiWWJBCA
内々定辞退阻止せよ!懇親会や予備軍発見SNS
読売新聞 6月15日(日)9時35分配信
内々定辞退阻止せよ!懇親会や予備軍発見SNS
効果的な内々定の伝え方を練習する参加者ら。iPadで撮影し、表情や話し方までチェックする(5月22日、東京都千代田区で)=高橋美帆撮影
 来春大学卒の就職活動は、景気回復で学生の売り手市場の様相が強まる。

 求人数は伸びても、内々定は一部の優秀な学生に集中しがち。そこで中小企業は、入社意欲を高めるノウハウを研修で学んだり、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を駆使したりと、引き留めに懸命だ。

 5月下旬、東京都心のビルで、就職情報会社マイナビ(東京)の「内定辞退防止研修」が開かれた。

 「アルバイトで工夫をし、成果を出してきたことが、仕事にもつながると思って評価しました。ぜひ活躍してください」

 「ありがとうございます」

 受講した企業の人事担当者らが、採用側と内々定になった学生側に分かれて模擬面談を行った。会社が必要とする人材であることを強く印象付け、入社意欲を刺激するねらいだ。保護者に手紙を出すなどのノウハウも伝授された。

 受講した都内の建築会社の人事担当者は「学生がなかなか集まらず、採用目標の半数しか内々定が出せなかったのに、既に1人辞退した」と苦しい実情を明かす。ウェブ制作会社の担当者も「業界大手が追加募集しており、内々定者が奪われないか不安だ」と話す。

 リクルートホールディングスの調査によると、来春大学卒の求人数は計68万人で、前年より25・6%増加。うち中小企業は44・5%増で、優秀な学生を巡って争奪戦が起きている。

 そんな中、企業の人事担当者と内々定者が交流するSNSに「内定辞退予備軍発見機能」を搭載するサービスも登場した。

 開発した「ガイアックス」(東京)によると▽人事からの質問に対して回答が遅い▽長期間投稿がない――などの学生を順位付けし、人事担当者専用画面に「内定辞退予備軍」と表示する。早期発見で、人事担当者の対応を促すねらいだ。

 その他、懇親会やスポーツなど、入社前からイベントを開催して交流を深める中小企業も多い。

最終更新:6月15日(日)9時35分読売新聞

迷ったら自分の心の声に従え 表層の情報に惑わされるな
産経新聞 6月14日(土)23時30分配信
 「5月末の内々定率は49.0%」(出所:2015年卒マイナビ大学生就職内定率調査)との結果が先日発表されました。この結果を受けていろいろと感じる方もいると思います。内々定をもらえている学生と、もらえていない学生が半々ということになります。自分の周囲の半分が内々定をもらっていると、焦る学生もいると思いますが、同様に半分はまだ内々定をもらえていないことも事実です。内定塾の内々定率は5月末の段階で、70%くらいに達しております。まだまだ就職活動を頑張っている塾生はおります。就職活動が、大学受験のように選考時期がまとまっているのであれば、意識せざるを得ない数字となりますが、企業の選考は各社バラバラなので、就職活動中の学生は数字だけに惑わされることがないようにしてください。

 内定塾で日々学生と向き合っていると、「なぜ大手企業にこだわるのか」「大手企業に勤めている人は優秀だ」「大企業から内々定をもらっている学生へ尊敬の念を抱く」など本質よりも表面的な部分を見ている学生がこの時期になるとよく見られます。

 これらの感情は日本人特有のものであると考えられます。日本人は、義務教育、高校、大学と多くの方が同じような道を歩んでいると思います。同じような人と生活をしていく中で「バイアス」(偏り)が培われていくと私は考えております。

 バイアスに関してはライフネット生命社長兼COOの岩瀬大輔さんのブログでも「自らの強みと弱みを把握すると同時に、自分がどのような職場環境で育ってきたか、それによってどのようなバイアスを有しているかを意識して、それによって必要に応じて自らの意見を修正していくことで、より良い仕事ができるはずだ」と述べていました。

 バイアスを例で挙げると、例えば下記のようなことが挙げられます。

 学歴社会を生き抜いてきた人のイメージ

「東京大学」 → 「頭が良い」

「総合商社」 → 「憧れる」

 ファッションが大好きな人のイメージ

「モデル」 → 「かっこいい」

「ブランド」 → 「憧れる」

 男らしさのある人のイメージ

「力が強い」 → 「すごい」

「プロボクサー」 → 「ストイック」

 もちろん上記の例はあくまで一例ですが、今まで生きてきた環境や自分の幼い頃の感覚によって、世の中の“常識”という物のとらえ方が微妙に変わっていきます。しかし、それらの感覚というのは残念ながら全てが正しいわけではございません。本心ではやりたいことがあるのに、バイアスのせいで直感に従うことのできない場合がたくさんあります。

 これから先の人生で、何かを判断しなければいけない岐路に立ったときは常に「自分のバイアスはどうなっているのか」を客観的に見ることができるようにしてください。私が一番よくないと考えていることは、バイアスのせいで自身の心の声に従うことができない状態です。これは就職活動に限った話ではないですが、今後の人生を生きる上で参考にしていただければと思います。(「内定塾」講師 池田陽介)

 ここ十数年で新卒の就職活動も大きく変化してきました。今年は特に変化の年になります!!新卒の就職活動は、世の経済状況や世相を反映しやすく、年によって状況が異なります。全国10校舎持つ就活塾・予備校最大手の「内定塾」講師が週替わりで、就活事情の最前線をご紹介します。

 内定塾:http://www.naitei−jyuku.jp/

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最終更新:6月14日(土)23時30分産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140614-00000602-san-bus_all


04. 2014年6月16日 08:26:20 : nJF6kGWndY

>大学名だけではなく学部や学科名、具体的に何を学んできたかというところまでターゲットを細分化

ごく一部の優良企業を除き、逆だろうな

もう買い手市場ではない


05. 2014年6月16日 09:17:16 : nJF6kGWndY

それに学歴が高くても使えない人間は多い

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140611/266701/?ST=print
なぜ、高学歴の人物が、深い知性を感じさせないのか?

2014年6月16日(月)  田坂 広志

なぜか「知性」を感じさせない「高学歴」の人物

田坂教授は、5月に、新著『知性を磨く「スーパージェネラリスト」の時代』(光文社新書)を上梓されました。この連載『知性を磨く スーパージェネラリストへの成長戦略』では、ビジネスパーソンは、いかにして、日々の仕事を通じて「知性」を磨いていくべきか、そして、「七つのレベルの知性」を垂直統合した「スーパージェネラリスト」へと成長していくことができるかについて、伺いたいと思います。

 まず、この連載第1回のテーマは、「なぜ、高学歴の人物が、深い知性を感じさせないのか?」です。

 最初から、随分、刺激的なテーマですね?

田坂:そうですね。正確に言えば、「なぜ、高学歴の人物が、必ずしも、深い知性を感じさせないのか?」と言うべきですが、実際、高学歴を誇る人物を見ていて、たしかに「頭は良い」とは思うのですが、あまり「賢い」とは思えない人物がいるのではないでしょうか? 「頭は良い」が、「思考に深みが無い」人物です。

深みの無い「新事業企画」

例えば、どのような人物でしょうか?

田坂:例えば、ビジネスの現場で、次のような場面を見かけたことがないでしょうか?

 ある若手社員が、社内会議で、新事業企画について見事なプレゼンテーションをする。弁舌は爽やか。立て板に水。頭の回転は速い。話も論理的。プレゼンのスライドも見やすく、選び抜いた言葉を使う。さすが、偏差値の高い大学を、優秀な成績で卒業しただけある。本人も、このプレゼンで、自分の提案する新事業企画が、十分な説得力をもって説明できたと思っている。

 しかし、なぜか、その会議に出席した中堅のマネジャー諸氏からコメントが出ない。皆、悩ましく思いながら、言葉を選んでいる。そして、ようやく、一人のマネジャーが、全員の気持ちを代弁するように言う。

「理屈では、たしかに、そうなのだけれど……」

 経験豊かなマネジャーは、誰もが感じている。新事業開発というものは、この若手社員が語るほど、簡単に理屈で割り切れるものではない。市場規模の数字や事業戦略の論理の向こうに、顧客の生の声や思いというものがある。そのことは、一度でも新事業開発に真剣に取り組んだ人間ならば、誰もが分かっていること。ただ、そのことを説明しても、まだ経験の浅いこの若手社員には、おそらく理解できないだろう。熟練のマネジャーは、皆、そう思っている。

 思わず、この若手社員が聞く。「何が、問題なのでしょうか?」
 その質問に対して、マネジャーの一人が、言葉を選びながら答える。

「何と言うか、この企画は、少し深みが足りないんだね……。
 新事業企画には、数字などのデータには現れない要素が沢山ある。
 もう少し、そうした『目に見えないもの』を
 考えてみたらどうかな……」

 ビジネスの現場で、こうした場面を見たことがないでしょうか?

思い当たるシーンが、心に浮かびますね……(笑)。

職場にいる「不思議な人物」

田坂:この連載の読者の中にも、こうしたシーンに遭遇した方は、少なくないのではないでしょうか? そして、職場に、このような若手社員がいるのではないでしょうか?

 学歴は一流。偏差値の高い有名大学の卒業。頭脳明晰で、論理思考に優れている。頭の回転は速く、弁も立つ。データにも強く、本もよく読む。
 しかし、残念ながら、思考に、深みが無い。

 いや、それは若手社員だけではありません。実は、こうした「頭は良いが、思考に深みが無い」と評すべき人物は、年齢に関係なく存在します。

 そして、「思考に深みが無い」ため、これらの人物からは、「知性的」な雰囲気が伝わってこない。端的に言えば、「高学歴」であるにもかかわらず、深い「知性」を感じさせない人物。そうした不思議な人物が、職場にいるのではないでしょうか?

「知性」と似て非なる言葉

そうした人物は、たしかにいますね……(笑)。では、なぜ、そうした人物がいるのでしょうか?

田坂:もし、その理由を知りたければ、「知性」という言葉と似て非なる、もう一つの言葉の意味を理解する必要があります。

 それは、「知能」という言葉です。

 では、「知性」と「知能」は、何が違うのか?
 実は、この二つは、全く逆の意味の言葉なのです。
 端的に、この二つの言葉の定義を述べましょう。

 まず、「知能」とは、「答えの有る問い」に対して、早く正しい答えを見出す能力のことです。

 例えば、世の中には「知能検査」というものがありますが、この検査は、正解の有る問題を数多く解かせ、いかに迅速に、正解に到達できるかを測るものです。
 すなわち、「知能」とは、まさに、「答えの有る問い」に対して、速く、正しい答えを見出す能力に他ならないのです。

 そして、言うまでもありませんが、現在の中学、高校、大学などの入学試験で測られるのは、この意味における「知能」であり、現在の「学歴社会」において受験競争を勝ち抜いてきた「高学歴」の人間とは、この意味での「知能」が高い人間のことに他なりません。

なるほど、では「知性」とは?

田坂:これに対して、「知性」とは、この「知能」とは全く逆の言葉です。
 二つ並べて述べましょう。

「知能」とは、「答えの有る問い」に対して、早く正しい答えを見出す能力。
「知性」とは、「答えの無い問い」に対して、その問いを、問い続ける能力。

 すなわち、「知性」とは、容易に答えの見つからぬ問いに対して、決して諦めず、その問いを問い続ける能力のことです。ときに、生涯を賭けて問うても、答えなど得られぬと分かっていて、それでも、その問いを問い続ける能力のことです。

知性とは「哲学的思索」のことか?

「答えの無い問い」を問う力ですか……。それが「知性」だと……。

田坂:そうです。例えば、1977年に「散逸構造論」の業績でノーベル化学賞を受賞したイリア・プリゴジン博士は、若き日に、「なぜ、時間は、過去から未来へと一方向にしか流れないのか?」との問いを抱き、その問いを数十年の歳月を超えて問い続け、この「散逸構造論」という理論を生み出すに至ったわけです。

 これは、見事な「知性」の営みと呼べるものでしょう。

 同様に、

「なぜ、この宇宙は生まれたのか?」
「なぜ、生命は進化していくのか?」
「心とは何か?」
「人類は、どこに向かっていくのか?」
「私とは何か?」

 といった問いは、いずれも「答えの無い問い」です。

 一人の人間が生涯を賭けて問うても、その答えを得ることができない問い。
 人類がこれから百年の歳月を賭けて問うても、容易に答えの得られぬ問い。

 そうした問いを問い続ける力が、「知性」と呼ばれるものです。

なるほど、そういった深遠な哲学的思索をする力が、「知性」なのですね?

田坂:いえ、そうではありません。「答えの無い問い」は、決して、深遠な哲学的領域の中にだけあるわけではない。我々の日々の生活の中にも、日々の仕事の中にも、無数に、この「答えの無い問い」があるのです。

部下に転属を命じるか否か?

 例えば、マネジメントにおいて、部下に転属を命じるとき、我々は、「答えの無い問い」に直面します。

 例えば、ある会社の企画部長が、営業部長から、ある若手の部下が欲しいと言われる。そのとき、この部下を、自分の下で、もう少し企画の修業をさせてあげるべきか、営業で、新たなスキルを磨かせてあげるべきか、悩みます。心の中で、次のような問いが、交互に浮かびます。

「営業が欲しいと言っているときだからこそ、彼が新天地で活躍できるチャンスではないか?」
「いや、企画部でいま担当しているプロジェクトを軌道に乗せることが、彼の今後の大きな自信になるのではないか?」

 実は、こうした問いは、もし真剣に考え始めたならば、まさに、「答えの無い問い」なのです。

 しかし、この問いに対して、多くのマネジャーは、あまり深く考えることなく、結論を出していきます。そして、そのことは、必ずしも批判されることではありません。様々な意思決定事項が山積しているマネジャーの多忙な業務のなかで、こうした一つの案件に、多くの時間と精神のエネルギーをかけて結論を出す余裕は無い。それが現実だからです。

 しかし、仮に、短時間で判断を下していくとしても、我々マネジャーが、理解しておくべきことがあります。

 一人の部下に転属を命じるか否かということ一つでも、本当は、深く考えるならば「答えの無い問い」であるという事実。

 その事実を知って判断に向かうマネジャーと、その事実に気がつかず判断に向かうマネジャーは、その「知性」の在り方において、大きな違いが生まれてくるのです。

「答えの無い問い」に直面する「知能」

たしかに、部下に転属を命じるか否かだけでも、良く考えれば、実は、「答えの無い問い」ですね……。

田坂:そうですね。だから、「答えの無い問い」は、決して「深遠な哲学的思索」の中だけにあるのではない。我々の人生においては、日々の生活の中にも、日々の仕事の中にも、無数に「答えの無い問い」があるのです。

 そして、その「答えの無い問い」を前に、その問いを、深く問い続けることのできる能力、それが「知性」に他なりません。
 これに対して、「知能」とは、「答えの有る問い」に対して、早く正しい答えを見出す能力のことです。

 では、この「知能」が、「答えの無い問い」に直面したとき、何が起こるか?

何が起こるのでしょうか?

田坂:端的に言いましょう。

「割り切り」

「知能」は、それを行ってしまいます。
 すなわち、考えてもなかなか答えの出ない問題を前にしたとき、「知能」は、しばしば、この「割り切り」という行為に走るのです。
 例えば、先ほどの部下の転属の問題に直面した企画部長が、こう考える。

「まあ、営業部長が彼を欲しいと言っているのだから、それでいいか……」
「まあ、彼なりに、新天地で頑張っていくだろう……」

 もしくは、

「いや、ここで彼を取られると、こっちも困るんだね……」
「きっと、彼も、いまのプロジェクトを完遂したいのではないかな……」

 どの考えも、一つの考えであり、決して間違ったことは言っていません。
 しかし、こうした判断の奥にある、心の姿勢が、実は問題なのです。

何が問題なのでしょうか?

「楽になりたい」と叫ぶ心

田坂:これも端的に言いましょう。

「楽になりたい」

 この部長の心の中で、その思いが動いているのです。

「この問題は、いくら考えても、正解など無いのだから、
 これ以上考えても仕方がない。
 これ以上、この問題を考えても、
 精神のエネルギーを無用に使うだけだ……」

 そうした心が、無意識と意識の境界のところで動いているのです。
 ただ、私も、一人のマネジャーとして、一人の経営者として、道を歩んだ人間ですので、この部長の気持ちは分かるのです。
 しかし、一方で、かつて文芸評論家・亀井勝一郎が語った言葉が、心に浮かんできます。

「割り切りとは、魂の弱さである」

 その言葉です。
 この言葉は、厳しい言葉ですが、まぎれもなく、一つの真理を突いた言葉です。

 たしかに、我々の精神は、その容量を超えるほど難しい問題を突き付けられると、その問題を考え続けることの精神的負担に耐えかね、「割り切り」を行いたくなるのです。

 問題を単純化し、二分法的に考え、心が楽になる選択肢を選び、その選択を正当化する理屈を見つけ出す。

 例えば、先ほどの理屈です。

「相手が欲しいと言っているのだから……」
「彼なりに、頑張っていくだろう……」
「こちらが困るのだから……」
「彼も、そう思っているだろう……」

 そういった理屈で、「割り切って」しまうのです。

なぜ、そうした「割り切り」が問題なのでしょうか?

田坂:これも端的に言いましょう。

「知性を磨く」ことができなくなるからです。

 すなわち、精神が「楽になる」ことを求め、「割り切り」に流されていくと、深く考えることができなくなり、「答えの無い問い」を問う力、「知性」の力が衰えていくのです。

「割り切り」の対極の方法

しかし、精神の弱さに流され、「割り切り」をするべきではないという考えは分かるのですが、現実の人生や仕事においては、目の前の選択肢の中から、短時間で何かを選ばなければならないときがあるでしょう。そのとき、「割り切り」をせずに、迅速な意思決定をすることができるのでしょうか?

田坂:大切な質問ですが、その答えは明確です。

「割り切り」をせず、迅速な意思決定をすることはできます。

 もとより、「割り切り」をするべきではないと言っているのは、「迅速な意思決定」をするべきではないと言っているわけではありません。「精神の弱さに流された意思決定」をするべきではないと述べているのです。

 では、「精神の弱さに流されない迅速な意思決定」とは、何か?
 それが、昔から語られる、もう一つの言葉です。

「腹決め」

 すなわち、「これで行くしかないか……」と、腹も定まらず、受動的に意思決定するのではなく、「これで行こう!」と、腹を定め、能動的に意思決定することです。
 先ほどの部下の転属の例で言えば、

「営業部長が欲しいと言っているのだから、まあ、良いか……」

 という「割り切った」心の姿勢ではなく、

「営業部長から声がかかったのも、何かの意味がある。
 この転属が、彼の飛躍の機会となることを祈って、
 転属を受け入れよう!」

 という「腹を決める」心の姿勢です。

「割り切り」と「腹決め」の違い

つまり、その「割り切り」と「腹決め」は、何が違うのでしょうか?

田坂:前者の「割り切り」の心の姿勢は、心が楽になっている。

 しかし、後者の「腹決め」の心の姿勢は、心が楽になっていない。
 その違いです。
 そして、この二つの心の姿勢がもたらすものは、大きく違うのです。

 おそらく、前者の「割り切り」をした企画部長は、転属を命じた部下のことは、まもなく忘れていくでしょう。

 後者の「腹決め」をした企画部長は、転属を命じた部下のことを、時折、思い出し、「彼は、営業で頑張っているかな……」「何年かしたら、また、企画部に戻してやろうか……」といった形で、心に抱き続けるでしょう。

 臨床心理学者の河合隼雄が、かつて、「愛情とは、関係を断たぬことである」との言葉を残していますが、まさに、その通り。

 後者の企画部長は、「心の中で関係を断たぬ」という形で、かつての部下に対する愛情を抱き続けることができるでしょう。それができるほどの「精神のエネルギー」を心に宿しているからです。

 そして、その精神のエネルギーこそが、「知性」というものの根底にある力であり、「知性」を磨き続けるために求められる力なのです。

 そのエネルギーがあるからこそ、我々は、「答えの無い問い」を、問い続けることができるのです。

なるほど。しかし、知性を磨いていくために、旺盛な精神のエネルギーが求められるならば、歳を重ねた人間は、エネルギーが衰えていくから、知性を磨くことは難しいのではないでしょうか?

田坂:いえ、そうではありません。実は、精神のエネルギーは、年齢とともに高まっていくのです。
 次回は、そのことを語りましょう。

このコラムについて
知性を磨く スーパージェネラリストへの成長戦略

いま、ビジネスプロフェッショナルに求められる「知性」とは何か? 21世紀、企業や組織、政府や自治体、国家や社会が抱えている多くの難題を前に、ビジネスプロフェッショナルに求められているのは、何よりも、「目の前の現実を変革する知の力」、すなわち「変革の知性」であろう。では、「変革の知性」とは何か? それは、「思想」「ビジョン」「志」「戦略」「戦術」「技術」「人間力」という「7つのレベルの知性」を垂直統合した「スーパージェネラリストの知性」に他ならない。


この連載においては、

(1)「知性」とは、そもそも、いかなる力か?
(2)「7つの知性」とは、それぞれ、いかなる知性か?
(3)「7つの知性」を、それぞれ、いかにして磨いていくか?
(4)「7つの知性」を、いかにして垂直統合していくか?
(5)「7つの知性」を垂直統合した「スーパージェネラリスト」とは、いかなる人材か?
(6)「スーパージェネラリスト」が身につけるべき「多重人格のマネジメント」とは、いかなる技法か?
(7)「多重人格のマネジメント」によって、なぜ、「多様な才能」が開花するのか?

といったテーマを中心に、田坂教授に、縦横に語ってもらう。


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