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成長戦略の骨子案について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52597096.html
2014年06月10日 在野のアナリスト
日経平均が15000円を割れてきました。週末のSQにむけ、買いが重かった面も要因ですし、急速にすすむユーロ安も気になるところです。スペイン国債の利回りが、米国債利回りを下回るなど、世界が異常な金融緩和に陥る中、複層的な要因とはいえ、説明のつかないことが多過ぎます。史上最高値に沸く米株、独株など、売買高が著しく低下しており、まったく熱気がない。本当に、将来の経済成長を期待しているのか? というと懐疑的で、それでも上昇しています。VIX指数の低下、ボラティリティの低下、次の変調を予感させる傾向も垣間見られています。
そんな中、日本の急落には一部、政府が示した成長戦略の骨子案が影響したのでは? との見方があります。安倍首相が強い意欲、と伝わるJA全中改革は、自律的に新たな制度に移行、と表現を和らげ、ホワイトカラー・エグゼンプションも調整中。そもそも、ここが成長分野か? ということにも疑問がありますし、施行には正負両面があります。残念ながら、今の政府、官僚にマイナスのシミュレーションを行い、穴を塞ぐような対策は期待薄ですから、悪法になりかねません。
50年後に1億人の人口をキープ。としてみても、女性の社会進出を促せば、子育てが覚束なくなる。幼保一本化も道半ば、ベビーシッターでも事件があったように、需要と供給にミスマッチがある。そこに対して、どうやって? という項目が完全に欠落した状態です。第3子以降の重点支援、としてみたところで、今はデキ婚してすぐに離婚、子供を抱えて生活費を稼ぐため、働きにでる女性が多い。第2、第3子とつくる余裕はありません。それに第3子ともなれば、女性はほぼキャリアを諦めなければならない。いずれにしろ、今まで上手くいっていないのですから、新たにどうするか? というものがあって骨太のはずですが、まったくそれがありません。
民間投資を喚起し、対日直接投資を促進、そのための法人税改革としますが、今は需要に応じて供給側も工場を設置します。例えば今、新たなタックス・ヘイブン化しているのが英国で、英企業買収の話が活発なのも、英国に拠点をおく企業への税優遇が顕著で、そのための動きが出ているのです。では日本が、英国と争って企業優遇競争に陥るのか? そして米国は、英国のそうした動きに切歯扼腕している。日本は米国からシッポを踏まれるため、当然競争には負けます。新興国から日本へ進出してくる企業は稀でしょうから、一体どこと競争し、対日直接投資を求めるのか? すべては需要が減る日本には、法人税減税ぐらいでは魅力がないこと、なのです。
しかも安倍ノミクスが成功すると、必ずいずれ急激な円高局面を迎えることが、対日投資を控える要因となります。日銀の量的緩和が終わったら、金利上昇に伴う円高。インフレが昂進しても円高。無理やり金利を抑え、流動性を供給しても100円と少しの水準なら、将来的には70円を切ってくることも想定しなければなりません。そんな国にあえて投資する企業があるとは思えません。
安倍ノミクスは将来的に成長する分を、今先どりした政策です。逆にいえば、今以上に成長を促すことはあり得ません。円安によるコストプッシュインフレが、いずれ消費を減退させることが確実です。消費が減少していく国から、消費が増大する国に変える、それこそ真の成長戦略のはずですが、人口減対策は乏しく、企業優遇ばかりを考える安倍政権では、ハナから背伸びするぐらいの成長しかできない、ということかもしれず、以前も指摘したように海外勢が売りたててくるのか? 成長戦略のはずが、デッドラインになりかねない、そんな状況でもあるのでしょうね。
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