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即戦力採用時代突入 大学時代に何を成すべき?入社してはいけない企業の見抜き方
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140610-00010003-bjournal-bus_all
Business Journal 6月10日(火)3時0分配信
終身雇用はすでに崩壊プロセスにあり、新卒一括採用もやがて崩れるだろうというのは、筆者のかねてからの持論です。そして、その兆候はすでに現れ始めています。現在は、企業がポテンシャルはありそうでまっさらな若者を採用して自社カラーに染めるという時代から、大学で一定の成長を遂げている人材を即戦力採用する時代へと緩やかにシフトしている過渡期なのです。
つまり、これから必要とされるのは、大学名やポテンシャル、まして出身高校などではなく、大学で何を成し、そしてこれから何を成せるかという、きわめて現実的なものとなるはずです。
では、具体的に何を成し、どうキャリアにつなげていくべきでしょうか。仮に筆者が大学1年生で、将来は企業の管理部門でキャリアを積みたいと考えたとします。といっても、まだまだ具体的に企業や職種の内容まではイメージできませんから、とりあえず労働法、商法関係を中心に授業を選択する程度でしょう。入り口としてはそれで十分です。
加えて2年生くらいからインターンシップで管理部門をいくつか経験させてもらい、理論だけではなく現場レベルで肉付けします。「インターンなんてそう簡単にさせてもらえるの?」「まして管理部門でしょ?」と思う人もいるでしょうが、まさに今、そういう意欲の高い学生に複数の企業の内定が集中しているのが現実であり、業種や規模を問わなければチャンスはあるはずです。
そして「現在の労働法制と企業労務管理とのかい離」「今後、あるべき労働法制」をテーマに論文を書けば、卒論としてもそれなりに意義あるものができるでしょうし、採用面接において、企業側からも高く評価されるに違いありません。少なくとも筆者が面接官なら「リクルーターが引っ張ってきたへらへらした有名大学の学生」よりも、そうやって成果と可能性を感じさせてくれる学生を採用します。おそらく、たいていの一流企業の人事は筆者と同じ意見のはずです。
自分で目標を定め、そのために授業をフル活用し、就職にもそれを生かす。本来の高等教育のあるべき姿であり、これから日本社会が緩やかに進む方向だと、筆者は考えています。
●「出身高校名をチェックしている」という企業は避けたほうがいい
最近「新卒や中途の採用選考に際し、出身高校名をチェックしている企業がある」という話題をちらほらと耳にします。理由は単純で、少子化と学部増設により、学歴と質が釣り合わない学生が増えているため、出身高校名で二重に質のチェックをかけているわけです。
例えば、全然名前を聞いたことがない高校から“超難関”といわれる大学に進んでいる学生が「推薦やAO入試で入学したかもしれず、ポテンシャルは低いのではないか」と疑われたりするのです。大学が学生をたくさん入学させることで経営的に楽になることを選び、結果として学生の質が下がり、卒業証書を持っている人たちが迷惑するという「学歴のリフレ政策」みたいな流れになっているのです。
では、出身高校が有名進学校でなければ、就活や転職で肩身の狭い思いをするべきなのでしょうか? むしろ、そのように出身高校名でしか人物評価できない企業にはオサラバしろ、というのが筆者のアドバイスです。
当たり前の話ですが、出身高校でポテンシャルをチェックするという行為は、明らかに終身雇用カルチャーの一端です。所詮、大学名というポテンシャル指標を補強するための行為でしかありません。
日本企業の中でも、先見の明があってグローバル志向で脱・終身雇用年功序列を打ち出す企業が出始めている中、「君の高校は聞いたことないけど、ひょっとして受験してない?」などと、人事部長がねちねち聞いてくる企業に入ったところで、何もいいことありません。
その手の企業の人事部長は、変化のトレンドがまったく見えておらず、したがって社内の人事制度は旧態依然の終身雇用・年功序列制度であり、若者がこれから人生を投資する先としては不適格でしょう。高校名を追究されたり、推薦入試かどうかを質問されたりしたら、こう返してください。
「重要なのは、大学4年間で何を成したか、これから何ができるかだと考えており、自分はその点については自信があります。それでも高校名のほうが重要だとお考えなら、御社の人事制度はとても特殊なもののようですね。ぜひとも高校名が重要となる理由についてご解説いただけますか?」
それで「こいつはすごい」と評価されるならよし、落とされたらそんな企業はとっとと忘れて別の企業を受けましょう。
城繁幸/人事コンサルタント
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