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好調な不動産市場。今後の展開は読みづらい
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140607/ecn1406071100003-n1.htm
2014.06.08 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司
東日本大震災の直後、首都圏では一時的にガソリンを給油しにくくなった。ガソリンスタンドで2時間待ちなどという話をよく聞いたものだ。
潜在的な需要が爆発的に増えたわけではない。誰もが自分の車を満タンにしたかった。それだけの需要で首都圏のスタンドのタンクは空になってしまったのだ。
今、首都圏や近畿圏の新築マンション市場は、それとよく似ている。売り物がない品薄状態。去年から今年の前半にかけて、それだけよく売れた。業界にとっては結構な話で、大手不動産の2014年3月期決算は過去最高益の続出だった。
現在の市場は、いってみれば大震災直後のガソリンスタンドのようなものではないだろうか。
多くの人が「景気が良くなりそうだ」「この先、価格が上がるかもしれない」と考え、買いに走った。その結果、新築物件があらかた売れてしまった。
この「ミニ・マンションブーム」のような現象は今も続いている。しかし、この現象はあくまでもブームで、いつかは終わる。
私は、首都圏都心部と大阪、京都の新築市場を3〜4カ月に一度、ローラーを掛けるように1物件ずつウオッチングしている。ブームの終わりはまだ見えないが、売り物が少なくなってはいる。
売れ残っている物件にはそれなりの理由があるようだ。そんな物件まで売れてしまったら、これは本物のバブル。もしくは、本当の景気回復かもしれない。だが、そういう気配は感じない。
これから新たに市場に出てくるマンションは価格が1〜2割高いはずだ。原因の第一は建築費の高騰。人手不足による人件費の膨張が販売価格に及んできた。
高くなったマンションが、今の勢いで売れ続ければいいが、問題は、パタリと売れなくなった場合だ。
物件は、一度買えば何年、何十年と買う必要はない。ここ1年ほど、新築マンション市場は需要の先食いをしたのではないかと私は考えている。
怖いのは、その反動だ。マンション市場は景気の変動をもろに受ける。売れなくなると、本当に売れない。またぞろ同じようなことが起こるのではないかと嫌な予感がする。
不動産会社も、ちょっと身構えているようだ。イケイケドンドンと笛を吹いて鐘を鳴らしているが、内心は気が気ではないのだろう。今年の後半、市場がどうなるのか、慎重に見届けたい。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
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