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国債超低金利の8月転換説、なぜ広がる?生保は金利急騰に備え売却体制、巨額評価損も(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/352.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 6 月 07 日 08:15:45: igsppGRN/E9PQ
 

国債超低金利の8月転換説、なぜ広がる?生保は金利急騰に備え売却体制、巨額評価損も
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140607-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 6月7日(土)3時0分配信


「転換点が近づいている印象はある。メディア向けの公式コメントはともかく、内心ではそう感じている担当者、ディーラーは多いのではないか」

 債券市場に通じる金融関係者は言う。転換点とは超低金利のまま凪のように安定している債券市場(国債)が一転して波乱に見舞われる、要するに国債の価格が急落、金利が急上昇する局面を指す。こうした市場関係者らの懸念を裏付けるように、日経新聞4月24日朝刊は次のように報じた(以下、一部抜粋)。

「明治安田生命保険は23日、大量に保有する日本国債の価格が下がって長期金利が急騰する事態に備えて国債のリスク管理を強める方針を明らかにした。4月から市場や経済・財政の34の指標を毎月点検し、金利急騰の予兆が見られる場合は早期に日本国債を売却する体制を整えた」

 同記事によれば、住友生命も国債購入の規模を前年度より落とすという。

 これまで国債の安定した買い手であり、保有者だった大手生保の宗旨替えとも受け取れるが、需給面から買い手の減少は価格の下落(金利の上昇)を招きやすく、また巨額の資金を長期で運用する、言い換えれば鷹揚なタイプの投資家である大手生保のスタンス変更は、他の金融機関への影響力も大きい。

 もとより、「景気回復は金利上昇を促す」という経済の原則に従うのならば、10年物国債の利回りが0.06%前後と未曾有の超低金利水準で落ち着いているのは異様ではある。景況は明らかに好転している。円安、株高は定着し、企業業績も総じて堅調だ。ベア(定期昇給)を復活させる主要企業も少なくない。長く懸案だった雇用情勢も改善して業種によっては深刻な人手不足の状況にある。都心を歩けば高層マンション、オフィスビルの建設、リフォームラッシュ。もはやネオバブルと呼んでも良いのかもしれない。それにも関わらず、金利は反応せず、ひたすら底這っている。

 これも日銀が国債を大量に購入して超低金利を半ば固定化させているためだが、果たしてどこまで維持できるか保証はない。無制限に買い続ければ日本国債の信認に疑問符が付き、格付けの引き下げや価格下落を誘発しかねない。

●国債価格下落、金融機関の経営を動揺

 前出の金融関係者は転換点について「早ければ今年8月」と指摘する。8月中旬に消費増税後はじめてのGDP(2014年第2四半期・4月〜6月)速報値が発表されるためだ。「市場の予測より数字が悪ければ来秋の2度目の消費増税実施が微妙になって財政再建に黄信号がともり、日本国債の信用が揺らぐ」(同)。想起されるのは1980年に市場を震撼させたロクイチ国債の暴落であろうか。ロクイチ国債暴落の要因は国内のインフレ(物価上昇)進行、米国、西ドイツなど主要先進国の金利上昇、為替の円安基調、そして大量発行される国債への市場の拒絶反応とされており、現在と環境はかなり似通っている。

 参考までに取引の中心である新発10年国債の金利が今後上昇した場合、価格が理論上どの程度下落するかを試算してみよう。

【新発10年国債の金利が今後上昇した場合の、価格下落率試算(理論値)】
 
 金利 国債価格  下落率
 0.6  1        0
 0.7  0.990374  -0.00963
 0.8  0.980853  -0.01915
 0.9  0.971433  -0.02857
 1.0  0.962115  -0.03789
 1.5  0.917    -0.083
 2.0  0.874244  -0.12576
 2.5  0.833711  -0.16629
 3.0  0.795275  -0.20472
 3.5  0.758818  -0.24118
 5.0  0.660244  -0.33976
 
 仮に今後10年物国債の金利が現在より0.3%高い0.9%に上昇すれば、価格は2.8%下落し、2.0%になれば12.5%下落することになる。直近の国内銀行の国債保有残高は135兆円であるから、わずか0.3%の金利上昇で約3.8兆円の評価損を抱えることになる。前期の国内5大銀行グループの本業の利益を示す業務純益は約3兆円であるから、金利の上昇、国債の価格下落は金融機関の経営を動揺させ、日本経済にも打撃を与えることはわかる。

 もちろん黒田東彦日銀総裁をはじめ当局は、不測の事態を回避するための手立ては持っているのだろう。しかし市場がともすれば想定以上に暴走しやすいことも確かである。

島野清志/評論家


 

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コメント
 
01. ひでしゃん 2014年6月07日 22:13:00 : dsqbUTCLpgzpY : l9iSwseQ8k
誰が何時先陣を切るか?
早く逃げないと逃げ遅れるぞ

02. あっしら 2014年6月08日 02:20:48 : Mo7ApAlflbQ6s : BjXYeKwuSI

【引用】
「直近の国内銀行の国債保有残高は135兆円であるから、わずか0.3%の金利上昇で約3.8兆円の評価損を抱えることになる。前期の国内5大銀行グループの本業の利益を示す業務純益は約3兆円であるから、金利の上昇、国債の価格下落は金融機関の経営を動揺させ、日本経済にも打撃を与えることはわかる」

【コメント】
 昨年4月から始まった黒田日銀の大規模金融緩和政策で、銀行が保有する国債の残存期間は大きく縮まっている。メガバンクは先行して残存期間の短縮に動いていていたが、地銀も、日銀の国債買い入れに応えるかたちで10年国債などの長期債を売却し、保有国債の平均残存期間を縮めている。

(保有国債の平均残存期間は、メガバンクで3年ほど、地銀でも5年未満になっているはず)

 このような実態から、スレッド論考のように、135兆円をすべて10年国債とみなして、「わずか0.3%の金利上昇で約3.8兆円の評価損を抱えることになる」といった説明を行うのは誤りである。

 保有国債が2〜3年の残存期間なら(定期性)預金期間との落差がほとんどないので、“仮に”国債価格が下落(利回り上昇)する事態が起きても、あわてて国債を売却する必要はない。国債を満期まで保有し続けも、「国債からの受取利息>預金への支払利息」が維持できるからである。短い年限の金利は、長い年限の金利よりも日銀の金融政策に敏感に反応するので、上昇を抑制しやすい。
 いずれにしろ、金利上昇が安定化した時点で、徐々に安い(高利回りの)国債を買い増せば先々への対応はできる。

 このような話もあくまでも“仮に”であって、日銀当座預金が130兆円を超える水準まで積み上がり、10年国債も玉不足が問題になっている状況で、長期金利が上がるという事態は考えにくい。
 これまた“仮に”だが、日銀は、そのような金利上昇の兆しが見えたら、対象年限の国債買い入れに動き金利上昇を防ぐ。それが、異次元の非伝統的金融緩和政策の重要な任務でもある、


※ 「10年物国債の利回りが0.06%前後と未曾有の超低金利水準で落ち着いているのは異様ではある」の0.06%という値は、0.6%の間違いであろう。


03. 2014年6月08日 17:50:18 : IBJorwVJ0w
島野さんは昔株の本をいろいろ書いていて参考になった。サブプライムショックも的確に当てていた。無視できない。

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