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2014年06月06日
正直、筆者も見出しに近い印象を持っている。今夜も時間がないので、現代ビジネス掲載の「週刊現代」の成毛氏と真壁氏の対談を以下に紹介してお茶を濁させてもらう。両氏の意見に全面的に賛同はしないが、以前から注目している、この2社及び経営者にスポットが当てられている点を評価し、皆様にも読んでもらおうと思う次第。
最近は、希代の米国唯一の哲学者で言語学者の、エイヴラム・ノーム・チョムスキーに心酔している。大変失礼なことだが、彼の殆どの考えに、強く同調できるからだ。ノム・チョムスキーは自らを「自らの視点を『啓蒙主義や古典的自由主義に起源を持つ、中核的かつ伝統的なアナキズム』と述べている点が興味深い。あぁ筆者も啓蒙的であり(押しつけがましいがW)古典的な自由主義である。まさか、アナキズムまで至っているとは思わなかったが、本来の古典的アナキズムの言葉の意味を深く知ると、たしかに、筆者もアナキストだと理解できた。この辺は、近々、自分の考えとアナキズムの同調性に関して、コラムを書いてみようと思っている。
≪ 変化は速い、流れが読めない会社は死ぬ PART2 孫正義はどこまで大丈夫か。あの巨大企業はきっと消える
日本の有名企業これから大きく伸びる会社消えるかもしれない会社
成毛眞(元マイクロソフト日本法人社長)×真壁昭夫(信州大学経済学部教授)×本誌経済担当
■ 実は古典的な経営者
本誌 ソフトバンクが営業利益1兆円の大台を突破しました。同時に孫正義社長の悲願だったNTドコモ抜きを達成し、携帯業界で日本トップの地位を獲得しました。
真壁 孫さんはいままでの日本の経営者では考えられないような巨大リスクに挑んできた。その勝利の証でしょう。先日、あるIT関連の創業経営者に「孫さんはどうしてあんなにリスクを取れるんですか」と聞いたら、「彼は死にかけたことがあるからだ」と言っていました。
成毛 そうなんです。孫さんは25歳の時に慢性肝炎で倒れて経営の一線から退いたことがある。その時に真壁さんがおっしゃる通り、本当に死にかけて、そこから失うものがなくなった。だから外野からは巨大なリスクを背負っているように見える時でも、孫さん自身はとても冷静でいられるんです。
本誌 ただこの間NTTの人に取材したら、「ソフトバンクだけには負けられない」といきり立っていましたよ。巨大NTTがなりふり構わぬ反転攻勢に出てきたら、再逆転もあるのでは。
成毛 NTTの人って、昔から通信インフラだけを提供する「土管屋」にはなりたくないと言うんです。実際、独自のサービスやアプリも開発しようとするんだけど、これが全然使い物にならないものばかりでね。ほかにもはなから勝算がないインドに進出し、先日撤退が決まったばかり。一方で孫さんが偉いのは「土管屋」に徹して、サービスなどはヤフーや中国のアリババと手を組む戦略をとってきた。NTTは余計なところに経営資源を使い過ぎている。差は開くばかりでしょう。
真壁 通信業者にとっての強みは通信網なんだから、言いかえればNTTは自らの強みを消してしまっていることになる。孫さんはリスク経営ばかりが注目されますが、実は自分の強みを理解してそこで勝負できるとても古典的な経営者でもあるんです。
本誌 携帯電話関連で話題を転換すると、任天堂の岩田聡社長が「スマホ専用ゲームは作らない」との意思を改めて語ったことが話題です。任天堂が3期連続で営業赤字 になっている中で、グリーやディー・エヌ・エーが主導してきた携帯ゲームに活路を見出すべきだとの意見は真っ当に聞こえるんですが、岩田社長の経営判断をどう評価しますか。
成毛 なぜ岩田社長が「スマホ無視」をするかというと、任天堂は昔からずっと「10歳」の子供をターゲットにしている会社だからなんです。スクウェア・エニックスなどほかのゲーム会社のユーザーというのは年々高齢化しているけど、任天堂だけは唯一無二、この「10歳」というのを貫いている。そして11歳の子を持つ親は子供が塾に通い始めるからスマホを買い与えるけど、10歳の子に年間通信料6万円も払う親は限りなく少ない。だからスマホ用ゲームを作らないのは経営方針がブレていないという意味で正しい。英断です。
本誌 問題は10歳がワクワクできるゲームを任天堂が作り続けられるかどうかですね。ブレる、ブレないという点でいうとソニーの経営がブレまくっている気がするんですが。不動産会社まで始めるということで、どこに向かおうとしているのか見えてこない。
■名経営者は人事で間違える
真壁 パソコン事業を売却した選択は正しいですよ。もうパソコンは稼げる商品ではない。
成毛 私もそう思います。それにパナソニックとの比較でいくと、実はソニーのほうが生き残るかもしれない。というのも、デジカメなどに使うイメージセンサー(撮像素子)の技術力がソニーは世界随一で、これはスマホにも医療用機器にも使われていて需要がうなぎ上り。一方でパナソニックが強い白物家電のライバルは中国や韓国勢。これからアフリカなどで競争が始まる中で、現地に入って行くパナソニックの営業マンが、ハングリー精神旺盛な韓国人・中国人に勝てるとは思えません。
真壁 パナソニックが力を入れている車載用機器も世界に強豪が多いですしね。ソニーはイメージセンサーに経営資源をきちんと投入できるかどうかが、ポイントでしょう。どうにも社内で金融系の人たちの発言力が高まっているようにも見えるので。
成毛 確かにそれは課題ですね。たとえソニーが生き残るにしても、みんな知っているようなソニーは消えているでしょう。数十年後には、カメラを作っているソニーは昔ウォークマンとかテレビもやっていたらしいよ、という会社になっているかもしれない。
真壁 同じ電機業界でいうと、東芝と日立製作所は完全に勝ち組に変貌しました。いち早く電力、鉄道などの重電部門にシフトしましたが、これはひとえに経営者の決断によるところが大きい。日立は中西宏明社長、東芝は2代前の西田厚聰社長が名経営者といえます。
本誌 ただ西田さんは自分が後継指名した佐々木則夫社長が思うような業績を上げられないとその座から引きずり下ろした。当時、西田さんに取材しましたが、「佐々木は全然わかっていない」と語る一方で、任命責任はどこへやら自分は会長に居座った。今年6月にやっと相談役に退きますが。
成毛 自分が指名した社長を更迭するのであれば、西田さん自らがもう一度社長に戻って、業績を回復させるのが筋でしたね。西田さんは米原子力大手のウェスティングハウスの 巨額買収を牽引するなどその剛腕でいまの東芝の礎を築いた功績者だけど、人を見る目はなかったということ。名経営者は最後に人事で間違えるんです。でも東芝とか日立などの「国策重厚長大系」企業というのは、不思議と社内のどこかに逸材がいつもいて、「こんなやつがいたのか」という人が経営者として抜擢されるからおもしろい。
真壁 JR九州などもそうですよね。なぜ人材が分厚いかというと、国策系会社というのはかつて『鉄は国家なり』と言ったように、青雲の志を持って日本の経済をどうにかしてやろうという人が入ってくる。だから目先の給料や待遇だけを気にするような小粒ではない人間が出てくる。
■豊田家の遺伝子
本誌 人材という意味では、いま腕自慢の学生が集まるのが総合商社ですよね。かつて「商社不要論」が語られていたのが嘘みたいにボロ儲けしていますが、この好調は続きますか。
真壁 三菱商事、三井物産は資源分野に偏っているので、いまはいいけど未来永劫とはいえません。
成毛 資源価格の変動は大きいですからね。だから米ドールを買収するなど食料やアパレルといった非資源で儲けている伊藤忠商事が三菱、三井のトップ2を抜く日が来るかもしれない。食料分野の勢いがいい丸紅も期待大です。住友商事は資源も非資源も中途半端なので一番ダメですね。
真壁 伊藤忠の岡藤正広社長は社内のイントラネットで社員に向けてたくさんメッセージを送っていて、その内容も「ついに住商を抜いたでぇ」とノリが良かったりするらしいです。岡藤社長の個性的なコテコテの商売人気質が社員にも伝播して好循環を生んでいるようにも見えますね。
本誌 最後に日本を代表するトップ企業、トヨタの今後についてのお話を聞かせてください。豊田章男社長のもと、今決算で約2兆3000億円の営業利益を叩き出し、ついにリーマン・ショック前の過去最高益を6年ぶりに更新した。まだまだ成長しそうな勢いですが、どこまでいけますか。
成毛 まずなぜトヨタが好調かと言うと、実は立地にヒントが隠されている。トヨタの本社は愛知県豊田市で、ほかにも業績好調なスズキは静岡の浜松市、ダイハツは大阪のダイハツ町(池田市)。いずれも地方に拠点がある会社が伸びているのは、日本の若者の中で急増している地方志向の強い「マイルドヤンキー層」をちゃんとターゲットにできているからなんです。
真壁 経営理論でもそれは正しいんです。「辺境理論」と言って、成熟産業においては中心から離れたところで作ったものが売れる。
成毛 インドなど発展途上国の若者も実は日本のマイルドヤンキーみたいなもので、だからスズキのクルマがインドで売れるわけです。
真壁 それにトヨタが凄いのはとにかくブレない。
成毛 そう、ブレない。これは豊田家の遺伝子と言っていいかもしれないけれど、彼らは利益とかシェアには本当はこだわっていないんです。自分が欲しい、おもしろいと思うクルマを作れば、一台、また一台と売れるはずだと考えている。だから利益というのはその結果に過ぎないと。
真壁 これから自動車業界は自動運転技術に代表されるようにIT化が進んでいきますが、その取り組みもトヨタは早い。
成毛 実はマイク ロソフト創業者のビル・ゲイツは日本企業の中で唯一トヨタからは学んでいて、訪日時はトヨタの幹部と会っていました。ある時、私も同席して(元トヨタ社長 の)豊田達郎さんと話していたら、『電気ポットにセンサーをつけたら、そのポットを眺めるだけでお茶を入れられるか』と聞いてこられた。いまから20年以上前の話ですが、これって自動運転の話を先取りしているわけです。
真壁 これまで日本経済は家電とクルマを売って成長してきたわけで、家電はもう厳しいけれど、自動車はまだまだいける。その中心は間違いなくトヨタで、日本が誇れるその独特の遺伝子を最大限発揮して、日本経済全体を牽引して欲しい。 成毛 トヨタの友山茂樹さんという常務がクルマのIT化を進めていますが、実は友山さんはボートなどを作るマリン事業も担当しているんです。トヨタは2兆円を稼ぐ裏で、自動車以外の「次の布石」も育てようとしているわけです。この会社は底知れないですよ。 ≫(現代ビジネス:週刊現代・経済の死角)
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