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年金財政見通し、30年後に給与の半分を維持できるか?(THE PAGE)
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/325.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 6 月 05 日 13:34:44: igsppGRN/E9PQ
 

[画像]年金財政見通し、30年後に給与の半分維持できる?


年金財政見通し、30年後に給与の半分を維持できるか?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140605-00000005-wordleaf-pol
THE PAGE 6月5日(木)11時0分配信


 厚生労働省が長期的な年金の財政見通しを公表しました。経済が順調に推移すれば、30年後には現役社員の収入の50%程度の水準は維持できるとの内容ですが、果たして本当なのでしょうか?

 年金の給付水準を評価する指標の一つに、所得代替率というものがあります。これは、年金受給者の給付水準が、現役世代の収入の何%になるのかというものなのですが、現在は約63%となっています。現役世代の平均年収約420万円に対して、年金受給者は260万円もらっている計算になります。政府ではこの数値を50%以上に維持するという目標を掲げています。つまり、将来にわたって、現役世代の収入の50%以上の年金を確保しようということです。

 今回発表した見通しでは、日本経済の将来について8つのシナリオを立て、それぞれのシナリオごとに年金の維持可能性を検証しています。

 それによると、今から30年後の2043年に所得代替率50%以上を実現するためには、物価上昇率1.2%、実質賃金上昇率1.3%、年金の実質運用利回り3.0%(名目4.2%)という水準が必要であるとの結論になっています。問題はこの数字にどれほど実現可能性があるかという点です。

 というのも、この数字は2024年以降の前提条件であり、それより前は、物価上昇率2%程度を見込んでいるのです。現在、日銀は2%の物価目標を掲げていますが、実現できるかどうかは未確定な状態です。今のところ賃金の上昇は物価に追い付いていませんが、見通しでは、賃金は物価を上回ることが前提となっています。また年金運用の過去10年間の実績は名目3.3%ですから、想定されるレベルには達していません。

 日本は過去10年間、不況に苦しんでいましたし、年金の運用はリターンの高い株式へのシフトを進めることがほぼ決まっています。現在よりは状況が改善すると考えられますが、それでも、この前提条件を完全にクリアするのは難しそうです。

 またこの見通しには前提条件が付いています。それは高齢者と女性が本格的に社会参加するという点です。男性も女性も生涯にわたって仕事を持つことを前提として、初めてこの見通しが成立するわけです。

 一方、女性の社会進出がスムーズに進まず、経済の低成長が続くケースでは、2055年に年金の積立金がなくなり、所得代替率は37%程度まで下落するとしています。好景気がずっと続く保証はありませんから、場合によってはその程度まで給付水準が悪化する可能性があることも意識しておいた方がよいでしょう。

(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)


 

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コメント
 
01. 2014年6月06日 11:29:15 : nJF6kGWndY

>2055年に年金の積立金がなくなり、所得代替率は37%程度まで下落

こっちがメインシナリオで、さらに下振れするリスクが高いと見た方がいい

http://diamond.jp/articles/print/54169
第266回】 2014年6月6日 岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
ついに厚労省も危機を認めた
年金の財政検証から分かること
 6/3(火)に厚労省が5年に一度行なう年金の財政検証の結果が公表されました。既に新聞などで報道されているように、当然その内容には問題も多いのですが、それと同時に、厚労省の官僚が婉曲的にせよ年金の危機的な状況を認めたということは、それはそれで評価すべきではないでしょうか。

経済頼み、女性頼みだけじゃない
財政検証の問題点

 前回の年金の財政検証は2009年に発表されましたが、年金基金の運用利回りなど実現不可能な前提の下でシミュレーションを行なっており、2004年に政府が策定した「年金100年安心プラン」は大丈夫と強弁しているだけと各方面から非難を受けました。

 それと比べると、今回の財政検証は経済成長率、運用利回り、賃金上昇率などの変数を変えることで、楽観的ケースから悲観的ケースまで8通りのケースでのシミュレーションの結果を示しており、まずこの点については評価できるのではないかと思います。

 もちろん、多くのケースで運用利回りは4%以上、そして賃金上昇率は3%以上などの楽観的過ぎる前提となっており、この点については前回同様に問題と言わざるを得ません。

 かつ、それ以上に問題なのは、検証全体のトーンが、日本経済がちゃんと成長してくれれば、運用利回りが高まれば、物価や賃金がちゃんと上昇すれば、そして働く女性の割合が増えれば(多くのケースで20歳代後半から50歳代前半までの女性の8割以上が働くという前提)年金制度はなんとか持つんだという、経済頼み、他人任せな感じになっていることです。

 しかし、そもそも日本の公的年金制度には、負担より給付の方が圧倒的に多いという構造的な問題があります。その原因は、世界最速で少子高齢化が進んでいるにも拘らず、賦課方式(現役世代が支払う保険料で高齢者が受け取る年金を賄う財政方式)を続けていることに他なりません。

 1970年は現役世代10人で1人の高齢者を支えていたのが、2000年には4人で1人を、そして2007年には3人で1人を支える形になり、2022年には2人の現役世代で1人の高齢者を支えることになるのですから、賦課方式という構造問題を解決しない限り、年金財政を本当の意味で安定させることは困難なのです。

 その構造問題を置き去りにして、経済が良くなれば…というトーンが強くなっていては、厚労省は無責任と批判されてもしょうがないのではないでしょうか。

評価すべき厚労省の頑張り

 もっとも、官僚は常に自らの無謬性を前提とし、発想も今の制度をどう維持していくかに偏りがちなので、現実には今の年金制度の構造問題を自ら認めることは難しいのも事実です。そう考えると、今回の財政検証では、厚労省の官僚はそうした制約の下でも彼らなりの危機感を伝えようと頑張ったと評価できる面もあるように思えます。

 実際、今回の年金の財政検証での大事なメッセージは、仮に日本経済が再生して運用利回りや賃金上昇率などで良い数字を実現できたとしても、公的年金の所得代替率(現役時代の所得のどれ位が年金で受け取れるか)は現在の63%から2043年には51%に低下するということです。これは、言葉を変えて言えば、年金の支給水準が将来的には2割減少することを意味しており、かなり深刻なメッセージと言えます。

 かつ、その中身を見ると、厚生年金の所得代替率は現在の26%が2043年は25%とほぼ不変であるのに対して、基礎年金の所得代替率は現在の38%が2043年には26%と3割も減少することになります。国民全員が対象である基礎年金こそ問題が深刻なのです。

 実際、経済状況についてもっとも悲観的なケースでは、2055年には基礎年金の基金が枯渇すると明言されています。そのときには“完全な賦課方式に移行”と書かれていますが、これは言葉を変えれば、年金システムが崩壊すると言っているに他なりません。

 このように、説明の仕方や表現が官僚的でマイルドになっていたり、また年金制度の構造問題よりも経済状況が原因であるかのようにして責任逃れをしている面はあるものの、厚労省の官僚は今回の財政検証ではかなり踏み込んだ問題提起をしてくれたと評価すべきではないでしょうか。

次は政治の番
抜本的な年金制度改革を

 そう考えると、厚労省の官僚は最低限の役割を果たしたのですから、次は政治の側がアクションを起こすべきです。制度を抜本的に改革して年金の構造問題を解決するという決断は、そもそも官僚には出来ません。総理、官房長官、厚労大臣の三者の誰かがしなくてはならないのです。

 どうも厚労大臣は官僚の言いなりですし、今月末に策定される成長戦略のプロセスを見ている限り、総理や官房長官は規制改革などで抜本的な構造改革に踏み込む気はないようですが、年金制度、更に言えば社会保障制度全体の抜本改革は、年金制度の持続性を高めるのみならず財政再建のためにも不可欠です。今回の財政検証をきっかけに安倍政権がどういう対応をするかを見ていれば、この政権の本質も分かるのではないでしょうか。


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