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[景気指標]銀行の株保有リスク倍に
日本の銀行が長期保有する株式のリスク量が倍増する。自己資本規制の株式に関する経過措置が切れるためで、景気などに悪影響が及ぶ恐れがある。
各国の銀行監督当局で構成するバーゼル委員会は銀行に健全性を維持するため、融資や株式など資産のリスク量合計に対する自己資本の比率を一定以上に保つよう求めている。
資産リスク量を計算する際、株のリスク量は保有時価の1倍だったが、2004年に上場株は2倍以上、非上場株は3倍以上にした。日本は以前から保有してきた株式については10年間は1倍のままにすることを認める経過措置を設けた。その経過期間が6月30日で切れ、9月中間決算から対象となる長期保有株のリスク量が2倍以上になる。
経過措置で軽減されていた株式リスク量は3月末時点で、3メガバンク・グループ合計で9兆円強とみられる。そのまま手を打たず、株価も変わらなければ9月末の長期保有株のリスク量は18兆円を超え、自己資本比率は0.3〜0.5%下がる。
メガバンクの自己資本比率は欧米大手行に比べて高いわけではなく、自己資本比率の低下は容認しにくい。比率低下を増資だけで食い止めようとすると、3メガバンク合計で7000億円を超える増資が必要になる計算だ。増資しないで当該株式の保有量だけで調整しようとすると、長期保有株の半分を売らねばならない。
株式の代わりに融資を削減して資産リスク量を落とす手もある。ただ国内で落とせば景気に響くし、海外で落とせば海外強化の戦略に逆行する。実際にはこれらの手法を組み合わせ対応する公算が大きい。
中長期的に見た場合、銀行は長期株式保有の資本コストが倍になることから、企業との株式持ち合いの見直しを迫られる。銀行は古くからの取引先であっても利益があげられなければその企業の株式の売却に動く可能性があり、銀行の株式の受け皿としての役割は一段と低下することになる。
(編集委員 太田康夫)
[日経新聞6月2日朝刊P.16]
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