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東洋水産、ドル箱の米国即席麺市場で起きた変調[日経新聞]
2014/5/28 6:00
東洋水産の業績が踊り場を迎えている。2015年3月期の連結営業利益は310億円と前期(306億円)並みにとどまりそう。原因は営業利益の約4割を占める海外事業の失速だ。海外事業は現地通貨ベースで3期ぶりに営業減益だった前期に続き、今期も7%減益を見込む。主要市場の米国で低所得者向けの生活支援が削られ、安価な袋麺の販売を直撃する。カップ麺など高価格品の投入や新興国の強化で補う考えだが、再び成長軌道に乗るには時間がかかりそうだ。
前期の海外事業の営業利益は前の期比9%減の1億2800万ドルだった。今期は1億1900万ドルと2期連続で減益となる見通し。海外事業は米国とメキシコが主力。即席麺市場で米国では6割強、メキシコでは8割強のシェアを持つ。
変調が表れたのは米国だ。不調の要因は複数ある。1つが米小売りの販売不振。ウォルマート・ストアーズの既存店売上高が減少するなど「流通在庫の処理が販売に影響した」(東洋水産の丸山純一総務部長)。2つ目が米国政府による低所得者向けの食料配給券「フードスタンプ」の削減だ。
米政府は生活保護策の1つとして、アルコールやたばこを除く食料品の購入券を支給している。対象者は2月時点で約4600万人で、13年度(12年10月〜13年9月)の受給額は1人当たり月約133ドル(約1万3500円)だった。昨年11月から削減し、今年2月の1人当たり受給額は約124ドルと7%減った。
東洋水産が米国で販売する袋入り即席麺は1袋20セント(約20円)程度。低価格で高いカロリーが摂取できることから、購入客には低所得者が多く、フードスタンプ削減が販売を直撃した。影響は今期も続く見通し。販売促進費の増加や、米国で3月に稼働した新工場の減価償却費も営業利益の重荷となる。
国内市場は飽和しており、海外事業は成長戦略の柱。てこ入れ策として、米国やメキシコで袋麺に比べ単価の高いカップ麺や容器入りヤキソバの販売を強化する。ただ、この分野では日清食品ホールディングスが「カップヌードル」で攻勢をかけており、袋麺と違って東洋水産の独壇場とはなりにくい。
新興国市場の開拓にも力を入れる。これまで米州以外はほとんど手つかずだったが、味の素と合弁でナイジェリアやインドで即席麺事業を始める。東洋水産によるとインドの即席麺市場の伸び率は12年までの5年間で22%、ナイジェリアは7%と高い。新興国で成功してきた味の素の販売網を使い、本格展開する方針だ。
もっとも、味の素との提携効果が出るのは16年3月期以降とみられ「業績予想に織り込める段階ではない」(野村証券の藤原悟史アナリスト)。市場予想の連結営業利益は今期が306億円と会社予想を下回り、16年3月期も317億円と低成長が続くとみる。東洋水産は6月27日付で小畑一雄社長が退任し、今村将也専務が新社長に就く。新経営陣が踊り場からの脱出策をどう描くかが注目される。
(成瀬美和)
http://www.nikkei.com/markets/kigyo/editors.aspx?g=DGXNMSGD26029_27052014000000&n_cid=DSTPCS007
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