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理研の「融合連携イノベーション推進棟」完成予想図=理研提供
理研「笹井ビル」暗雲 STAP余波、空室続出の懸念
http://www.asahi.com/articles/ASG5V6Q41G5VPIHB041.html
2014年5月28日14時00分 朝日新聞
STAP(スタップ)細胞の論文問題で、理化学研究所がこの春神戸市に着工したビル計画が揺れている。計画を主導してきた理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹・副センター長(52)は、小保方(おぼかた)晴子・ユニットリーダー(30)とともに論文を執筆。処分されれば、計画がつまずきかねないからだ。関係者は気をもんでいる。
渦中のビルは、神戸市中央区のポートアイランドに建設中の「融合連携イノベーション推進棟」。近くにはCDBやスーパーコンピューター「京」など、理研の主要施設が集まる。
再生医療などの基礎研究を実用化に結びつけようと、ビルの研究室には理研の研究者が製薬企業、医療機器メーカーなどとチームを組んで入る予定。iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った目や毛髪、歯などの再生、スパコンを使った薬の開発などを計画している。
理研関係者によると、ビル建設には当初複数のプランがあったが、幹細胞を使い目や脳の一部をつくる研究で世界的な知名度がある笹井氏が「研究成果を実際の治療や産業に結びつける拠点施設が必要」と主張。政府関係者にも直接予算化を働きかけていたという。
山中伸弥・京都大教授(51)が2012年にノーベル賞を受賞すると国はiPS細胞の実用化研究に破格の予算をつけ、ビル建設も決定。このころから「笹井ビル」と呼ばれるようになった。関係者は「プレゼン上手の笹井氏の案が勝った」と話す。
笹井氏主導で再生医療の有力な研究者が参加するめどもつき、企業とも水面下で交渉してきた。来年4月のオープン後は、笹井氏自身も研究者として再生医療の実用化へ向けたプロジェクトを率いていく予定だ。
■「入居」の申請まだ5件
ところが2月中旬に論文問題が浮上。小保方氏とともに研究計画や実験、論文執筆を担ったとされる笹井氏自身も謝罪会見に追い込まれた。近く懲戒委員会が関係者に処分を出す見通しだ。
理研は3月中旬までに、自ら研究室を主宰する内部の主要研究者約360人に、取り組みたいプロジェクト案を募集。しかし、締め切りまでに提案は5件で、要になるはずのiPS関連の提案はゼロ。笹井氏もメンバーとなっている選考のための委員会も「理研全体がSTAP問題の対応に追われ、審査どころではなくなった」(理研関係者)と、開催のめどが立たない状態という。
計画を後押しする神戸市も、行方を懸念する。
市は1998年、造成地の売却が進まないポートアイランドに新産業を創出しようと「医療産業都市構想」を掲げ、理研CDBを核に医療関連の企業や研究所の誘致を推進。これまでに272の企業や団体が進出した。市は今回のビル建設にあたっても4800平方メートルの市有地を無償提供。大企業の参加や再生医療の早期実現などを期待する市幹部は「もし笹井氏に重い処分が出たら企業は来てくれるのか。空室ばかりにならないか」と不安の声を漏らす。
ただ理研によると、プロジェクトの選考はもともと春と秋の2回に分けて行う予定。秋には笹井氏の研究も含め、iPS細胞を使った再生医療関連のプロジェクトが複数、申請される見込みという。プロジェクトの選考委員長も務める斎藤茂和・理研神戸事業所長は「笹井氏は推進棟の今後に欠かせない存在」と強調。「秋にはビルに入るプロジェクトの全体像が見えるはず。心配はしていない」と話す。(下司佳代子)
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〈理研の融合連携イノベーション推進棟〉 8階建て床面積延べ約8300平方メートル。3〜7階の研究スペースには最大50程度の研究室が入り、最上階には200人規模の国際シンポジウムを開くことができるホールも設ける予定。細胞をイメージして五〜六角形をパズルのように組み合わせた外観で、総事業費38億円。
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