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不動産市場の動向と世界経済(在野のアナリスト)
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/141.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 5 月 27 日 23:32:46: igsppGRN/E9PQ
 

不動産市場の動向と世界経済
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52595786.html
2014年05月27日 在野のアナリスト


米独とも、株が最高値を更新して沸いています。ただ今は熱狂なき株高であって、しかも米国では債券高との組み合わせであり、リスクオンでもありません。日本では14000円にタッチすると、切り返すということをくり返していますが、反発力はとても弱くなっています。これで4日続伸となりましたが、引け間際に急落する、先物で仕掛けが入らないと上にも下にも行かない、など非常に味の悪い展開も目立ちます。結局それは、積極的に買うのではなく、売り方が買い戻すタイミングで上げているだけであり、戻り売りが出始めると、全体が売りに傾いてしまう弱さなのです。

以前からの指摘ですが、今の世界株高を支えているのは不動産市場の安定です。米株が4月新築住宅販売が、前月比6.2%増となって沸いたように、不動産市場の動向には極めて敏感になっています。しかし前年比では4.2%減、販売価格中央値は1.3%低下しています。決してよい数字ではありません。悪いながらも踏みとどまった、というに過ぎない。それが米債高の一因であり、米国には株高に浮かれる側面と、企業業績の伸びも悪かったように、景気の停滞感という2つの側面があります。

欧州でもほぼ同様であり、一時期の債券安という局面を脱し、金利低下に安堵して、また日米の金融緩和であふれたマネーを享受し、英国のように不動産高しか経済にみるべき点はない、と揶揄されながらも好調です。つまりすべて資産効果で説明できてしまう好景気であり、そこが反落すれば脆く崩れる。それまでの一時期、甘い蜜を吸うための戦略、が増えてきていると感じます。

中国の不動産市場も、2桁の下落率を示すところも出てきました。今は盛んに海外投資家に門戸を開く形で、投資資金を集めようとしていますが、それすら待てない状況です。中国の高成長は、海外からの投資と資産効果で、その大半が説明できてしまいます。インドのモディ政権に関心が移る今、中国には投資も集まりにくい。破綻が囁かれてから、大分日も経ちますが、インドの動向が中国にトドメをさすかもしれません。英語が公用語であり、また数学に一日の長があるインド。世界全体が成長できるのであれば、インドと中国は並びたてますが、金融機関の新興国投資の資金には限度があり、インドを増やせば中国が減るのは必然の流れとなります。

世界は、しばらく停滞を我慢しなければならない。それが顕在化する前に、今は株高、債券高を享受している状況なのでしょう。日本株も、一部でテクニカルで上昇を示唆、などと語る人もいますが、今はテクニカルなど大して使い物にならない材料です。売りが溜まってくると吐き出す、という流れの中で、買いが増える材料はただ一つ、来月にむけたECBの動向ぐらいです。

ECBはディスインフレ状況に、何らかの手を打つと示唆されています。しかし今回は金融不安ではないので、LTROは使いにくい。QEは債券購入の比重のかけ方が難しい。準備金の積み上げか? とも推測されますが、それにしてもどれほどの効果があるか分かりません。個人的には、金融政策ではなく、雇用状況の改善によるしかデフレを防ぐ手立てはない、と考えていますが、今の世界は不動産市場に頼るばかりで、それは金融政策の徒花でしかありません。日本の不動産市場でさえ、好調と言われながら、買い手不在という言葉が囁かれます。どこかで誰かが、値をじりじりと吊り上げているだけで、買い手が増えているわけではないのです。結局、今のこうした状況は、将来の不況を準備しているだけ、ということになってしまうのでしょうね。


 

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01. 2014年5月28日 10:21:00 : niiL5nr8dQ

ドル・円相場は102円前後、米耐久財受注の好調が下支え

  5月28日(ブルームバーグ):日本時間朝の外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=102円前後で推移。米耐久財受注の好調を背景にドル買いが進んだ海外市場の流れを引き継いでいる。
午前8時25分現在のドル・円相場は101円97銭付近。前日の海外市場では一時102円14銭と、14日以来の高値を付けた。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は海外で一時80.470と、4月4日以来の水準まで上昇した。
三菱東京UFJ銀行の野本尚宏調査役(ニューヨーク在勤)は、「今全体的に米国の指標は結構良い」とし、米株の堅調もあり、ドルは戻り基調になりやすいと指摘。一方で、「米金利 は上がらない状態」と言い、ドル・円は「ここから先さらに上がるかというと、あまり上がらないと思う」としている。
27日に米国で発表された4月の製造業耐久財受注額は前月比で0.8%の増加と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値の0.7%減に反して、3カ月連続でプラスを維持。同日の米株式相場はS&P500種株価指数が最高値を更新した。
この日は日本銀行の黒田東彦総裁が講演を行う。24日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、同総裁はインタビューで、経済成長力強化に向け公約した改革の迅速な実施を安倍晋三首相に求めた。また、円が上昇する理由はほぼ見当たらないと語ったという。
野本氏は、政府が6月末にかけて成長戦略を出す姿勢を示しており、黒田総裁も追い打ちをかけるように期待していると述べていると言い、「日経平均株価の上げにつられてドル・円は少し上がっている」としている。
ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3613ドルと、2月13日以来の水準までユーロ安が進行。1.36ドル台前半で日本時間朝の取引を迎えている。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は27日、ポルトガルのシントラで開催のECBフォーラムで、低インフレ長期化のリスクを認識していると述べた。
ドイツのショイブレ財務相は27日、「ECBがあまりにも多くの解決すべき問題を抱えている現在、その独立性とその責務の限界はあって当然のものだ」とベルリンで発言。「金融政策にとって異例の状況だ。異例であり続けるべきであり、近く終了するのが望ましい」と述べた。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 kmiura1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net青木 勝, 山中英典
更新日時: 2014/05/28 08:33 JST

米経済、第2四半期に3%近い成長回復へ=アトランタ連銀総裁
2014年 05月 28日 09:47 JST
[バトンルージュ(米ルイジアナ州) 27日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のロックハート総裁は27日、第2・四半期の米経済成長率が3%近くに達するとの見通しを示した。総裁は利上げを急がない方針を表明、利上げは2015年後半以降になるとの見方を示した。  

総裁は、失業率は低下しているが、労働市場には依然として大きなスラック(需給の緩み)があると指摘。完全雇用を生み出す持続的な経済成長の実現が明らかになるまで、忍耐強く待つ必要があるとの認識を示した。 連邦準備理事会(FRB)内で米経済の先行きに総じて明るい見方が浮上していることについては、そうした見方に同意するとしたうえで、経済成長の持続性や雇用の増加ペースにまだ疑問があるとの認識を示した。

債券先物は反発、米債高が支え−超長期ゾーンの買い入れオペを見極め

  5月28日(ブルームバーグ):債券先物相場は反発。前日の米国債相場が続伸した流れを引き継いで買いが先行した。その後は、日本銀行の長期国債買い入れオペで超長期債が減額されるかどうかを見極めようと取引が控えられている。
長期国債先物市場で中心限月の6月物は前日比1銭高の145円24銭で開始し、145円27銭まで上昇した。現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の333回債利回りは横ばいの0.59%で始まり、その後も同水準で推移している。
メリルリンチ日本証券の大崎秀一債券ストラテジストは、日銀国債買い入れオペで10年超は減額されない可能性が高いとし、「その場合、安心感が広がり、相場はしっかりの展開になる」と話した。国債買い入れの期間が延びるたびに減額で対応だと市場の混乱を招く恐れがあるとも指摘した。
27日の米国債相場は続伸。米10年債利回りは前営業日の終値比2ベーシスポイント(bp)低下の2.51%程度。一方、米国株相場は続伸。S&P500種株価指数は同0.6%高の1911.91で引けた。
日銀はきょう午前10時10分の金融調節で、今月9回目となる長期国債買い入れオペの実施を通知する見込み。日銀のデータによると、今月20日までの国債平均残存期間は8年程度と、買い入れの目安とされる7年程度を上回った。このため、市場では残存期間「10年超」のオペについて、2月、3月に続いて減額されるとの見方もある。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 山中英典 h.y@bloomberg.net;東京 赤間信行 akam@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net山中英典, 青木 勝
更新日時: 2014/05/28 09:55 JST


ECB、日本型デフレに陥ること回避すべき=クルーグマン氏
2014年 05月 28日 06:38 JST
[シントラ(ポルトガル) 27日 ロイター] - ノーベル経済学賞受賞者で、著名エコノミストのポール・クルーグマン氏は27日、欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏経済が「持続的に低迷」するなか静観姿勢を維持しているとし、日本型のデフレに陥ることを阻止する行動が必要との見解を示した。

クルーグマン氏は当地で開催されたECBフォーラムで、ユーロ圏が気がつかぬうちに日本型のデフレに陥る恐れがあると言明。「ユーロ圏にも米国にも、極めて危険な下振れ圧力は存在していない」としつつも、「日本にもそのような下方ダイナミクスはなかったが、日本は持続的なデフレ問題に直面している」と指摘した。

ECBは1%を下回るユーロ圏の低インフレに懸念を表明してきている。

ドラギECB総裁は前日、同フォーラムで「ディスインフレ期待が定着するリスクがある」と語った。

5月のECB理事会後には、総裁は「理事会は次回(6月5日)行動することに違和感はないが、その前に6月初旬に公表されるスタッフ予想の内容を見極めたい」との見解を示していた。

クルーグマン氏は、本格的なデフレの発生は極めてまれとしたうえで、「インフレ率が過度に低いとの理由から、経済が持続的に低迷している状況を静観し、1933年のようなデフレスパイラルに陥りそうになった段階で対処しようとしても、阻止することはできない」とけん制した。

そのうえで、こうした低インフレの落とし穴にを回避するため、各国中銀はより高めのインフレ目標を設定すべきとの見解をあらためて示した。


 


清滝米大教授が首相に物価2%達成可能と指摘、政策を進言
2014年 05月 28日 10:07 JST
[東京 28日 ロイター] - 安倍晋三首相は27日、中原伸之・元日銀審議委員とともに米プリンストン大の清滝信宏教授とマクロ経済政策をめぐって意見交換していたことがわかった。

清滝教授はノーベル賞候補に挙がっている米国でも著名な経済学者で、中原氏によると、日銀が2%の物価目標を達成できると指摘するとともに、財政再建や成長戦略の重要性などについて、安倍首相に説明したという。

首相官邸で安倍首相と会った清滝教授は、従来型の公共投資は効率が悪いため、インフラの更新投資の方が望ましいと指摘。教育・熟練技術など無形資産への投資が重要とも強調し、若い人々が正規社員として安心して生活できる雇用環境の大切さなどを説いた。

また、最終製品になるまで国境を複数回またぐ中間財の貿易が比重を増しているため、関税撤廃を進める環太平洋連携協定(TPP)に加盟しない場合、世界貿易の輪から取り残されると進言したという。

清滝教授は、経済に対する小さなショックが生産性低下の循環をどのように引き起こすかを示した「清滝・ムーアモデル」を構築したことで知られ、ノーベル経済学賞の有力な候補の一人として注目されている。

(竹本能文 編集:田巻一彦)


 


物価安定と金融安定の両立、今後の論点=黒田日銀総裁
2014年 05月 28日 09:42 JST
[東京 28日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は28日、日銀本店で開かれた国際会議で挨拶し、物価安定と金融安定の両立は、今後解明すべき論点だとの認識を示した。また今後の議論として、金融安定と物価安定のどちらを最終防衛線とすべきかという点や、フォワードガイダンスの有効性も挙げた。挨拶は英語で行った。主な発言は以下の通り。─フォワードガイダンスはコミットメントの強さと柔軟性のバランス重要

─経済全体の安定は物価や実体経済の安定化だけでなく金融安定化も重要

─金融危機の教訓は中央銀行の政策をさらに進化させる

─先進国中銀はゼロ金利でも資産買入やフォワードガイダンスで経済回復後押ししている

─経済回復には市場とのコミュニケーション通じた期待形成が重要

─物価と金融安定の両立、今後解明すべき論点

─フォワードガイダンスの有効性も今後解明すべき論点

─金融安定と物価安定、どちらを最終防衛線とすべきか今後の論点

─非伝統的金融政策の波及効果、今後の研究や知見の蓄積望まれる


インタビュー:金融不均衡みられず、銀行は収益力強化を=日銀機構局長
2014年 05月 28日 06:47 JST
[東京 27日 ロイター] - 日銀の衛藤公洋・金融機構局長は27日、ロイターのインタビューに応じ、昨年4月の量的・質的金融緩和(QQE)の導入から1年余りが経過したが、現段階で日本の金融システムに大きな歪みや不均衡は生じていないとの認識を示した。

地域金融機関を中心に金融機関が大量の国債を保有する中、景気回復を伴わずに長期金利が上昇すれば「金融機関経営に厳しい影響が及ぶ」と金利リスク管理の徹底を促したが、その場合でも「自己資本比率が全体として規制水準を下回ることにはならない」と語った。

金融機関の経営課題については、利ザヤ縮小が続く中で「中期的にみると基礎的な収益力の低下が課題」と指摘。収益力がぜい弱な状況下で外生的なショックが発生した場合は「自己資本の毀損につながる可能性がある」と懸念を示し、金融機関に対して収益力改善への取り組みを求めた。

また、QQE推進などで実現している低金利環境は「金融機関にとっては収益的に厳しい」としながらも、「企業からみると調達コストの低下というかたちで支えになっているのも事実」と指摘。まずは「企業部門を元気にしていくことが大事」と述べ、企業活動の活発化による力強い景気回復の実現が優先課題との認識を示した。

人口減少など地域経済の縮小が懸念される中での地域金融機関の経営戦略について「経営統合は有力な選択肢」としたが、「それぞれの地域経済にどう貢献していくのか。具体的な方法論や戦略を伴うものであることが重要」との見解を示した。

インタビューの概要は以下の通り。

  ──QQE導入から1年経過し、金融面で過熱リスクなどの兆候はないか。

  「現状、日本の金融システムに大きな歪みや不均衡があるとはみていない。株価や地価はひところより上昇しているが、予想や期待が経済実態から大きくかけ離れて強気化しているとは見ていない」   ──実体経済面では人手不足など需給がタイト化している。金融面への影響は。

  「現時点で金融面に影響は出ていないが、賃金上昇など経済活動が活発になってくると、それに伴って資金需要が出てくる。金融面にも変化が出てくる可能性あるので、よく見て行きたい」   ──ポートフォリオ・リバランス効果について、目立った変化が出ていないとの見方がある。

  「デフレが15年続き、いろいろな経済主体の行動にも染みつき、金融機関のバランスシートにも根深くその影響が蓄積されてきている部分がある。量的・質的金融緩和の導入以降、デフレを前提としたポートフォリオ戦略を見直そうという金融機関が増えてきており、円債への投資ははっきり減少に転じた」

「代わりに金融機関は、貸し出しを通じたリスクと有価証券投資を通じた市場リスクをとろうとしている」

  「目立った変化に乏しいというのは、国内貸出の伸びが2%台であるとか、機関投資家や家計部門など金融機関以外の資産構成の変化がそれほど大きくないことに注目したものだと思う」

「しかし、金融機関はポートフォリオ戦略を見直そうと動いており、そのことが経済や企業活動の活発化に貢献し始めている。こうした動きが続けばリバランスももっと広がりが出ると思う」  ──それでも地域金融機関を中心に国債の保有量は引き続き高い。長期金利が上昇した場合、経営への影響は避けられないのではないか。

  「金融機関の資本基盤は相応にしっかりしており、全体として金利上昇に対して強い耐性を備えている。金利の上昇が景気の好転に伴うものであれば、貸出自体も増え、銀行が持っている株式の価格も上がり、不良債権の処理費用も減っていく。全体としては債券価値の下落を補って余りあるプラスの効果があると思う」

  「仮に景気が改善していない中で金利が上昇すると、貸し出し残高や株価、不良債権処理などが逆方向に働き、金融機関経営に厳しい影響が及ぶ。そのような厳しい情勢でも自己資本比率が全体として規制水準を下回ることにはならないとみている。金利がどのような事情で上がったとしても、金融システムは相応に耐えられるというのが結論だ」  ──QQEの出口が意識される局面になれば、金融機関の国債売却で金利が急上昇する懸念はないか。

「金融機関は、すでに物価や金融政策の先行きを予想しながら、金利リスクの調整を進めている。確かに参加者による一律のリスク削減が相場を増幅してしまうメカニズムを市場は持っている。金融機関は過去のVaRショックなどの経験も踏まえ、自らリスク管理をやっていくことが求められる」   ──QQEによる名目金利押し下げが利ザヤ縮小など金融機関経営に悪影響を与えている面があるのではないか。

「短期金利がほぼゼロで、イールドカーブもフラット化している状況は、金融機関にとって収益を上げにくい環境にあることは事実。デフレが長期に渡って続いてきた中で、金融機関の利ザヤも趨勢的に低下し続けているのが実態だ」

「こうした低金利環境は、金融機関にとっては収益的に厳しいが、企業からみると調達コストの低下というかたちで支えになっているのも事実」

  「昨今の物価上昇期待の高まりで実質金利も低下しており、需要を刺激する効果も出ている。まず、こうしたかたちで企業部門を元気にしていくことが大事。企業部門の改善が、すでに信用コストの減少や株価の上昇というかたちで金融機関の収益にもプラスの影響を及ぼしている」

「今後、景気回復がより力強くなっていけば、貸出が増えて利ザヤも改善していくことが期待される」  ──2月に成長基盤と貸出増加の2つの貸出支援制度を拡充したが、需要の見通しは。

  「金融機関は拡充部分も積極的に活用して資金の需要を掘り起こそうとしていることは間違いない。今回の見直しで4年固定で年0.1%と低利で資金を調達できることになり、これを貸出のベースレートにできるメリットは小さくない。これまでの制度より拡充されており、より利用が進むことを期待している」   ──貸出増加支援で供給した資金によってリスク資産投資がさらに活発化する期待は。

  「貸出増加分の2倍を貸し出す制度にしたので、それを利用して金融機関が株式や外債などを含め、いろいろなリスクをとる方向で動いてもらうことは期待している」  ──金融機関の決算は好調だが、本業は不振が続いている。今後の経営課題について。

  「今のところ日本の金融機関全体としては、さまざまなリスクを十分にカバーできる資本基盤を持っており、差し迫った大きな問題はないと思う。しかし、中期的にみると基礎的な収益力の低下が課題だ。収益力が低いと金融・経済に大きな外生的なショックが起きた場合、自己資本の毀損につながる可能性があり、改善していく必要がある」

  「大手行の場合は、国際業務の拡大やグループ戦略など収益源が多様化しているが、それに比べると地域金融機関はより厳しい。収益力の向上に即効薬はない。成長事業の発掘や、不振企業の経営支援などの取り組みを通じて景気が回復し、成果に結びついていくことが期待される」   ──人口減少など地域経済の縮小が避けられない中で、地域銀行は経営統合など再編が避けられないとの見方がある。

  「地域金融機関は、地域の実情を熟知している存在。成長力の低いところから、成長が望める分野に産業構造を変えていく力を持っている。人口減少という逆風は決して小さくないが、そうした中でも地域の活力を引き出すという意味で、地域金融機関が担える役割は非常に大きい」

「大事なのは、それぞれの金融機関が、それぞれの地域経済にどう貢献していくかという、経営や業務の方向性を自分で見つけていくことだ。その上で業務の規模に見合ったコスト構造をつくっていくことが大事だと思う」

  「経営統合は有力な選択肢だが、地域の中でそれぞれの金融機関がどのような役割を果たしていきたいのか、具体的な方法論や戦略を伴うものであることが重要だ。日銀としても、地域の金融機関と経営方針について対話していくことができると思う」   ──大手行を中心に海外業務を積極化させているが、リスクとのバランスをどうみるか。

    「海外の投融資には国内とは異なるさまざまなリスクが伴っている。将来に渡って日本経済や企業のグローバル化を支えていくには、リスク管理体制を整えていく必要がある。日銀としても、金融機関の海外における業務展開をフォローし、流動性リスク・与信リスクなど適切なリスク管理を促すことで、金融機関の海外展開を支援していきたい」

(伊藤純夫 竹本能文 木原麗花 編集:田巻一彦)



日銀総裁が法人減税に言及、恒久財源の議論なく検討進むことに懸念
2014年 05月 28日 06:44 JST
[東京 27日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は27日、法人減税の議論に関して、「恒久的な財源について社会保障をはじめとする歳出の見直しや税体系全体の見直しの中で議論を進めていかなければならない。それなしで議論が進むことを懸念している」と述べた。

経済財政諮問会議での発言を甘利明経済再生相が会見で明らかにした。

黒田総裁は、アベノミクスの成果で実質2%・名目3%成長が実現し税収が増える前提に立っても、2020年度の基礎的財政収支はなお赤字で均衡化目標に届かない実態を示し、恒久財源の議論の進展を促した。

この日の会合では、新藤義孝総務相が、法人事業税の外形標準課税拡充による地方法人課税改革を提案。これに対して民間議員は企業への負担増になるとして慎重論を展開。さらに、複数の民間議員は税収の上振れを法人減税に活用し成長を促すべきだとした。こした中で黒田総裁の発言は、恒久減税には恒久財源を確保することを基本とする財務省の援護となったもよう。

(吉川裕子)



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