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「ボーナスをあっという間に使い切った」とならないために
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140527-00012637-president-bus_all
プレジデント 5月27日(火)8時45分配信
■ボーナスの使い道を把握しておこう
「この夏のボーナスは少し期待できそう」という人も多いのではないだろうか。
「それほどのアップは期待できない」という人も含め、ボーナスは特別なもの。半年に一度のまとまった収入として、受け取った後はつい浮足立つようなこともあるだろう。
とはいえ、住宅ローンのボーナス返済がある、クレジットカードのボーナス払いがあるなど、ボーナスを好き放題に使うわけにはいかないという人も。
たくさん貰ったはずがいつの間にか消えていた、ということを避けるために、いくつかのポイントをチェックしておこう。
まずしておきたいのは、「使い道を書き出すこと」。
ボーナスをあてにしている支出は、「支払うことが決まっているもの」「コントロール可能なもの」に分けられる。
「支払うことが決まっているもの」
・住宅ローンや自動車ローンなどのボーナス返済
・教育費(授業料など)
……ほかに、固定資産税や自動車税もボーナスから捻出しているという人が多い。
「コントロール可能なもの」
・クレジットカードなどのボーナス時払い
・お中元やお歳暮の費用
・帰省費用
・旅行などのレジャー費用
・家電、家具などの大きな買い物
・教育費(塾の費用など)
……といったものが挙げられる。
「支払うことが決まっているもの」がどの程度あるかを把握すれば、家計がボーナスにどの程度依存しているかが分かる。ボーナスは変動しやすいので、いざという時に慌てないよう、いくらあれば支払いの都合がつくのかは把握しておきたい。
■赤字補てんなど、ボーナス依存を脱却する
理屈から考えれば、ボーナスの受取額からボーナス返済額などを引いた残りは、「コントロール可能なもの」や貯蓄などに充てることができるはずだが、現実には、毎月の赤字補てんに回ってしまい、思ったほど自由になるお金がない、というパターンである。
ボーナス依存度が高いのは危険で、とくに「支払うことが決まっているもの」が多く、なおかつ赤字補てんもしているという人は、ボーナスが減ると大ピンチ。実際、住宅ローンのボーナス返済分が返せなくなったことがローン破綻のきっかけになる例も少なくないので、ボーナスから赤字補てんというパターンから脱したい。
また「ボーナスから支出しているものを、毎月の家計から計画的に準備する」ことも考えてみよう。たとえば固定資産税や自動車税で年間24万円かかるという場合は、毎月2万円ずつ専用の口座に入金しておき、そこから支払う、という習慣にするのだ。そうすることで、ボーナスが減っても慌てずに済むし、ボーナス=自由になるお金=嬉しい、という図式になる。
■レジャー費はボーナスから出すと得じゃない
帰省費用や旅行費用などのレジャー費用も、毎月の家計から準備できれば理想的だし、特定のサービスを活用すれば効率的に、お得に準備できる。
たとえばお中元やお歳暮、家族の被服代などは、デパート積立を利用。毎月、一定額を積み立てていくデパート積立なら、サービス額を上乗せした買い物券が受け取れる。12カ月積み立てると積立額の1カ月分相当などがサービスされるので、毎回のボーナスから捻出するよりずっと得だ。
また帰省費用や旅行費用は、JTBなどの旅行会社や大手航空会社が行う「旅行券積立」などのサービスを使うといい。毎月一定の額を積み立てると1年後などにサービス額を上乗せした旅行券が受け取れる仕組みで、会社によっては月3000円程度から始められ、サービス額は年利換算で1.5%〜2.5%程度と、銀行口座に積み立てるよりずっとお得。
ANAセールスや日本航空の旅行券は航空券にも使えるし、近畿日本ツーリストや日本旅行ではJR・私鉄各社の切符も購入できるので、帰省費用も準備もできる。
一定の額を一時払いすると、一定の据置期間後にサービス額を上乗せした旅行券が受け取れるタイプもあり、エイチ・アイ・エスなど、据置期間が6カ月のコースもある。ボーナスを利用して半年後の帰省費用や旅行費用を準備するのも、賢い使い方だ。
毎月の積み立てにせよ、ボーナスを利用して一時払いするにせよ、単にボーナスから支払うより有利な方法を活用することで、もう一段のアップが予定される消費税増税による支出増にも対抗しやすい。
■ボーナス時期は投資の好機?
「ボーナスで投資や貯蓄をする」ということもしっかり考えたい。
ボーナス時期になると雑誌や新聞で投資を特集する記事が目立つようになるが、それは、ボーナスという余裕資金を使って投資をしよう、ということであり、ボーナス時期が投資のタイミングとして適している、と言っているわけではない。
したがって、余裕資金が30万円あるからボーナスが出たら即、30万円を投資する、というのは必ずしも適切ではなく、30万円を「投資するお金として確保する」ことが大切なのである。
ボーナス時期に限らず、まとまった額を一度に投資してしまうと、高値で多く買ってしまう失敗をしてしまう危険性があり、その危険を避けるには、「少額ずつ、時期を分けて投資する」のが得策。急いで投資する必要はないし、むしろ危険なのだ。
とくに投資経験がない人、少ない人は、ボーナスをきっかけに投資を経験するというスタンスがオススメ。たとえば投資信託を1本、1万円で買い、値動きに慣れたり、その投資信託が気に入ったりしたら、投資額を増やしたり、積立購入(毎月、一定額で自動的に投資信託を買い付けてもらう)を検討するといい。
ボーナス額アップというムードがある中、しらけたことを言うようだが、せっかくのボーナスを上手く使うためにも、ボーナス依存度のチェック、また賢いボーナスの活用術をおさえておいていただきたい。
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フリーライター 高橋晴美(たかはし・はるみ)
1989年よりライターとして活動。資産形成、投資信託、住宅ローン、保険、経済学などが主な執筆テーマ。
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フリーライター 高橋晴美
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