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2014年05月23日
昨日(5月21日)の米国市場では、NYダウが16533ドル、10年国債利回りが2.53%となりました。NYダウが依然として史上最高値圏にあるのに対し、10年国債利回りが低下しているのです。
「たまたまだろう?」と思われるかもしれませんが、大変に気になるサインです。
昨年の12月31日には、NYダウが16576ドルと当時の史上最高値を記録し、その時点の10年国債利回りが3.03%でした。その後NYダウが5月13日に16715ドルと史上最高値を更新したのですが、10年国債利回りはその2日後の5月15日に2.48%と、昨年7月以来の低水準となりました。
さらにFRBは本年1月から長期国債とMBSの買入れを縮小しており、昨年までの月額850億ドルから現在は月額450億ドルとなり、本年後半にもゼロになるようです。
つまりNY株式が史上最高値圏にあり、これは米国経済の先行き見通しが好調であることを示しているはずで(金余りとか自社株買いが高水準であることもありますが)、さらにFRBの長期債買入れが急減して需給関係が悪化しているはずの中で、長期金利(10年国債利回り)が低下していることになります。
逆に本年2月3日に、アルゼンチンをはじめ新興国経済・通貨が混乱してNYダウが15372ドルまで下落したときは、10年国債利回りは2.56%まで下落していました。
つまりNYダウが上昇しているときは10年国債利回りも上昇し、逆にNYダウが下落しているときは10年国債利回りも下落します。単純すぎる「公式」ですが、歴史的にみても「最も外れが少ない公式」です。
それがここ「ほんの10日ほどの間」に崩れていることになります。
これは「不思議」でもなく、市場が「おかしい」わけでもなく、NYダウと10年国債利回りの「どちらかが間違い」でもなく、10年国債利回りが米国経済の先行きを反映してNYダウが現状を反映している時間軸の違いだけです。
つまり米国10年国債利回りの低下は米国経済の先行きが「悲観的」であることを示し、米国経済の先行きが「悲観的」だと日本経済の先行きも「悲観的」となり、日本株の先行きも「悲観的」となるはずです。
歴史的にみて、日本株の「最も信頼できる」先行指標は米国10年国債利回りなのです。それが低下していることは、大変に不気味なのです。過去をみてみましょう。
リーマンショック後の2008年11月から2010年6月まで、FRBは総額1兆7250億ドルの長期債を買い入れます(QE1)。これほど大量の長期債が市場から吸収されたにもかかわらず、米国10年国債利回りは2008年12月の2.05%から2010年4月の3.98%まで上昇しました。QE1により米国経済の先行きが「楽観視」されたからです。
そして日経平均は同年4月に11408円の高値をつけています。
ところがQE1が終了すると米国経済の先行きが「悲観的」となり、10年国債利回りは2010年10月に2.39%まで低下しました。そして日経平均は同年9月に8796円まで下落しています。
そこでFRBは2010年11月から2011年6月まで長期国債を6000億ドル買い入れるQE2を開始すると、10年国債利回りは2011年2月に3.64%まで上昇しました。そして日経平均も同年2月に10891円まで上昇しています。
QE2が打ち切られると10年国債利回りは2011年9月23日に1.83%まで下落し、日経平均は同年11月に8135円まで下落しています。
QE1、QE2が行われていた間だけを取り上げましたが、FRBが長期債を買い入れている間は米国経済の先行きが「楽観視」されて米国10年国債利回りが上昇し、そして日経平均は上昇しています。
またFRBの長期債買い入れが終了すると米国経済の先行きが「悲観的」となり10年国債利回りが低下し、そして日経平均が下落しています。
そして現在はQE3が終わろうとしており、米国10年国債利回りが低下を始めています。これでもって本誌が日本株の見通しを「弱気」に転換したわけではありませんが、非常に気になっています。
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