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<企業の休廃業>中小の“隠れ倒産”10年で倍増(毎日新聞)
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/109.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 5 月 26 日 09:03:00: igsppGRN/E9PQ
 

<企業の休廃業>中小の“隠れ倒産”10年で倍増
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140526-00000011-mai-bus_all
毎日新聞 5月26日(月)7時0分配信


 アベノミクスによる景気回復基調を背景に企業の倒産件数が22年ぶりの低水準となる一方で、企業が余力を残しながら事業を断念し、休廃業するケースが急増している。後継者難や経営の先行き懸念が主因で、東京商工リサーチによると、2013年の休廃業(解散も含む)数は2万8943件で過去10年で2倍に急増した。債務超過などで倒産に至る前に自主的に会社を整理するため、“隠れ倒産”とも呼ばれる休廃業の急増は、景気回復の波に乗り切れない中小零細企業の経営の厳しさを浮き彫りにしている。【宮崎泰宏、藤好陽太郎】

 中小企業が集積する東大阪市。昨年3月、ビニール製品製造会社を営んでいた男性社長(77)が会社を閉じた。創業から80年余、1963年に父から社長を継いで踏ん張ってきたが、ここ3年間赤字が続き、廃業を決断した。

 社員は約40人。原料の原油価格高騰が続く中、製品価格に転嫁できず、利益が出なくなった。大量生産する大手の参入で安売り競争が激化し、追随できなくなった。

 下請けメーカーに生産設備を売却し、社員も引き受けてもらった。会社の借金は社長個人が返済した。社長は「借金が払えるうちに事業をやめれば誰にも迷惑がかからない。社員の働き場所の確保を最優先に考えた」と唇をかんだ。周囲にはその後に倒産した同業もあり、「早く決断して良かったなと言われる」。

 東京商工リサーチは、休廃業の増加について、事業の先行きを見通せない中小の経営者が、取引先や金融機関に迷惑を掛けないうちに事業を整理しようという意識が働いていると指摘する。

 「近所のうどん屋も酒屋も後継者不足で事業継続を諦めた」。大阪市にあるベアリングなど産業機械卸の70代の経営者はため息まじりに語る。58年に父親から引き継いだ会社は、最盛期に年2億円超の売り上げを記録し、社員も10人近くに増やした。だが高齢化で相次いで退職、息子たちに事業を押しつける気にもならなかった。結局、全員に退職金を払い、今年3月末に無借金のまま事業停止した。

 今も注文の電話がやまず、清算までに1年程度かかりそうだ。だが、債務超過になる前に退職金を支払い、幾ばくかの資産も残せて満足している。「銀行の借金が返せず、事業をやめられない経営者はもっと大変だ」と語る。

 中小企業の資金繰りを支援する中小企業金融円滑化法も13年3月で終了。金融機関が融資姿勢を厳格化すれば、中小零細企業の資金繰りは一気に苦しくなりかねない。「今後は資金が回らず倒産に追い込まれるケースが出てくる」(東京商工リサーチ)との声もあり、中小零細企業の経営の先行きは予断を許さない。

 ◇企業の休廃業

 経営者が資産が負債を上回る資産超過のうちに、事業を停止することで“隠れ倒産”とも指摘される。東京商工リサーチによると、解散を含めた休廃業は産業別では建設業が8535件(13年)と最多で、全体の約3割を占める。一方、銀行取引停止や民事再生法の適用申請などの倒産件数は13年に5年連続で前年比減少し、22年ぶりに1万1000件を下回った。


 

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コメント
 
01. 2014年5月26日 09:19:00 : nJF6kGWndY
デフレに過剰適応して利益を上げてきた企業ほど、方向転換が難しいだろう

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140523/265297
まやかしの正社員化では、「採用氷河期」は生き抜けない

小売り・外食の「デフレモデル」はもう限界

2014年5月26日(月)  山崎 良兵

 深刻な人手不足を背景に、非正規社員に依存する経営を見直す企業が相次いでいる。安い賃金で、簡単に解雇できる労働者を雇い、「使い捨て」にするビジネスモデルはもはや限界に来ている。日本の雇用のあるべき姿とは何か。労働経済が専門で雇用問題に詳しい日本総合研究所の山田久調査部長に聞いた。
(聞き手は山崎 良兵)
景気が回復傾向にある中で、人手不足が深刻になっています。「採用氷河期」がやってくるとの声さえあります。何が問題なのでしょうか。

山田:日本も「人手不足経済」に入ってきました。マクロ環境では、建設、小売りなどで本当に採用が厳しくなっている。統計を見ると、バブル期まではいかなくても、まさに20数年来の人手不足に入っている。有効求人倍率を見てもそうです。

 そこで非常に目立っているのが、日本の労働市場のいびつさです。日本では、正社員と非正規社員が分断されている。小売りや外食などでは、非正規を正規化する動きが進んでいますが、全体で見るとまだ一部の動きに過ぎません。

 とりわけ問題なのはいったん非正規として働くとなかなか正社員になれないことです。非正規として働いている人が転職しても、8割の人がまた非正規で働くことになります。この割合はほぼ安定しています。上がったり、下がったりすることはあっても、一時的です。いわゆる「二重構造」の問題は本質的には変わっていません。


山田 久(やまだ ひさし)氏
1987年年京都大学経済学部卒業。住友銀行(現三井住友銀行)入行。91年 日本経済研究センター出向、93年より日本総合研究所調査部出向。98年 同 主任研究員。2003年 経済研究センター所長。2005年 同 マクロ経済研究センター所長。2007年 同 ビジネス戦略研究センター所長、2011年 同 調査部長/チーフエコノミスト、現在に至る。
とりわけ人手不足が目立つのは小売りや外食です。デフレ下では商品を安く売る必要があると考え、人件費などコストを切り詰める企業が目立ちました。

山田:小売りは過去20年で異常なまでに非正規を増やしました。小売りはオーバーストア状態です。国際比較すると、日本では小売りの全産業に占める就業者比率が高い。人をたくさん雇用している。過去20年間を振り返ると、日本はもともと高コストで、コスト削減余地がかなりありました。

 出店コストが下がったこともありますが、とりわけ人件費を減らしてきた。一般的な国では、賃金の下方硬直性がありますが、日本にはありません。非正規の賃金水準は絶対的に低く、平均賃金はドラスチックにどんどん下がる。ひたすらコスト削減を続けて、企業が利益を出してきたのが、マクロで見た日本の姿です。

 コスト削減で一番効いたのは、もちろん人件費です。だからオーバーストア状態が維持できた。価格が下がり、売り上げが下がっても、コストが下がれば、持ちこたえられる。結果的に欧米と比較すると日本は賃金水準も低い。それだけ人を雇えることになる。こうして日本では非正規が雇用全体に占める割合が高くなりました。その調整が始まっている。こうした流れの中で、流通業では、かなり大きな再編が起きつつあります。

デフレモデルは限界に来ている

コスト削減を進めて、安く商品を売る“デフレモデル”はこれからどうなるのでしょうか。

山田:限界に来ています。景気の回復で、労働人口も減り始めている。2008年秋のリーマンショック後に需要が縮小し、その段階では問題は顕在化しませんでした。しかし若い人の人口が減少し、いわゆる労働力人口そのものが継続的に減っている。今になって、見えなかった問題が一気に出てきました。

 パートはどの会社で働いてもいいと思う人が多いので、奪い合いになっている。ある地方のスーパーでは、新たに雇うパートの給料が、副店長などよりも時給換算で高くなったという話も聞きました。それでは(副店長が)納得できないので、正規の賃金も上げたそうです。異常でいびつな構造が抱える矛盾がここに来て噴出しています。

 根本にある問題は何か。いわゆる正規・非正規の二重構造が今の時代にあっていないのです。だから様々な問題が起きています。

労働形態の二重構造のいびつさはどこに表れているのでしょうか。

山田:雇用形態別の求人倍率に顕著に表れています。パートの求人倍率は1.43倍ですが、正社員は0.7倍程度で、1倍をずっと下回る状態が続いています。ここまでマクロで労働市場がひっ迫すると、「構造的失業」状態と言えるでしょう。3月の完全失業率は3.6%です。企業は非正規の採用には積極的ですが、正社員を雇うのには及び腰です。そこに、ねじれが生じています。

 このいびつさは賃金に表れています。ミクロで見るとパートは時給が上昇しており、個別ではとんでもなく上がっています。ただ正社員を含めると全体では、さほど上がっていない。パート・非正規の賃金が上がっても、絶対水準が正規とは違います。このため全体に与える影響は小さい。ボーナスが増えても、全体の人件費の7割くらいが正社員の基本給なので、そこがなかなか動かない。こうした二重構造になっているがゆえに、いろいろな問題が起きています。

海外と比べると、日本は特殊なのでしょうか。

山田:米国では、ある業種で人材が不足して、賃金が上がると、そこに新たに人が入ってくる。ですから労働の需給は自然に調整されます。例えば、IT(情報技術)関連はずっと人手不足で賃金が上昇しています。すると新卒の学生が入ってきて、海外からは外国人もやってくる。賃金は市場原理で決まり、人材は奪い合いになるので、景気がよくなると、雇用も増えてくる。

 しかし日本は違います。賃金水準は企業の内部で決まる傾向が強い。欧米における職務給の世界では、人材紹介会社が情報を提供します。人事部に、「これくらいのスキルで、このような職種の人はこの程度の賃金水準になっていますよ」と伝えている。その水準でないと人材に逃げられてしまう。日本の場合は、ゼロとは言いませんが、一部の外資を除くと日本の大手企業では人材の流動性が低い。すると賃金がなかなか動きません。

非正規と正規の分断が根本的な問題

 職務給と言いながらも、日本企業が人材を熱心に育成するのかというとあまり育てなくなっている。仕事の専門性がどんどん高くなって、育成するのが難しくなっています。

 米国は企業ではなく、仕事にロイヤルティー(忠誠心)を感じている人が多い。自ら能力を高めていかないと本当のプロにはなれない。でも、日本はいざとなれば会社が雇用を維持してくれる場合が多い。

日本の仕組みでは、専門性の高いプロフェッショナルな人材が育ちにくい。

山田:日本の賃金制度は、形は(成果主義など)米国的なものに変えようとしていますが、根本的に違います。これでは本当のプロは育ちにくい。正社員でもプロが育っていきません。転職が少ないから、全体の賃金が上がりません。人手不足になると、普通の経済は賃金が上がるはずですが、それがない。

 人材はどんどん不足します。これまでもそうですが、これからもっともっと加速する。中期的に見て日本を含めた先進国では、プロフェッショナルな人材がもっと必要になります。それは、景気が上昇する局面で顕著になります。日本は絶対的にプロの人材が不足しており、それが人材供給のボトルネックになる。

 米国は賃金が増えて需要が創出されると、技能が身に付いたプロの人材が育ちやすい。日本は現場の非正規だけがひっ迫して賃金が上がりますが、正社員を含めた全体の賃金を引き上げるほどではありません。日本ではプロ人材を育てるような仕組みが整っていない。景気が良くなっても(人材の)供給量がついていかないと、成長力は抑制されます。

マクロで見ると日本でも人材の流動性は高まっているようにも見えます。通常ならプロ人材が育ちやすい環境になるはずです。

山田:マクロで流動性が上がっているようにみえるのは、非正規の雇用が増えているからです。正社員の流動性は、実はずっと低下しています。いわゆる大手企業の流動性は上がっているように見えますが、正社員に限れば、下がっている。1つの理由は女性です。事務職の人が結婚して退社するといったことがなくなり、そこが効いています。もともと人材の流動性が高かったはずの中小企業でも、流動性は下がっています。

 一方、非正規で起きている流動化は「悪い流動化」です。技能が身に付かない。「経済活性化のために雇用の流動性を高めよう」というのは、丁寧に議論しないと間違います。パッとみると流動性は上がっているように見えるが、実は悪くなっている。

欧州では非正規の5割くらいが正規になれる

流動性が高まっているのは「見せかけ」に過ぎない。

山田:繰り返しになりますが、日本で流動性が高まっているのは非正規が増えているからです。もちろん非正規の雇用自体は悪くありませんが、日本の非正規雇用のあり方は問題です。全体の20%しか、正規になれない。欧米を見ると、欧州などでは5割くらいが正規になれる。日本のような形はよくありません。流動化は日本の大手企業でも起きているがどちらかというと悪いもので、(電機などで)リストラのために起きている流動化です。

 (人手不足を受けて)一部の企業は正規化を進めていますが、これは、マクロ統計を見る限り、きれいには出ていません。非正規が正規化する割合は日本では増えていない。

 2013年度は正規の比率が上がると思いますが、国際比較するとたいしたことはありません。正規と非正規が分断されていることが根本的な問題で、日本は非正規でぐるぐる回る人が多い。

問題を解決するにはどのような方法があるのでしょうか。

山田:具体的なソリューションとしては、非正規の限定正社員化がありますが、課題も少なくありません。確かに、非正規を正規化する時の受け皿として使うことはできます。主婦などのパートの場合、現実にはその地域でしか働かない。本店に異動してまで働きたくはない。でも1年ごとの更新なら、雇用が不安定でモチベーションは下がる。無期化すれば、人材の囲い込みに役立つでしょう。

 しかし企業側はこの仕組みを都合よく使いたい。リストラのための悪用は論外ですが、ある事業が不振になってなくなる時に職務限定なので雇用契約解除は当たり前といった形で、限定正社員を入れたいと考えるケースもある。非正規の受け皿として限定正社員にするのか。正規の雇用タイプを変えて、限定正社員にするという雇用調整型にするかで、意味合いは変わってきます。

限定正社員が、正社員の賃下げに使われる可能性もあるということでしょうか。

山田:地域限定正社員といった言葉もありますが、言ってみれば、「賃金限定正社員」です。雇用契約は無期だが、賃金が低い。企業から見ると、勤務地が限られ、職務も限られていて、これまでの一般的な正社員よりは安く雇用できる。

 賃金限定正社員は、個人の事情でその地域でしか働くことができない。企業は結果として賃金のディスカウントをやっています。最初から職務限定で勤務地限定の社員なら、(事業が厳しくなったら)文句なしに雇用契約を解除できると考えています。雇用契約では、こうした条件を明確にしないといけません。(経営側と働き手の側に認識のギャップが大きければ)問題が起きる可能性があります。

セーフティーネットは過大なくらいがいい

企業にとって都合のいい、まやかしの正社員制度になるリスクもあるように思います。正社員の解雇規制の緩和にも注目が集まっています。

山田:解雇された際のセーフティーネットの整備が重要です。欧州では、組合が強く、非正規でも組合員になっている場合が多い。日本では、現状のままで、欧米のような(解雇のしやすい)仕組みにするとマイナス影響が本当に起きそうです。話題になっている解雇規制の緩和については、セーフティーネットの強化とセットで考えなくてはいけません。

 もちろん雇用する企業の側の責任も重大です。(公的な)雇用保障などで責任がなくなるわけではない。いざというときに解雇される人が転職できるような再就職支援や、アウトプレースメント会社の紹介、割増退職金を積むなどの対応が求められます。

 セーフティーネットは、ある程度社会のルールにすることが必要です。そうでないと、弱いところにしわ寄せがくる。企業は、地域限定正社員、職務限定の正社員は、「合理的な理由があれば雇用契約は解除できる」と安易に考えるべきではありません。セーフティーネットの整備は、過大なくらいやらないといけないと思います。

雇用の仕組みの抜本的な改革は、日本で実現できそうなのでしょうか。

山田:景気は良くなりそうで、マクロ的に設備投資は2〜3年増える見通しです。その中で人手不足が起きている。景気がいいと、企業は利益が出てお金を使える。今から3〜4年の間に条件を整備して、限定正社員、職務型正社員の日本でのあるべき形を作っていくべきです。

 これまでのようにコスト削減に依存して利益を出す手法に、企業は捉われてはいけません。「いいものを安く」よりは、「いいものを高く」売った方がいい。雇用調整だけではダメで、付加価値創造型の経営にシフトする必要があります。

 私は2010年に『デフレ反転の成長戦略〜「値下げ・賃下げ」の罠からどう脱却するか』(東洋経済新報社)という本を執筆しました。人件費削減などによる安売りに、企業がどれだけ力を入れても日本経済は成長しない。賃上げが重要だと訴えました。当時は私の考え方を誰も信用してくれませんでしたが、今は環境が大きく変化しました。雇用・賃金という構造的な問題にメスを入れ、日本経済が20年来のデフレの変な罠に陥った状態から転換するには、またとない好機を生かすべきです。

このコラムについて
さらば 使い捨て経営

日経ビジネス5月19日号の特集「さらば使い捨て経営〜『正社員化』だけでは解決しない」では、人手不足の深刻化を背景に、問題が噴出する非正規雇用を取り上げた。「ブラック批判」を浴びる一部の企業にとどまらず、業種を超えた様々な企業で人材確保が困難になりつつある。過去20年間、低賃金で解雇が容易な非正規社員への依存を続けてきた企業だが、それでは来るべき「採用氷河期」を乗り切れない。様々な現場で起きている問題と、企業の対応、雇用のあるべき形に迫った。本コラムでは、特集誌面には収めきれなかった企業の動きや経営者・識者のインタビューなどを紹介していく。


02. 2014年5月26日 19:09:22 : gIGkVxu4gY
「倒産」+「廃業」で統計をとれば大きな数字となるだろう。

03. 2014年5月26日 20:22:22 : btFG4kylc6
倒産に 目を奪わせて 厚化粧
それでも隠せぬ 素顔の経済

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