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法人税改革で仰天プラン 税目の“付け替え”で引き下げ取り繕う
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140524-00000504-biz_san-nb
SankeiBiz 2014/5/24 15:40
安倍晋三首相が意欲を示す法人税の実効税率引き下げをめぐり、大幅な税率の引き下げに慎重な自民党税制調査会と財務省、総務省が、“仰天プラン”を画策している。見かけ上の税率下げを演出するため、引き下げ分を他の税目に丸々付け替えてしまうという“裏技”だ。国・地方の税収が減税後も変わらない半面、企業の実質的な負担も変わらない。経済界からは「何のための法人税改革なのか」という批判も上がっている。
自民税調と財務省、総務省がトリオを組んで検討しているのは、地方税の法人事業税に課される「外形標準課税」を見直すことで、財源をひねり出す手法だ。
資本金や人件費などの事業規模に応じて課税する外形標準課税のうち、法人実効税率の算定には、所得に応じて課税する「所得割」(税収1.6兆円)が組み込まれている。外形標準課税には所得割のほか、従業員の賃金を中心に課される「付加価値割」(同0.4兆円)と、資本金に応じて課される「資本割」(0.2兆円)があるが、いずれも利益に関連した金額ではないため、実効税率の算定にカウントされていない。
自民税調や財務省は、税制上のこうした隙間に目をつけ、有力な財源として狙いを定めたとされている。
具体的には、法人実効税率にカウントされる所得割を減税する一方、税率に乗らない付加価値割と資本割を増税することで、見た目上の実効税率の引き下げを演出するというものだ。所得割の減税により実効税率は下がるが、それと同額分、付加価値割と資本割が増税される。結果的に企業の税負担は同じで、地方に入ってくる税収も変わらない。まさに、税目の“付け替え”による裏技といえ、大手製造業の首脳は「企業の実質負担が変わらないのであれば、法人実効税率引き下げ議論の目的から外れる」とこうした税の付け替え議論の動きを強く牽制(けんせい)する。
自民税調や財務省が、税収を減らさず法人実効税率を引き下げるという「ウルトラC」を検討する背景にあるのが「財政健全化」という“錦の御旗”だ。
財務省では、法人実効税率1%の引き下げで約4700億円の税収が失われると試算。国として1000兆円を超える借金を抱える中、代替財源抜きの実効税率引き下げは、財政悪化にしかつながらないという認識で、ビタ一文、税収を減らしたくないという立場だ。自民税調の野田毅会長も5月10日の民放番組で「代替財源抜きに実効税率を引き下げ(税収に)大きな穴が空けば(日本の財政に対する信任が揺らぎ)金利に跳ね返る」と警鐘を鳴らす。ただ、安倍首相は引き下げに向けアクセルを踏む。
先月の22日の経済財政諮問会議では、6月に策定する経済財政運営の指針「骨太方針」に実効税率の引き下げを明記するよう指示。現在35.64%の法人実効税率について「3〜5年で20%台に引き下げる」と盛る案が有力だ。もっとも、引き下げの方向性を示しても、実施段階で、税目付け替えによる税率のみの引き下げとなれば、製造業を中心とした海外生産移転の動きに歯止めはかけるのは難しい。
安倍政権は、成長戦略の目玉としての法人実効税率の引き下げと、財政再建の両立を図りながら、改革に向けた道筋をどう付けるのか。安易な税目の付け替えによる、見かけだけの法人税改革では、企業の理解は得られず、経済成長にもつながらない。
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